★ベルの徒然なるままに★

映画、ゲーム、アニメ、小説、漫画・・・管理人ベルの、大好きな物をいっぱい集めた徒然日記です。

原作版『MW~ムウ~』 手塚治虫

2009年07月21日 | 小説・漫画・書籍
なんか、またしても、4日ぶりくらいにPCを触ります、ベルです、こんにちは。
昨日は、ケータイからチョコチョコ投稿していましたが、18きっぷを使って、兵庫県の播州赤穂と、その近くの岡山県内をウロウロして。
深夜頃帰ってきました。
いや~、播州赤穂は遠かった。兵庫っていっても、ほとんど岡山県なのですよね(^^)b
でも、岡山まで行っても、ちゃんと鈍行往復で日帰り出来ちゃうのですね~。

そして。
西日本を飛び越えて、関東は既に梅雨明け済みですが、こちらは、まだまだ梅雨真っ只中。この3連休も、時々、豪雨でした。
んで。
今朝、実家から電話があって知ったのですが、私の実家のある山口県は、すごい大雨みたいで。電車や新幹線が不通になるのは当然としても・・・なんか、浸水してるみたいなのですよね(--; 実家の近辺。
とりあえず、庭と道路は水没してるみたいです。はい、道路が膝下程度の川状態ってヤツです。当然、車もタイヤの半分くらいが水没。ウチは、たまたま、庭より少し高い位置に家を建てているので、床下浸水などはセーフみたいですが、ご近所は既に床下浸水中だとか。
こうなると、何が困るかっていうと。私が子供の頃も似たようなことがあったのですが・・・あまりに豪雨で街が浸水すると、下水道の機能が果たせなくなるのですよね~。つまり、台所、お風呂、洗面所、もちろん、御手洗いなどの生活排水が流せなくなる。流せない所か、逆流しかけてくる場合も(汚)あるらしくて。汚い話で恐縮ですが、今日の実家は、御手洗いの便器の中の水かさが少しずつ上がってきてたらしくて・・・溢れるのではと戦々恐々だったらしいですorz 水道局に問い合わせても、市内中で似たような現象が起こってて、水道局さんも現在、復旧善処中とのことで・・・もう、待つしかないですよね。
でも、まあ。
つい、今し方かかってきた母からの結果報告によると。無事だったようです。
雨も少し小振りになり、庭や道路も水没しているとはいえ、若干、水は引いてきた様子。床下浸水も免れました。下水道のトラブルも無事、復旧したらしく、一番気にしていた、御手洗いが逆流して溢れるという事態も起こらなかったようで。
とにあえず、安心しましたです。つか、避難勧告出てないのか??


で。
話はガラリと変わりますが、お休み中に読んだ漫画の感想です。
先日、映画『MW~ムウ~』を見て、美しき悪役に激しく悶えた・・・と書きましたが。その原作漫画、手塚治虫の『MW~ムウ~』(全3巻)が再販されたので、購入して読みました~。

・・・・・・・。
手塚作品なので、ある程度は覚悟していましたが・・・もう、想像を絶するダークさで。過激というか、ショッキングと言うか。。。。。。
つか、あまりのダークさに衝撃を受けてしまって。昨日も、赤穂巡りをしている間中、なんか、頭の中は、ダークネス。うん。それほど、衝撃的な内容で。「禁断の~~~」と呼ばれる所以が分かりました。
っていうか、映画も、かな~りダークで衝撃的でしたが、原作漫画に比べたら、非常に爽やかだ(^^)

で。
原作の内容が内容なので、映画とは、かなり物語が違っていたのですよね(つか、原作に忠実には映像化出来ないでしょう!)。
ストーリーの大筋として、
政府の毒ガスによって島民全滅→二人の生き残り→その内の一人がガスを吸って悪魔化。もう一人は苦悩の神父になる
というのは、原作通りでしたが、エピソードなどは、映画とは全然違っていて。なので、最初に映画版を見てしまった私ですが、全然「別の作品」という感じで楽しめました。・・・ダークだったけどね。


とりあえず。
映画では、玉木宏さんが演じる結城の悪魔っぷりが凄かったですが・・・。原作の結城は、もっともっと壮絶な悪魔です。もう、極悪残虐非道極まりないです。原作結城を知ってしまった今、映画結城が、爽やかな好青年に見える・笑 ホントです。

