みどりの一期一会

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東京都青少年健全育成条例改正案/18歳未満の性描写を禁止~「表現の自由の侵害」条例案に反対の声明

2010-03-16 09:36:25 | 「ジェンダー図書排除」事件
東京都の3月議会に上程されている青少年健全育成条例改正案について、
「青少年の保護育成」という立場から、漫画やアニメに登場する
18歳未満と思われるキャラクターを「非実在青少年」と定義し、
「性表現を含んでいる」「性的に描かれている」ものはすべて
不健全図書に指定される可能性もあるということなどが、問題になっています。

今日の朝日新聞の一面と、二面の「時々刻々」でもこの問題を取り上げています。

    

この問題は当初、web上で議論が巻き起こり、13日に共同通信が配信し、
今回、反対の声明が出されたことで、問題が整理されて争点化されて、
新聞各紙でも取り上げられるようになりました。


この問題は当初、web上で議論が巻き起こり、13日に共同通信が配信し、
今回、反対の声明が出されたことで、問題が争点化されて表面化したことで、
新聞各紙でも取り上げられるようになりました。

わたしは、堺市図書館のBL本排除事件や福井県の図書排除事件などの
「ジェンダー図書排除究明原告団」の事務局をしていることもあって、
この問題の行方に、強い関心を持って情報収集してきました。

関連情報については随時、「市民と政治をつなぐP-WAN」のセレクトニュースにアップしてあります。
記事の最後にリンクしましたので、もっと詳しく知りたい方はご覧になってください。

朝日新聞記事
アニメ・漫画・ゲームの児童ポルノ規制 都が条例改正案
2010年3月16日0時25分 朝日新聞

 東京都がアニメなどに登場する18歳未満と判断される架空の人物の性描写を規制対象にする、青少年健全育成条例の改正案を都議会に提出している。都は「対象は著しく社会規範に反する表現に限る」としているが、指定の基準にはあいまいな部分があり、出版界などは「表現の自由が侵される」と批判。15日は漫画家らが記者会見して規制への反対を表明した。
 条例の改正案では、アニメのほか漫画やゲームなどで18歳未満の実在しない人物が登場し、強姦(ごうかん)など著しく社会規範に反する行為を肯定的に描写した作品について、第三者でつくる都の審議会が「不健全図書」に指定。18歳未満には売らないことを販売者に義務づけることなどを定めている。最終的に従わなかった場合は、罰金(30万円以下)が科される。可決されれば10月から施行される。
 刑法(わいせつ物頒布罪)の対象は実写に近い精密な性描写に限られ、児童買春・児童ポルノ禁止法は実在の子どもを扱った作品を対象としており、漫画のキャラクターなどを規制対象に明記した法律や条例は初めてだという。
 これに対し、記者会見した漫画家の里中満智子さんは「ある作品への感想は個々人で異なる。一つの見方だけで規制をかけるのは危険だ」と批判。日本出版労働組合連合会も「創作活動の場で過剰な自粛が行われ、表現活動が萎縮(いしゅく)する」などとして、改正案に反対するよう求める要請文を都議会各会派に提出した。
 一方、都小学校PTA協議会は「目をふさぎたくなるような漫画などが書店に置かれている」として改正案成立を各会派に要望した。


東京新聞記事
『子ども』性描写 都規制案に賛否 漫画家『表現の自由損なう』
東京新聞 2010年3月16日 朝刊

 子どもを性的対象に描いた漫画やアニメを規制する東京都の青少年健全育成条例改正案をめぐって十五日、漫画界やPTAが相次いで賛否の意見を表明、都議会審議が注目を集め始めた。「表現の自由を損なう」とする漫画家たちに対し、PTAは「子どもが健やかに育つために規制は必要」。改正案は、十九日の都議会総務委員会で採決される。
 漫画家有志のちばてつやさんや里中満智子さん、永井豪さん、竹宮恵子さんらが十五日、都庁で記者会見し「表現の自由を著しく損なう」として、改正反対の緊急アピールをした。
 里中さんは「(行政が条例を)いかようにも解釈して封じ込められる。作者の発想力から生まれたキャラクターにまで規制の網を掛けるなんて恐ろしいこと」と批判。
 ちばさんも「表現の規制は文化に元気を失わせる。日本の漫画界は危ない」と訴えた。
 少年愛をテーマにした作品も手掛けた竹宮さんは「私自身、漫画で表現をしたことがある。条例が成立すると、すぐに規制対象になりうると危惧(きぐ)を抱いた」と話した。
 改正案では、描かれた服装や所持品から十八歳未満とみられる実在しない登場人物への性行為を描写した漫画やアニメ、ゲームソフトなどを青少年に販売しないよう業界に自主規制を求める。
 中でも、強姦(ごうかん)など反社会的な行為を描写した作品は、都が「不健全図書」に指定して、十八歳未満への販売や閲覧を禁止する。
 改正案に反対する団体は「条例の文言があいまいすぎて、規制の対象をいくらでも恣意(しい)的に解釈できてしまう。審議時間も短すぎる」と反発している。
 これに対し、都は「そのような図書類の創作や出版自体を禁じるものではなく、成人への流通も対象にならない。自由な創作活動に影響はない」と説明している。
 石原慎太郎知事は取材に「先進国であの手のものが堂々とまかり通っている国は日本以外にないんじゃないか」と述べる一方、「私も表現者の一人だから、それなりの良心と常識で(規制が適切に行われるかどうか)判断しようと思う」と話した。
 改正案は十八日の総務委員会で質疑があり、十九日に同委員会で採決、最終的には三十日の本会議採決で決定する。


