みどりの野原

野原の便り

2月23日 カイガラムシを食べている

2013年02月23日 | Weblog
カイガラムシと言えば植木に着く厄介な害虫。
私が知っているのは、白いロウを被ったもの。剥がしてみると内側は赤っぽい肉状のものがあった。
赤黒いルビーロウカイガラムシ・ミカンの皮の上に張り付いたゴマ粒のようなヤノネカイガラムシ。
これは昔、家の畑で採れたミカンにはよく着いていたが、このごろは見かけなくなった。
動かないように見えても(動き回るものもあるらしいが)カイガラムシは昆虫だ。
昆虫図鑑にセミやカメムシの近くに載っている。
種類はすごく多いらしい。

「あなたはカイガラムシを食べていますよ」と言われる。
「絶対ない」と言いたいところだが、今までにもお話を聞いているので・・はい食べてます。


「食品の表示を見てください」次々に出されたカイガラムシ使用の商品のオンパレード。

今日のお話に出てくるのは「ラックカイガラムシ」「コチニールカイガラムシ」
どちらもやはり吸汁性の害虫だが、それらの分泌物や虫体から着色料や染料等になるのだ。

赤色の食品着色料としてラック色素やコチニール色素で染めた食品としては、アンパン・三色団子・ハム・ソーセージ・明太子・ジャム・ジュース・三色そうめん・ようかん・カニかまぼこ・・こんなものにまでと思う和菓子にも「ラック」・「コチニール」の表示があり驚く。

色素としての添加や染料としてだけではない。カイガラムシのワックス成分も利用されている。
敷居滑り・糖衣錠など薬の表面やチョコボールなどの表面のコーティング。
胃酸から薬剤を保護して腸まで薬を届けたり、くっつかないためや、光沢剤として。
塗料やニスとしても。バイオリンの名器ストラディバリウスにもカイガラムシから採ったニスが使われているのだとか。

粘着テープの裏側がはがれやすくなっているのも剥離剤としてワックス成分が使われているから。
フルーツのワックスは水分が抜けるのを防ぐ。遅行性肥料の表面にも。
自動車関係・電気器具・印刷関係・家庭用・医療用・・用途はいっぱいある。
正倉院御物「紫鋼」はスティックラックだそうだ。

なんて有用な害虫?だこと。
食べるだけではなく世話になりまくっている感じ。
もちろんコーティングや色素の原料はカイガラムシだけに限らないが。

ラックカイガラムシは主にタイや東南アジアや中国やインドなどで生産されている。
寄生樹種にカイガラムシを放虫、増殖させ収穫して塊や精製したシードラック・シェラックとして輸入されるらしい。

コチニールカイガラムシはメキシコ・アメリカ南西部のウチワサボテンに寄生。

 
枝にびっしりと付いたラックカイガラムシ シードラック 固まってしまっている。    

農業とも競合しないので、もっとうまく機能すると雇用も増え、森林再生され、地域経済に貢献するのではということだ。
その辺にいるカイガラムシも今度からもうちょっとよく観察してみようかな?
コメント
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