そして、映画では、結城主役って感じで描かれていましたが、原作の主役は、完全に、賀来神父の方ですね。結城の悪事が中心に描かれますが、物語としてのメインは神父の苦悩かなと。
で、映画は、ダークと言えども、活劇風なエンターテイメントになっていましたが、原作は、ただただ「禁断」の連続。人間という生き物の中に潜む様々な「罪」を意識させる話でした。

中でも、結城の狂いっぷりはハンパないです。
目的の為なら、何の罪のない人、女子供であろうと、容赦なく殺します。しかも、手口が、色々とグロいorz
そして、利用できるモノは、人の命であろうと、自分の肉体であろうと、何でも利用する。
原作では、結城と賀来神父は同性愛な関係ですが、結城はそれだけでなく。手段のためなら、相手が女であろうと男であろうと、バーちゃんであろうと、ベッドを共にします。場合によっては、レイ●も。ついでに言うと、彼、動物とも交わってなかったっけ・・・・・獣姦とか勘弁してください、もう(--;・・・・・・・・・何でもアリですね・・・・。

一方、賀来神父の方も、「罪」の人です。
彼は、原作でも、なんとか、結城の悪事を止めたいと思いながらも、結局は、片棒を担がされていきます。
で。
なぜ、速やかに結城を告発せずに、ズルズルと協力してしまうのか? 結城を庇うのか?
もちろん、結城を愛しているからというのが一番の理由でしょうし、結城と共に、毒ガス地獄を体験した賀来の心の中にもまた、復讐のような想いがあったのかもしれません。
でも、結城との腐れ縁自体が、賀来神父にとっては「罪」だった・・・もっと端的に言うと、結城との出逢い自体が、彼にとっての「罪」だったのではないかなぁと。

映画では、結城を玉木宏さん、賀来神父を山田孝之さんと、同世代の俳優さんが演じ、二人も、同じ島に住む幼なじみ(おそなく同い年くらい)という設定ですが。
原作では、そういう設定ではありません。
結城と賀来は、かなり年が離れています。
しかも、二人とも島民ではなく、結城は、お金持ちの親戚と共に島に遊びに来ていた10才の子。女の子と見紛うばかりの美しい少年でした。
そして、賀来は、当時、凄い不良で、年齢的には多分、高校生くらい。不良グループで、本土からやってきて、島を荒らして楽しんでいるという悪いヤツだったのですよね。
で、毒ガスの流出によって、島民や、賀来の不良仲間が全部死に絶えたとき。たまたま、毒ガス流出現場の風上の洞窟にした、賀来と結城だけが生き延びる訳ですが。
なぜ、二人が、そんな洞窟にいたのかというと・・・・・・。

賀来が結城を洞窟に拉致って、そこで、まだ10才の少年だった結城をレイ●していたのですよね・・・・・・

・・・そりゃ、映画化に伴って、二人が島に住む幼なじみという設定に変えられるわけだわさ! 原作通りには、映画化出来ないです!

で。
結果として、二人は生き延びる訳ですが。
賀来にとっては、二人の出逢い・・・二人が無事生き延びたこと、その理由自体が罪の原点なのかなぁ・・・と思いました。毒ガスの影響で、どんどん悪に狂っていく結城の暴走を止めたいと思いつつも、なぜか、結城の言いなりになってしまう。
それは、その罪の原点への後ろめたさもあるのではないかなぁ~と。
それと、結城が狂っていった原因の一つに、自分も起因しているのではという意識とか。
もちろん、それらを凌駕するほどの「愛しているから」という理由が一番なのでしょうが。でも、その「愛」も既に「罪」な訳ですし。

悪鬼と化した結城が、現代で殺人などの罪を重ねていく一方で、賀来は、過去からの罪、そして、現在も結城を止められない罪と、終わりない苦悩がずっ~~~~と続いている訳なのですよね。
その辺りの賀来神父の苦悩がすごく重々しかったです。

そして、とにかく、結城の殺人の手口などが色々と残虐で。
さすがに、映画みたいに、結城応援派にはなれませんでしたが。

でも、この原作を読んで思ったのは、確かに、結城は悪魔で罪深いけど・・・。
でもでも、人間全体に「悪」や「罪」はあるのではないか・・・と。
もちろん、結城の行った殺人などは、絶対に許されない罪です。
しかし、戦争という殺し合いをする人間の罪はどうなのか?
たった数秒で、何百人という人間を即死されられる毒ガスを作り出してしまう人間の罪はどうなのか?
そして、その毒ガスを保持していることを国民に対して隠蔽し、自分の身の安全と利権にばかり固執する政治家の罪はどうなのか?

