みどりの一期一会

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1票の格差は「違憲状態」 最高裁/「最高裁が国会の怠慢を是認」/一票の不平等 民意を反映する制度に

2015-11-26 17:22:44 | ほん/新聞/ニュース
昨年の衆院選の「1票の格差」訴訟で、
昨日、最高裁大法廷が「違憲状態」との判決を言い渡しました。

「違憲状態」を追認したかたちで、主文は「棄却」で選挙は「有効」。

とはいえ、
14人の裁判官のうち9人の多数意見で、2人が「憲法に違反しない」として、
裁判官3人が「憲法に違反する」という反対意見をつけた。
 
 ★「裁判官大橋正春の反対意見
」《そもそも利害関係を調整して必要な決定を行うのが立法府の役割である以上,利害対立を理由に決定を避けることは許されない。》

 ★「裁判官鬼丸かおるの反対意見」
《憲法は,衆議院議員選挙について,国民の投票価値をできる限り1対1に近い平等なものとすることを基本的に保障しているというべきである。・・一般的な法の基本原則を適用して,本件選挙が違法であることを主文において宣言することが相当であると考えるものである。》

 ★「裁判官木内道祥の反対意見」
《投票価値平等の侵害の回復のバランスの観点から,投票価値の較差が2倍を超えるか否かによって決するのが相当である。宮城県第5区・・福島県第4区,鳥取県第1区,鳥取県第2区,長崎県第3区,長崎県第4区,鹿児島県第5区,三重県第4区,青森県第3区,長野県第4区,栃木県第3区,香川県第3区,この12の選挙区については選挙無効とされるべき》

  去年の衆院選 1票の格差は「違憲状態」 最高裁  
NHK 11月25日

去年12月に行われた衆議院選挙で選挙区ごとの1票の価値に最大で2.13倍の格差があったことについて、最高裁判所大法廷は「憲法が求める投票価値の平等に反する状態だった」と指摘し、「違憲状態」だったという判決を言い渡しました。選挙の無効を求めた訴えは退けましたが、判決は、国会に対して選挙制度の見直しを着実に進めることを求めました。

去年12月に行われた衆議院選挙では、有権者数の多い選挙区と少ない選挙区の間で1票の価値の格差が最大で2.13倍あり、2つの弁護士グループが「憲法に違反する」として選挙の無効を求める裁判を全国で起こしました。
最高裁判所大法廷の寺田逸郎裁判長は、「13の選挙区で格差が2倍を超えていたことなどを考えると、憲法が求める投票価値の平等に反する状態だった」と指摘し、「違憲状態」だったという判決を言い渡しました。一方で、「衆議院に設置された機関で制度の検討が続けられていることなどを考慮すると、見直しに必要な合理的な期間を過ぎたとはいえない」として選挙の無効を求めた訴えは退けました。
判決では、小選挙区を5つ減らして格差を縮小させた「0増5減」について「一定の前進」と評価しましたが、「対象にならなかった都道府県で議席の配分が見直されていないことが格差を生じさせる主な要因になっている」と指摘しました。そのうえで、国会に対して「選挙制度の見直しに向けた取り組みが着実に続けられていく必要がある」と求めました。
最高裁が衆議院選挙の1票の格差を「違憲状態」だと判断したのはこれで3回連続となりました。きょうの判決は14人の裁判官のうち9人の多数意見で、ほかの2人が「憲法に違反しない」とした一方、3人が「憲法に違反する」という意見を述べ、判断が分かれました。
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判決のあと2つの弁護士グループがそれぞれ会見を開き、1つのグループの山口邦明弁護士は、「憲法違反の判断を避けたありきたりの判決でがっかりした。国会が自発的に是正するのを待つ、つまり、裁判所は何もしないという判決で、長い目で見れば、国会の怠慢を認めたものだ。これで諦める気はないが、裁判所に対する期待は薄れた」と話していました。
もう1つのグループの伊藤真弁護士は、「最高裁判所が3度も明確に『違憲状態』だと言っているのに放置されている。今回の判決は、政治に対して、裁判所が最後通告を突きつけたと考えたい。政治はそれに応えなければいけないし、国民も意識して選挙に行くなど国政を監視する役割を担わなければならない」と話しました。

大島議長 意を決して進めていく
大島衆議院議長は国会内で記者会見し、「判決を真摯(しんし)に受け止めなければならない。立法府としての良識や正当性などが問われることであり、できるだけ汗をかいて、1票の格差の是正に向けた結論を出す義務がある。判決の重みを踏まえて、議長として意を決して進めていかなければならないと思っている」と述べました。

また、最高裁判所で1票の格差の判決を言い渡したことがある泉徳治元裁判官は、「最高裁の判決は3回連続で違憲状態にとどまっているが、これでは国会が細かな見直しを繰り返すことにつながってしまう」と述べました。そのうえで、「判決は投票価値の不平等が生じている原因として、多くの都道府県で議席の配分が人口に比例していないことを指摘している。国会では重要な問題を議論する以上、きちんと国民を代表する形にするべきであり、国会は判決の指摘を真摯(しんし)に受け止めて国民の平等な選挙権を実現してもらいたい」と述べました。

