みどりの一期一会

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袴田事件:死刑囚の再審認める/沈黙の血痕:袴田事件・第2次再審請求(上・中・下)

2014-03-27 21:34:50 | ほん/新聞/ニュース
お昼過ぎに買い物にでかけて、
2時間ほどしてかえったきたら、
ハクモクレンが咲きはじめていました。

これから一年でいちばん美しい季節です。




帰ってきてテレビを見たら、
「袴田事件」で死刑が確定し、48年間、拘留されていた袴田巌さんの
再審(裁判のやり直し)を静岡地裁が認め田というニュースをやっていました。

裁判所は、「元被告は死刑の恐怖のもとで極めて長い間、身柄を拘束された。
これ以上勾留を続けることは耐えられないほど正義に反する」と指摘して死刑の執行と勾留を停止し、
釈放を認める異例の決定をしました。


決定は、「捜査機関が証拠をねつ造し、死刑の恐怖のもとに身柄を拘束した疑いがあると強く批判した」とも報道されています。

判決から数時間後、袴田巌さんは釈放されました。

よかった、と思うと同時に、48年ものあいだ、
国によって拘留(監禁)されていたことを思うと、
涙が出てきます。

この事件のことを詳しく書いた、毎日新聞の
特集「沈黙の血痕:袴田事件・第2次再審請求」がありますので、
再審決定の記事といっしょに紹介します。


  48年前の袴田事件 死刑囚の再審認める 
3月27日 NHKニュース 

昭和41年に静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で、静岡地方裁判所は死刑が確定していた袴田巌元被告について「犯行に使われたとされた衣類はねつ造の疑いがある」と指摘して再審=裁判のやり直しを認めました。
裁判所はあわせて元被告の釈放を認める決定も出しました。

昭和41年、今の静岡市清水区でみそ製造会社の専務の一家4人が殺害された事件では、当時、会社の従業員で強盗殺人などの罪で死刑が確定した袴田巌元被告(78)が無実を訴え、弁護団が再審=裁判のやり直しを求めてきました。
この中では犯行の際に元被告が着ていたと判決で認定された「5点の衣類」が本人のものだったかどうかが最大の争点となりました。
27日の決定で静岡地方裁判所の村山浩昭裁判長は「DNA鑑定の結果から5点の衣類は犯人が着ていたものではなく、捜査機関によって後日ねつ造された疑いがある」と指摘して再審を認めました。
また、裁判長は「極めて長期間、死刑の恐怖のもとで身柄を拘束され続けてきた。これ以上勾留を続けることは正義に反する」と指摘して、袴田元被告の死刑の執行と勾留を停止し、釈放を認める決定も出しました。
死刑囚の再審を認める決定は9年前・平成17年の、いわゆる「名張毒ぶどう酒事件」以来、6件目です。
これまでの5件のうち、名張事件は後に決定が取り消されましたが、ほかの4件はその後、いずれも再審が開始され、無罪となっています。

袴田元被告の姉「粘りに粘った結果」
再審の開始が決まった直後、袴田元被告の姉の秀子さんは「無実を信じて粘りに粘った結果だと思う。とにかくうれしいのひと言しかありません。きょうのこの日とこれまで支援してくださった方々に感謝いたします」と話しました。

袴田被告の弁護団長「熱い思いかなう」
袴田元被告の弁護団の西嶋勝彦弁護団長は裁判所の前で「再審開始となりました。袴田さんの熱い思いがついにかないました」と短く報告しました。
そして、再審の開始と死刑の執行の停止と釈放を命じた裁判所の決定を読み上げると、支援者たちは大きな歓声を挙げ、拍手をしていました。

予想外の決定
静岡地方裁判所が再審の開始を認める決定を出したことについて、静岡地方検察庁の西谷隆次席検事は「予想外の決定であり、本庁の主張が認められなかったのは誠に遺憾である。上級庁とも協議のうえ、速やかに対応したい」と話しています。
また、静岡県警察本部はNHKの取材に対して「再審の決定についてはコメントを差し控えたい。内容を精査して今後の対応を考えたい」としています。



