『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
ここでは、気軽に読めるエントリーを記していきます^^

[映画『真幸くあらば』を観た]

2010-01-09 21:06:22 | 物語の感想
☆<新宿バルト9>に観に行った。

 観終えて映画館を出ると、「ぴあ」の映画鑑賞の出口調査のインタビューをされた。

 悪い作品ではなく、完成度も高かったが、触れなくてはならない作品の「奇怪さ」もあり、けれど、それについて語るのははばかれ、あたり障りのない返答になってしまった。

 1/21号の「ぴあ」に、私のコメントが顔写真付きで載っていたら、笑ってくれ^^

   ◇

 なんとも無気力に生きていた青年が、空き巣に入った屋敷にいたカップルを殺してしまう。

 青年・淳は死刑の宣告を受ける。

 そこに、「あなたの身の回りの世話をしたい」と、薫と言う女が面会にくる。

 実は、薫は、殺されたカップルの男の婚約者であった。

 つまり、淳が殺したカップルは、薫の婚約者と浮気相手だったのである。

 薫は、自分の夢を壊し、幻想を打ち破った淳への複雑な興味で近づいたのだ。

 だが、淳と薫は、面会室のアクリル板越しの逢瀬を経て、いつしか愛を育んでいくのである。

 捻った物語だが、展開はシンプルではある。

 作り手は、結婚している薫の生活や、刑に服する淳の生活(正直、興味深い)を淡々と描き、また、絶望の薫や、虚無的な淳の心象風景を見事に画面に、イメージ映像として映し出す。

 そのようなイメージ映像は、多分に、作り手の独りよがりに陥るが、この作品では、詩的に面白い。

 差し入れられた聖書の、膨大なページの中に、検閲に引っ掛からないように記された両者の思いによって、お互いの意思疎通(恋愛感情)は図られるのだが、所詮は限定条件の中での恋である。

 だからこそ、盛り上がり、燃え上がるのだが、ちょっと距離を置いてみると、滑稽な恋である。

 特に、クライマックス・・・。

 お互いに、満月の夜に示し合わせて、それぞれの部屋で自慰行為にふけるというのは、私には、その是非が判別できない。

 ある意味、これこそ、二人それぞれの「独りよがり」の「バカップル」にも思えてしまうのだ。

 が、映画を構成する諸々の要素(映像・演技・編集・音楽など)が、この作品を非常に格調高く見せてくれる。

 最初は、画面の<製作・奥山和由>を見たとき、私は「俺の観るべき作品じゃないんじゃないか」と思ったのだが、それは杞憂で、フランス映画を楽しむように、一風変わった物語へのリアルの構築に酔った。

   ◇

 最後、自慰行為をして、独房の中で果てた淳(久保田将至)は、大の字で、布団の上に倒れる。

 そこには、満月に照らされた独房の鉄格子の影が、十字架のように重なる。

 このような分かり易いイメージも然ることながら、

 物語の当初、淳の弁護士(佐野史郎 )が、淳との面会のときに、「精神」「聖書」とか言うのだが、それが聞き取りにくく、「生死」「生死」と聞こえ、それが演出上の故意であったなら、この作品は凄いなと思わせられるのだ。

 それから、正直、佐野史郎は「検事」顔なので、良心的な弁護士役であることが面白かった^^;

   ◇

 薫役の尾野真千子は、その素材は、私の趣味ではないが、非常に演技がうまい。

 そのあまりにもの、涙の劇的な流れ方に感心してしまった。

 乳首も、男が口に含み甲斐ある大きさだと思うのだ・・・。

                                     (2009/01/09)

コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« [与党民主党考・21 「鳩山... | トップ | [映画『彼岸島』を観た] »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ほんとに少ない… (KLY)
2010-01-13 22:46:28
立派にシネコン作品なんですけどね。^^;
新宿ということは桂花ラーメンいきましたか?個人的には最近歌舞伎町一番外の入り口付近にある富士そばの本格カレーそばがマイブームです。(笑)

シンプルで淡々と進み、盛り上がるのはまさしくラストだけですが、私は何だか好きなんです。なんでだろう?いわゆる究極の遠距離恋愛ですけど、会えない恋しさと、会えない肉欲って両方激しくなると思うんですよ。自分に重ねていた部分はあるかもしれないです。
ノーファッカーと呼ばれた男さんへ♪ (ミッドナイト・蘭)
2010-01-13 23:44:10
こんばんわ^^

>>シンプルで淡々と進み

ええ、看守さんのとぼけた演技、
薫の旦那の「いい人」振り、
死刑囚たちとの交流、
面白かったです。

今回は、バルト9の丸井で、ついでに紛失した丸井のカードを再発行したのですが、
8Fにあった「つけ麺 青葉」で食べました。
正直、私、いつもつけ麺に可能性を感じてはいるのですが、食べると、冷たくて、スープもすぐに冷たくなって、駄目なんですよね~^^;
Unknown (佐藤秀)
2010-01-18 18:37:34
>「生死」「生死」と聞こえ、

「精○」「精○」と聞こえませんでした?^^
佐藤秀さんへ☆ (ミッドナイト・蘭)
2010-01-19 03:42:09
物語の当初は、あんなクライマックスを迎えるとは思わなかったからねぇ。

日本映画にはない雰囲気の良作でした。

あのような、滑稽にも見えるオナニーシーンを映画で堂々とやったのは凄い。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

物語の感想」カテゴリの最新記事