「違憲状態」判決続く背景は
「違憲状態」の判決が続いている背景には、最高裁判所が過去に繰り返し是正を求めた議席の配分が、現在も多くの都道府県で残されていると判断されたことがあります。
衆議院選挙の1票の格差では、中選挙区制の下で4倍以上の格差があった昭和47年と58年の選挙で憲法違反だという判断が示されましたが、小選挙区制になってからは3倍を下回り、合憲だという判断が続きました。
しかし、その後も2倍を超える状態が続いたことから、最高裁は、最大で2.3倍の格差があった平成21年の衆議院選挙について、小選挙区制になってから初めて「違憲状態」だと判断しました。この中で、すべての都道府県に1議席ずつ割り当ててから残りの議席を人口に応じて配分する「1人別枠方式」が格差の要因だと指摘し、廃止を求めました。
この判決から1年9か月後に行われた平成24年の衆議院選挙では、「1人別枠方式」は規定の上では廃止されましたが、区割りは見直されず、格差は2.43倍に広がりました。このため高等裁判所では「憲法違反」の判断が相次ぎ、戦後初めて国政選挙を無効とする判決も出ましたが、最高裁判所は改めて「違憲状態」としたうえで国会に対応を求めました。
その後、小選挙区を5つ減らす「0増5減」が行われ、格差はいったん2倍を下回りましたが、多くの都道府県は「1人別枠方式」で決められたときの区割りのままでした。このため、去年12月の衆議院選挙の時点では格差は再び2倍を超え、2.13倍になりました。
最高裁判所は25日の判決でも、1票の格差が2倍を超えている主な要因として、過去に繰り返し是正を求めた「1人別枠方式」が現在も多くの都道府県で残されていることを挙げ、国会で見直しの議論を進めるよう求めています。
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 平成27年(行ツ)第253号 選挙無効請求事件(最高裁 大法廷判決)

  「最高裁が国会の怠慢を是認」 衆院選「一票の格差」訴訟でまたも「違憲状態」判決
弁護士ドットコム 2015年11月25日

国政選挙の「一票の格差」を問題視する2つの弁護士グループが、最大2.13倍の格差があった昨年12月の衆院選は「憲法違反で無効」と訴えた17件の裁判について、最高裁の判断が示された。最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は11月25日、上告審判決のなかで、衆院選が「違憲状態」だったと判断したが、原告が求めた「選挙無効」は認めなかった。衆院選の一票の格差を「違憲状態」とする判決は、2009年、2012年の判決に続き、これで3回連続だ。

昨年12月14日に行われた衆院選は、小選挙区の有権者数が最も多い東京1区と、最も少ない宮城5区で、「一票の格差」が最大となり、2.13倍の格差があった。弁護士グループは、昨年の衆院選が行われた後すぐに、全国295の小選挙区の選挙が憲法が定めた「法の下の平等」に反し違憲無効だとして、17件の裁判を起こしていた。

●「ありきたりの判決で、がっかり」
判決後、両グループの弁護士たちは、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開いた。

山口邦明弁護士は、今回の判決について「ありきたりの判決で、がっかりした」と率直な感想を述べた後、「違憲状態判決を何回も繰り返して、裁判所は、どういう方法で(選挙の格差を)正そうと考えているのか。国会の怠慢を是認しているだけだ」と断じた。

その上で、「結局最高裁は、選挙を無効にすると世の中が混乱すると考えて、選挙を無効にする判決は出せないのかもしれない。それができないのなら、裁判所はせめて、格差が是正されるまで、選挙を事前に差し止めることを認めてほしい」と訴えた。

山口弁護士のグループは、今回問題となった衆院選について、投開票前に差し止めを求めて東京地裁に提訴したが認められなかった。

●日本は三権分立の国ではなくなった」もう一方の升永英俊弁護士のグループからも、最高裁の判決について厳しい声が上がった。

升永弁護士は、こうした「一票の格差」がなくならないのは、国会よりも裁判所の責任が大きいと指摘した。

「憲法98条には、憲法に反する法令、国の行為は無効だと書いてある。違憲だと判断したのなら、選挙を無効にすべきだ。違憲状態といったよくわからない言葉を使って、憲法のルール通りの判決をしない最高裁の責任は重い。私は、日本は三権分立の国ではなくなってしまったと思う」と述べた。

また、伊藤真弁護士は、裁判の中で国側が「人口の少ない地方の民意を反映するために、ある程度の投票格差は許容されるべき」と主張したことを、次のように厳しく批判した。

「憲法は、どの選挙区から選ばれようと、国会議員は全国民の代表だということを定めている。少数意見を反映させるために格差が許されるという考えは間違っている。障害を持つ人や、性的マイノリティーなど、世の中にはいろいろなタイプの少数者がいる。地域的な少数者だけを優遇するという考え方はおかしい」

一方で、今回の裁判の意味は小さくないことを伊藤弁護士は指摘した。

「安保法制の成立をめぐる議論などによって、国民の意思をいかに政治に反映させるかが、国民の中でも問題として意識されるようになってきた。立憲主義という言葉が国民に少しずつ広がり始めている。そうした重大な局面における判決だ。自分の投票が1票ではなく、0.4票、0.5票の価値しかないことの意味を、国民は今回の判決をきっかけに真剣に考えてほしい」
(弁護士ドットコムニュース) 