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 袴田さん釈放 再審決定は捜査機関批判 
3月27日 MHK

昭和41年に静岡県で一家4人が殺害されたいわゆる「袴田事件」で死刑が確定し、27日再審=裁判のやり直しが認められた袴田巌さんが、逮捕から48年たって東京拘置所から釈放されました。
再審を認めた決定は、捜査機関が証拠をねつ造し、死刑の恐怖のもとに身柄を拘束した疑いがあると強く批判しました。

袴田巌さんは、昭和41年、今の静岡市清水区でみそ製造会社の専務の一家4人が殺害された事件で強盗殺人などの罪で死刑が確定し、無実を訴えて再審=裁判のやり直しを求めた結果、27日静岡地方裁判所で認められました。
裁判所は決定で元被告が事件を起こした時に着ていたとかつての死刑判決で認定された衣類について、捜査機関がねつ造した疑いがあると指摘しました。
再審請求の審理のなかで行ったDNA鑑定などをもとに、事件から1年以上たってみそタンクの中から見つかった衣類は、犯人のものでも袴田さんのものでもない可能性が強まったという判断でした。さらに裁判所は、「元被告は死刑の恐怖のもとで極めて長い間、身柄を拘束された。これ以上勾留を続けることは耐えられないほど正義に反する」と指摘して死刑の執行と勾留を停止し、釈放を認める異例の決定をしました。
検察は再審を認めた決定を取り消すよう不服を申し立てる方針ですが、勾留を続ける法的な根拠がなくなったとして釈放の準備を進めていました。
これによって、裁判で無実を訴え続けながら死刑が確定した袴田さんは、昭和41年に逮捕されて以来、48年たって東京拘置所から釈放されました。
死刑囚の再審を認める決定は、9年前、平成17年の、いわゆる「名張毒ぶどう酒事件」以来、6件目で、裁判所が再審開始の決定を出した段階で死刑囚の勾留を停止し、釈放を認めたのは今回が初めてです。
これまでに死刑囚の再審が認められた5件のうち、名張事件はのちに決定が取り消されましたが、ほかの4件はその後、いずれも再審が開始され、無罪となっています。 


 袴田事件:「やっていません」に涙出る…1審死刑の裁判官
毎日新聞 2014年03月27日 

 静岡市(旧静岡県清水市)で1966年、みそ製造会社の専務一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑が確定した元プロボクサー、袴田巌死刑囚(78)側の第2次再審請求。静岡地裁(村山浩昭裁判長)は27日、再審を開始し、死刑執行を停止する決定を出した。

 1審・静岡地裁で死刑の判決文を書いた元裁判官、熊本典道(のりみち)さん(76)は「公判で袴田さんが『やっていません』と言った姿が忘れられない。思い出すと涙が出る」と、今でも悔やみ続けている。

 真っすぐに裁判長を見据えて受け答えする袴田死刑囚の様子や、任意性に乏しい供述調書などを通じ、「有罪認定は難しい」と思っていた。だが、結審後に判決文を検討する中で、結果的に先輩判事に押し切られた、と振り返る。

 半年後、耐えられず退官し、弁護士に転じた。合議の秘密を破り、第1次再審請求中の2007年、「無罪の心証があった」と告白したが、請求棄却が確定した。先月末には古巣の静岡地裁を訪ね、再審開始を求める上申書を提出。「自分は他の裁判官を説得できなかった。償いをしたい」と訴えた。【荒木涼子】


 沈黙の血痕:袴田事件・第2次再審請求/上 死刑囚忘れられない 「無罪の心証」告白、元裁判官・熊本さん /静岡
毎日新聞 2013年12月03日 地方版

 ◇大粒の涙頬伝い
 清水市(現静岡市清水区)で1966年、みそ製造会社の専務一家4人が殺害された「袴田事件」の第2次再審請求は2日、最終意見書の提出で審理をほぼ終えた。最大の物証とされる「5点の衣類」の血痕のDNA型鑑定をはじめ、弁護団と検察側の主張は鋭く対立。再審の重い扉を前にして、真相に近づくには半世紀近い時間の壁も立ちはだかっている。【荒木涼子】