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京都新聞記事
漫画性表現規制「議論慎重に」
精華大学部長ら 都の民主会派に意見書

Kyoto Shimbun 2010年03月15日(月)

 漫画やアニメの18歳未満のキャラクターの性的表現を規制対象にする東京都の青少年健全育成条例改正案について、京都精華大マンガ学部の教授たちが15日午前、「表現の自由を侵害する恐れがある」として慎重な議論を求める意見書を都議会民主党会派に提出した。
 京都精華大の竹宮惠子マンガ学部長たち教授5人が同日午前11時半に都議会を訪れ、民主党会派の都議に意見書を配った。また漫画家のちばてつやさんや里中満智子さんも同行し、ちばさんは「ルールは守らなければならないが、法律で決めるものではない」と訴えた。
 提出後の会見で竹宮学部長は「改正案が成立すると自分の漫画も規制されかねず、危険を感じている」と述べた。
 意見書は都の条例改正案について、18歳未満にみえる登場人物を「非実在青少年」として性的表現を規制する根拠が不明確だ▽出版社は東京に多く影響が全国に及ぶ-などと指摘している。


都の青少年健全育成条例改正、グーグルやMS、楽天なども反対意見
2010/3/15 15:33 INTERNET Watch

 ネットビジネスイノベーション研究コンソーシアムは12日、東京都議会に提出されている青少年健全育成条例の改正案について反対意見を表明した。
 同コンソーシアムは、ディー・エヌ・エー、グーグル、マイクロソフト、ヤフー、楽天が幹事を務め、ケンコーコムや、慶應義塾大学の國領二郎氏(総合政策学部長)、同じく金正勲氏(政策・メディア研究科特別研究准教授)らもメンバーとして参加している。国の政策決定について課題を検討するなどの活動を行っており、2008年には一般医薬品のネット販売規制についての反対声明を出したことがある。
 今回、コンソーシアムが反対している条例改正案では、「インターネット利用環境の整備等に関する規定を改めるほか、規定を整備する必要がある」(改正案)として、フィルタリングの水準に言及した規定や、青少年が利用するのに適した携帯電話端末を都知事が推奨する制度の導入、保護者が携帯フィルタリングを解除する際に「理由書」の提出を求める規定などを盛り込んだ。

 コンソーシアムでは改正案について、「インターネットを基盤とする社会・文化・産業全般のイノベーション及び将来においてそれを担う青少年の育成に対する重大な阻害要因を含んでいる」と指摘。以下の4項目について、条例に盛り込むべきではないとしている。

東京都知事による、インターネットを利用して「有害な行為」、「被害」の「誘発」等を行った青少年の保護者に対する指導、助言及び調査等

「自己若しくは他人の尊前を傷つけ、違法若しくは有害な行為を行い、又は犯罪若しくは被害を誘発することを容易にする情報」等の曖昧・広範な文言による、フィルタリングサービスの水準の規定

東京都知事が特定の携帯電話を推奨する制度

フィルタリング解除を認めるべき正当事由の限定

 このうち「フィルタリングサービスの水準」は、フィルタリングソフト開発事業者やフィルタリングサービスの提供事業者に対して、努力義務として課すものだが、「それを背景に東京都が指導等を強め、表現内容に介入する危険性がある。すなわち、表現の自由・知る権利等を侵害する可能性がある」と指摘する。
 例えば、学校名や顔写真がWebサイトに掲載されただけで「犯罪」を「誘発」しているとみなされたり、「バカ」「あほ」などの冗談なのかどうか判別が難しい言葉も「尊厳を傷つけ」ていると判断されるケースも生じる可能性があるという。
 さらに、民間で進めている自主的取り組みに対して、「東京都が介入する下地を作り、Webサイト運営等への萎縮効果を与える」、子どもにどのような携帯電話を持たせるべきか、フィルタリングを解除するか否かといった「保護者の監護権に対し東京都が介入するもの」と指摘している。
 楽天では、コンソーシアムの発表とは別に自社でも見解を発表。フィルタリングの水準の規定が事実上、都による「検閲」のおそれがあることや、健全サイトまでもが制約されかねず、正当な表現活動も阻害されてしまうおそれがあることなどの問題点を指摘している。
(永沢 茂)
2010/3/15 15:33 INTERNET Watch