多かれ少なかれ、人間の中には、悪や罪があると思います。
その罪や悪を、結城という一人の人間に代表させて描かれているけど・・・結局、時と場合によっては、誰もが結城のような悪魔になりえることもあるのでは・・・と思いました。
殺人や戦争もそうですが、政治悪もまた、人間の欲と罪の現れ。
そして、その下で、踏みつぶされるかのような被害者も居る。
結局は、富めば富んだで、貧しければ貧しいで、人間というモノには「欲」があり。
あまり認めたくはないですが、人間の本質として、誰の中にも「悪」は存在する。
そんな生々しさを感じる作品でした。

すごくダークなお話の中にも、そういう社会的なメッセージを感じましたです。


そうそう。
ちょっと残念だったのは、3巻あたりから、急に、展開が早くなっちゃって。
それまで、ジワリジワリと怖~く物語が進んでいって居たのに、後半、急展開というか、気のせいか、無理矢理完結した~って印象がありましたね。
もっと、前半同様、じっくり進めた方が、より面白かったのでは?というか、もっと、続きが描けるような作品だったと思うのに・・・・。
連載誌の掲載の都合とかがあったのかな?と勝手に想像ですが。


・・・とにかく、ショッキングな漫画でした(><)っっ
すごく面白かったですがね(^^)b
うん、ホント、原作のダークさに比べたら、映画は爽やか(決して、爽やかとは言い難いけど・笑)です。
出来れば、もう1回、映画版を見て、原作を読んで頭の中に浸食してきたダークネスをリセットしたい~~~~~(*><*)笑

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4 コメント

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はじめまして! (COE)
2012-04-02 14:48:20
はじめまして!
COEといいます。
今、ちょうど「MW」の原作本を買おうとしてて、内容の確認のため、(あまりグロすぎるとよめないので)ネット内を物色していました。
ベルさんのブログが一番分かりやすくて、とってもたすかりました(^0^)
もっとグロいとおもっていましたけど、予想範囲内でした!よかったです!
ひどいと夜眠れなくなる傾向が←
助かりました。
有り難うございます♪

投稿者:COE
>COEさんへ (ベル)
2012-04-03 18:26:39
COEさん、初めまして(*^^*)

このブログの管理人のベルと申します。

さてさて。
私の書きました「MW」の感想が、COEさんのご本選びの参考になりましたなら、本当に嬉しいです。

ありがとうございました。

私自身、あまりにグロいのは、全くダメな質なのですが、「MW」は、なんとか大丈夫でした。

先に映画を見ていたので、少し免疫があったのかもしれませんが(^^)b

とはいえ、結構、ショッキングな内容に、当分は、頭の中をMWガスが立ち込めてる感はありましたです(笑)

でもでも。

単にグロいとか、怖いとかだけでなく、色々なことを考えさせられた漫画でもありました。

多分、人間、誰の心にも、「悪」という感情はあるわけで。
もしかしたら、自分も、何かの弾みで、結城のように、その「悪」の部分を発動させてしまうのではないか・・・とか。
きっと100%「善」っていう人間は、存在しないだろうし・・・。

本当に、善と悪って何なんだろう?

って。

さすが、巨匠・手塚治虫先生作品だなぁと思う「深さ」がありましたよ。

きっと、読んで損はない・・・と私は思います(^^)


ではでは、長々と語ってしまい、失礼いたしました。

コメント下さり、ありがとうございました!
はじめまして (なりは)
2018-01-04 03:41:25
原作の漫画を読んだのなら、おわかりかと思いますが、結城は、自分の兄になりすまして、生き残りましたよね?(つまり、射殺されたのは兄)
>なりはさんへ (ベル)
2018-02-26 18:17:23
こんにちは!
はじめまして(*^^*)
このブログの管理人のベルと申します。

9年前の記事にコメント下さり、ありがとうございました。嬉しかったです。

そして、お返事が大変遅くなってしまいましたこと、大変、失礼いたしました。

さてさて。
原作のお話ですが。

もう9年前なので、少し、記憶が曖昧になっているのですが、仰る通り、結城は死んでいなかったと思います。

なので、実写映画版でも、ラストシーンで死んだと思われていた結城が生きた居たので、「ああ、これは原作を意識したんだなぁ」と思った記憶があります。

映画も原作コミックも、最近、見ていなかったので、また、改めて見てみますね。

凄く久々なので、新鮮に感じられると思います。

ではでは、久しぶりに、MWのお話が出来て嬉しかったです。

ありがとうございました☆

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