 「再審請求にかかる時間が長すぎる」。静岡地裁で死刑の判決文を書いた元裁判官、熊本典道(のりみち)さん(76)は、引退生活を送る福岡市内で取材に応じ、袴田巌死刑囚(77)らの高齢化が進む中で、いらだちを募らせた。

 合議の秘密を破った元裁判官だった。第1次再審請求中の2007年に記者会見を開き、「審理していて無罪の心証があった」と告白、批判も浴びた。死刑を言い渡す一方、45通の自白調書のうち1通しか採用しなかった地裁判決は「自白獲得にきゅうきゅうとして物的証拠に関する捜査を怠った」と捜査側を手厳しく批判。熊本さんがその半年後に退官したこともあり、弁護団の間では「(合議体)3人の裁判官の中で意見は相当割れていたのでは」とささやかれていた。

 熊本さんは車椅子にもたれながら、袴田死刑囚の近況に話が及ぶと震える両手でつえを握りしめる。「今も袴田さんのことを覚えているんです」と、大粒の涙が頬を伝った。

 熊本さんは1審公判中は30歳を過ぎたころ。境遇は自分と異なるものの、同世代の青年だった袴田死刑囚が被告席にいた。真っすぐに裁判長を見て訴える姿から、不合理な弁解をしているとは思えなかった。刑事訴訟の有罪認定には、合理的な疑いを差し挟む余地のない立証が求められる。「合理的な疑いとは何なのか」「裁判官の良心とは」と苦悩し続けた審理だった。

 判決を書いた自らが「無罪」に傾いていたと告白すれば、1次請求の決定に影響があると期待もしたが、27年間に及んだ1次請求は、告白の翌08年に棄却が確定した。熊本さんは数年前から前立腺がんになり、気弱になることもある。「本当のことを言いたかったが、今となってみると(告白が)良かったのか正直分からない」

  ◇   ◇
 11月19日、東京拘置所の面会申込所で広げられた黄色い表紙のA6判ノートには、この3年余の日付だけが書き記されていた。袴田死刑囚の姉秀子さん(80)の面会記録帳だが、10年8月以来、袴田死刑囚が面会を拒み続け、姉弟の会話内容などは記載されないままになっている。

 今では面会申し込みを通じて自分の来訪だけでも伝わるよう、月1回は拘置所を訪れる。「もしかしたら、ひょっこり顔を出すかもしれんでね」。死刑囚は拘禁症状が出始め、認知症の疑いも出てきた。残された時間は長くない。弁護団が2次請求で開示請求するなどして集めた証拠によって意見書は229ページの大部に及んだ。年開けから再審可否の判断を待つことになる。秀子さんは言う。「時は相当流れたが、私と巌の無罪を訴える気持ちは何も変わらない。それを裁判所に伝えたい」

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 ■ことば
 ◇再審請求


 有罪が確定した事件について、判決の言い渡しを受けた人の利益となる新たな証拠が発見された時などに判決を取り消し、裁判の審理をやり直すよう申し立てることができる刑事訴訟法に規定されている手続き。弁護側が提出した証拠が、「確定判決と異なる新規明白な事実や証拠」と再審請求審で判断されれば再審開始が決定となり、刑の執行が停止される。
 


 沈黙の血痕:袴田事件・第2次再審請求/中 「虚構のベールはがれた」 筑波大・本田教授、独自理論でDNA抽出 /静岡
毎日新聞 2013年12月04日 地方版

 ◇検察側「科学的に未承認」
 血縁関係のない4人以上の血が付着している−−。2011年12月、弁護側推薦鑑定人の本田克也・筑波大教授(法医学)の導き出した結論に、「虚構のベールがはがれた」と袴田事件の弁護団は色めきたった。

 本田教授が鑑定していたのは、最大の物証で犯行着衣とされた「5点の衣類」の血痕のDNA。弁護側は「公判中に見つかったもので捜査側の捏造(ねつぞう)」と主張しているが、確定判決は、1966年の事件で殺害されたみそ製造会社専務一家の返り血と認定していたからだ。