共同通信
ちばてつやさんらが反対アピール 都の児童性描写規制案に

 東京都が漫画やアニメの児童の性行為描写を規制するため、定例議会に提出した青少年健全育成条例の改正案に対し、漫画家のちばてつやさんや里中満智子さん、永井豪さんらが15日、都庁を訪れ反対をアピールした。
 ちばさんらは午後、都庁で記者会見。里中さんは「(規制案は)表現の自由にかかわることで、いかようにも解釈できる。生身の人が傷つくわけではないのに、(漫画の)キャラクターにまで網をかけることに恐ろしくなった」と主張。
 ちばさんは午前、都議会最大会派の民主党の会議であいさつし「規制することで文化の元気がなくなる例を見ている。(規制は)読者の気持ちで決めてもらいたい」と述べた。
 改正案は19日の都議会総務委員会で採決される。
 改正案は、漫画などで服装や学年などから18歳未満と判断される子供を「非実在青少年」と定義。こうした子供への性行為を描写した作品は、青少年に販売しないよう業界に自主規制を求める。
 これらのうち、強姦など著しく反社会的な内容の作品は、青少年への販売・閲覧を禁止する不健全図書に指定すると規定した。
2010/03/15 13:20 【共同通信】
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野放しの漫画児童ポルノを規制へ 都条例改正案、反対論も

東京都は12日までに、18歳未満と判断される子供への性行為を描写した漫画やアニメ、ゲームソフトを業界の自主規制の対象にした上で、反社会的な内容の商品は青少年への販売、閲覧を禁止する青少年健全育成条例の改正案を定例議会に提出した。19日の総務委員会で採決される。
 都によると、「野放し状態」となっている漫画やアニメの児童ポルノ的な描写を規制するのが目的で、全国でも初めての試みという。一方、識者からは「表現の自由が侵害されかねない」などの反対意見も出ている。
 改正案では、漫画などで、服装や所持品、学年などから18歳未満と判断される子供を「非実在青少年」と定義。こうした子供への性行為を描写した商品を、青少年に販売しないよう業界に自主規制を求めた。
 そのうち、強姦など著しく悪質な内容の商品は不健全図書に都が指定するとした。
 藤本由香里・明治大准教授は「18歳未満とか、何が健全なのかの判断は、いくらでも恣意的に解釈できる」と危惧している。
2010/03/12 17:57 【共同通信】


●P-WANセレクトニュース :
東京都青少年健全育成条例に反対、民間団体と有識者が意見表明 (2010/3/12 ケータイ Watch)他

●P-WANセレクトニュース :
漫画性表現規制の都条例に声明 京都精華大研究センター[/(京都新聞 2010年03月13日)他

●P-WANセレクトニュース :
都青少年健全育成条例:改正案、都議会で審議 「フィルタリング」に重点/東京(毎日新聞 2010年3月15日)他

●P-WANセレクトニュース :
アニメ・漫画・ゲームの児童ポルノ規制 都が条例改正案(2010年3月16日 朝日新聞)他

●P-WANセレクトニュース :
『子ども』性描写 都規制案に賛否 漫画家『表現の自由損なう』(2010年3月16日 東京新聞)他


堺市立図書館でのBL図書排除事件のときもそうでしたが、
このような「青少年健全育成」と「ジェンダー」がからみあうことについては、
デリケートな問題もあって、人によっては判断が分かれます。
とはいえ、このような規制の動きが、東京から全国の自治体に広がるのではないかと危惧しています。

わたし自身は、いかなる理由があろうとも、図書の排除には反対です。
上位法に抵触する条例は作れませんから、わたしはこの改正条例自体が
「憲法違反」ではないかと思っています。


追伸・続編記事
続「東京都青少年健全育成条例改正」問題/藤本由香里さんの「意見書」
/「(財)日本図書館協会」の要請(2010-03-18)


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別サイトに、色々な事を書き込んでいます。 (HINAKA)
2010-03-23 09:44:41
HINAKAと申します。

みどり様、初めまして。

拙ブログへの、トラック・バック恐縮です。
ただあちらのブログは、主に個人的な『愚痴』用ブログでして、個人的な思い込みと断定による、日記的な性質が強いものです。もう一つ、「表のブログ」と称している、本来オタク面全開のブログ『あんのん・ブログ』があるのですが、今回の《都条例》件もそちらの方がより詳しく、くどくオタクとしての主張を全面展開しています。

特に、石原都知事の態度と事がここまで公にならないと、報道すらしないTV新聞マスコミに対する、改めての絶望と残っているかと期待した、日本のジャーナリズムが既に存在しない事実に、呆然としています。

改めて、その辺ところの書き込みをトラック・バックさせていただきますので、本当にお暇な時にでもお立ち寄りいただければ、幸いです。

それでは、今回はこれで失礼致します。



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