「貸しちゃろっか?」と下娘が言うので拝借。ってことは置いてった荷物と一緒に宅配便で送り返さんといかんってことよね。はよ読もうと月曜から毎日のお昼寝時間の友とする。
「鴨川ホルモー」 万城目 学
新聞書評で見かけた時に<甘酸っぱい青春小説>みたいに書いてあった記憶があったので、京都の鴨川にある焼き肉屋さんに集う若者の物語かと思ったら大間違い。
二浪して京大に入学した安倍は、京大青竜会というサークルの勧誘を受ける。新歓コンパにだけ参加するつもりだったが、友人・高村と共に入会してしまう。ただのレクリエーションサークルと思われた青竜会だが、次第に安倍たちは京都の地で鬼や式神を使って争う謎の競技ホルモーを戦い抜くために集められたことを知る。ホルモー競技には京大・立命館大・竜谷大・京都産業大の4大学が登場し、メンバーは二年に一度の割合で変わることになっており、その競技の歴史は千年に渡るといわれている。
こう書くと、血みどろの戦闘ものか、おどろおどろしい妖怪ものか、ちょっと怪しい宗教がかった話かと思って手に取るのをためらうが、まったく違うので安心してどうぞ。荒唐無稽・奇想天外な発想は作者の若さゆえだけではない痛快さ。ありえない話というのは、難解なものや気色悪いものになりがちだけど、こちら(ありえ~~ん)と笑いながら、若い人の繊細な心にも触れて、リズムの良い文章に引き込まれてしまうよ。
京都の町には、現実にはありえんことが起こっちゃったりしそうな色と空気が漂うよね。若き日を今過ごす人にも、すでに過ごしてきちゃった人にもお勧めの一冊。特に京都で過ごした人にはたまらん一冊になるんじゃないでしょうか。ああ、若かった頃、アホくさいと思いながら、くだらないと分かっていながら、必死になってた事たちの何て懐かしいこと。
来年、映画の実写版になるらしいですが、それはちょっと…どうかい。ゲゲゲの鬼太郎風にはしてほしくないが。