  社説:一票の不平等 民意を反映する制度に 
2015年11月26日 中日新聞

 最大格差が二・一三倍の衆院選をめぐる最高裁の判断は「違憲状態」だった。立法府の裁量権を重くみて、「違憲」と踏み切れなかった。限りなく一票が平等な選挙制度を早く構築せねばならない。

 ある法案について、仮に国民の意見の51%が反対で、49%が賛成だとしよう。ところが、国会議員の構成が反対派49%で、賛成派51%ならば、この法案は可決されてしまう。民意を反映した選挙制度でないと、こんな矛盾が起きる。

 日本国憲法の前文は「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し」の文言で始まる。「正当な選挙」こそ、民主主義の根幹といえる。一票の重みに違いがあっては、国会での多数決の結果が国民の多数決と一致しなくなる。

 だから、選挙制度は限りなく「一人一票」を目指さなければならない。二倍を超える格差とは「一人〇・五票」しかない有権者がいることを意味する。この不平等を是正することは憲法が要請しているともいえる。

 だが、最高裁は「違憲状態」と述べるにとどまった。「〇増五減」という小選挙区の定数是正策に対して、一定の評価をした結果だ。「漸次的な見直しを重ねることも、国会の裁量にかかる現実的な選択として許容される」として、「違憲」にまで至らない状態だと結論づけている。

 立法府に甘すぎはしないか。そもそも各都道府県にあらかじめ一議席を割り振る「一人別枠方式」が不平等の根源だと指摘したのは、二〇一一年の最高裁だ。条文上は削除されているものの、「〇増五減」は同方式を実質的に温存した、目をくらます手法である。司法が消極姿勢ではいけない。

 選挙制度をめぐっては、有識者会議が改革案を検討中だが、現行制度の根本まで深めた抜本策が議論されているとはいえまい。

 例えば、昨年の衆院選では、自民党は小選挙区で48%の得票率で75%もの議席を獲得した。こんな現象を生むのは、現行の小選挙区比例代表並立制の問題でもある。選挙制度が民意と乖離(かいり)していないか。少なくとも「勝者総取り」とでもいうべき“マジック”が働いている。現行制度のままでいいのか、根源的な問い掛けが必要である。

 今回の判決では三人の最高裁判事が反対意見を書いた。「違憲・選挙無効」とした弁護士出身の判事もいる。「正当な選挙」が疑われると、国会の正統性さえ崩れる。


  社説:一票の不平等 いつまで放置するのか  
2015年11月26日 朝日新聞
 
 国民の間に厳然とある不平等をいつまで放置するのか。司法も立法府も、異常をただす切迫感に欠けるのではないか。

 昨年の衆院選での一票の不平等をめぐり、最高裁が「違憲状態」との判決を出した。同様の結論はこの4年間で3回目であり、慣例化した感も漂う。

 国会では抜本的に身をただす選挙制度改革の動きは遅れたままだ。最高裁の手ぬるい判決が国会の免罪符にされてしまわないか、懸念が残る。

 最高裁は2011年、各都道府県にまず議席一つずつを割り振る1人別枠方式が、不平等を生む要因と断じた。「できるだけ速やかな撤廃」を求めた。

 ところが13年の判決では、国会が駆け込みで若干の定数削減を決めたことを「一定の前進」とし、手綱を緩めた。今回の判断もこの延長上にある。

 有識者でつくる衆院の選挙制度調査会が見直し策を検討していることにも言及し、これまでの判決に沿って是正が進められていると高く評価している。

 原点に戻って考えたい。今回の最大格差は2・13倍。ある選挙区での一票の重みは、別の選挙区での半分にも満たない。

 選挙で票を投じるという行為は、憲法に定められた国民主権を具現化する数少ない、そしてもっとも重要な権利である。住む場所によって票の価値が倍以上も違うという不平等はただちに改善されるべき問題だ。

 最高裁が1人別枠方式の問題を指摘して4年がたってもなお事実上撤廃されていないのは、国会の怠慢というほかない。

 注目すべきは、14人中3人の裁判官が、「投票の平等」を実現するのに必要な時間はもう十分あったと批判している点だ。うち2人は選挙の無効を、1人は主文での「違憲」の宣言を、それぞれ主張している。

 最高裁は判決で、憲法の秩序は立法府との相互作用で形成されるとの趣旨を展開している。国会が法をつくる。最高裁が判決でメッセージを出す。それにもとづいて国会が法を改める。立法府と司法との「対話」を重んじる考え方のようだ。

 しかし振り返れば、司法のメッセージを国会は繰り返し無視したり、都合よく解釈したりしてきた。「対話」を成り立たせるためには、今後の是正期限を明記するなど具体的な求めが必要だったのではないか。

 衆参両院が「違憲状態」で選ばれたと再三指摘されているのは異常事態である。憲法尊重の義務を負う議員が、不平等を野放しにすることは許されない。早急に改めるべきである。



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