 DNA型鑑定は第1次再審請求中の98〜01年、当時の技術の限界もあって不調に終わった。2次請求で再鑑定を弁護側から求められた静岡地裁は「血液だけに絞った鑑定は可能か」と、本田教授と検察側推薦の学者に打診。「現在の技術ならできる」と双方が応じ、半世紀近く沈黙していた血痕が秘める真相に迫ろうとした。

 「裁判所の鑑定条件はかなり厳しいものだった」。本田教授は先月、茨城県つくば市の大学研究室で振り返った。通常、分析対象の試料は髪の毛や皮膚などと分けて採取され、DNAをどんな細胞から取り出すかはあまり問題にならない。

 しかし5点の衣類は、隠されていた工場のタンク内で1年以上、みそに漬かったとされる。発見・保存までに付着した可能性がある捜査員ら第三者のDNAを排除し、血液由来のものを取り出すのは至難の業。本田教授は11年8月から4カ月間、試行錯誤を繰り返し、「条件次第でDNAを持つ白血球も抗原・抗体反応で分離される」との理論を用いてDNAを抽出した。

 検察側推薦の学者は血痕と被害者のDNAについて「一致する可能性は排除できない」と判決に沿う鑑定書を提出。一方、証人尋問では「鑑定に自信がない。証拠として使わないでほしい」と言いだし、検察側は双方の鑑定について「試料が古く証拠能力はない」と予防線を張った。

 66年11月の静岡地裁初公判では、5点の衣類でなく袴田巌死刑囚(77)のパジャマが犯行着衣とされた。みそタンクで衣類が発見された後に検察が主張を変えた経緯があり、不自然さは大いに残る。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(以下略)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 


 沈黙の血痕:袴田事件・第2次再審請求/下 証拠開示、時の流れ 「疑わしきは被告人の利益に」 /静岡 
毎日新聞 2013年12月05日 地方版

 ◇認定に高い証明力要求
 むき出しになったオープンリール式のテープ1本には、1966年9月21日、取調室で向き合う県警捜査1課、清水署の捜査員と、起訴されたばかりの袴田巌死刑囚(77)のやりとりが録音されていた。「君は録音に承諾してくれるかな」「はい、いいです」と始まり、袴田死刑囚の「自白」が約1時間続く。

 第2次再審請求中の2011年12月、静岡地裁から初の証拠開示勧告を受けて地検が開示した176点の中に、従来は知られていなかった当事者の肉声が交じっていた。

 弁護団の小川秀世事務局長は振り返る。「こんなテープまであったかと驚いた。今回の請求では地裁が開示に積極的だった」。弁護団はテープの「自白」内容について法心理学の専門家に鑑定を依頼し、「『秘密の暴露』はなく、無実の人が語る『無知の暴露』」との分析結果を得た。先月には、7月に開示された捜査報告書の中に「袴田は事件直後、社員寮にいた」と確定判決と食い違う供述があったことも判明、「自白が虚偽であることが濃厚になった」と最終意見書に盛り込んだ。

 5年8カ月に及んだ2次請求審で、検察側が保管していた600点近くの証拠が開示された。地検も「確定判決の証拠構造とは関連がないが、審理促進には協力する」と、任意開示には応じてきた。弁護士の一人は「今までは目隠しをされていたようなもの。検察はプライバシーの問題などを非開示の理由にするが、無実の人を救う方が優先だろう」と話す。

 裁判所や検察の姿勢の変化ともとれる対応には、裁判員制度導入を機に公判前整理手続きが行われ、事件の証拠開示が進んだことにある。再審請求審に証拠開示の規定はなく、検察の裁量が依然大きいものの、西嶋勝彦弁護団長は「両者とも世論を無視できなくなったということだろう」と推測する。

 しかし、再審への壁が低くなったわけではない。再審開始条件を緩和したとされる最高裁の「白鳥決定」(1975年)では、「疑わしきは被告人の利益に」の原則が再審でも適用されるとうたうが、日弁連人権擁護委員会再審部会の部会長、上地(かみじ)大三郎弁護士は「足利事件や東電女性社員殺害事件など新証拠が科学的なものなら再審が決定するようになったが、認められるケースは全体的に少ない」と話す。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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