『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

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[映画『母べえ』を観た]

2008-01-26 14:33:55 | 物語の感想
▼うちの<母べえ>が、映画『母べえ』の前売り券を持っていたので、いつもの<MOVIX昭島>に観に行く。

今夜は、レイトショーで『テラビシアにかける橋』も観に行く予定なので、<MOVIX昭島>三昧である。

うちの<母べえ>は、市の婦人会のお手伝いをしているので、その会の関係で『母べえ』のチケットを手に入れた。

えてして、そのような会は、アカき人々の主導である。

その会が配っている映画である以上、何らかの思想的な背景があると睨んだほうが良い。

・・・案の定、コテコテの反戦映画であった^^;

     #     #     #     #

でも、私は映画館で、この映画の予告編を観て、そんな左翼映画と思いつつも、ちょいと見たいなあとは思っていた。

私は、最近、どうも、上品な女性が苦悩する姿に萌えるのである。

これだけ性愛が乱れている世の中である。

その中で、吉永小百合のような(充分、可愛い)人が、苛酷な状況におかれ、でも、そこであまり感情をあらわにせず、ときおり、ささやかに表情を曇らせる姿がたまらないのである。

この間観た『魍魎の匣』の黒木瞳も良かったなあ。

▼・・・先の大戦の前夜、思想犯として捕らえられた亭主の留守をあずかり、二人の幼い娘とともに暮らしていく<母べえ>の物語だ。

監督は、「寅さん」シリーズの山田洋次だ。

母べえを取り巻く市井の人々は優しくほのぼのしている。

しかし、時代は、戦争の時代でもあった。

山田洋次の描く展開は、物語作家にありがちな、後先考えない<反戦>主張に猛進する。

それでも、私は、まあ許容範囲かなと思いつつ、時に涙を流しつつ見た。

しかし、物語の最後で、かなりゲンナリした。

戦争で愛する多くの者を亡くし、戦後を生き抜いてきた<母べえ>は、いまわの際に言うのである。

(娘の「天国でみんなに会えるね」の言葉に対し)

   「天国でなんか会いたくない。生きているみんなに会いたかった」

・・・それまでの物語は、上品だが芯の強い女性として、吉永小百合演じる<母べえ>を描いてきた。

その吉永の演技は「芯が強い」が、上記の台詞を言うような「頑固」で「強情」な芝居ではなかったのである。

この最後のひと言で、私は、かなりシラけた。

物語の途中でも、<母べえ>が、旦那さんの恩師の元を訪ね、長々と愚痴をこぼすシーンがある。

ここも違和感ありありだった。

吉永が、表情や立ち居振る舞いで演じている<母べえ>は、そんな饒舌な女性ではないのである。

つまり、物語の文法上、やたらと違和感の起こるシーンは、全て、山田洋次の心情が託されている場面なのである。

吉永は、古き良き日本の母親像を演じていた。

しかし、山田洋次の思想が、その吉永小百合の母親像をグダグダにしてしまった。

     #     #     #     #

だから、私は、楽しむべきトコを楽しんだ。

先ずは、二人の娘(志田未来と佐藤未来の<Wフューチャーズ>)を愛でた。

特に、妹役の佐藤未来が、丸いおかっぱで、苛酷な状況に頓着なく可愛かった。

時おり、パンツが見えそうなシーンがあった^^

・・・志田未来はなあ^^;

どうも、いつも、同じ喋り方で、ネチョッとしているんだよなあ。

途中で、「奈良のおじさん」役の<鶴べえ>が、志田未来演じる娘を、女として「乳がおおきゅうなった」とか評すのだが、その時だけ、私もそういう目で見るので興味が湧いた^^;

     #     #     #     #

<母べえ>のもとに上京してきている美大生の妹(檀れい)がいるのだが、この人が可愛かった。

同じく、<母べえ>宅に出入りする<山ちゃん(浅野忠信)>と言う旦那の弟子がいて、この二人がくっつくのかなと思いきや、<山ちゃん>は、密かに<母べえ>に恋していた。

妹は、<山ちゃん>に、それとない想いを抱いているのだが、<山ちゃん>の<母べえ>への恋心を敏感に見抜いていた。

その気持ちを妹に教えられる時の<母べえ>が、いいのである。

まさか、娘たちの世話も親身になってしてくれている旦那の弟子である<山ちゃん>・・・、なんでこんなにも優しい人なのだろうと思っていた<山ちゃん>が、まさか、亭主のいる私に恋心を抱いているなどとは思っていなかった。

思わず、着物の合わせを確かめる吉永小百合の仕草が、ベタではあるが、いいのである。

妹は「悲しい。悲しいことだけど、しょうがないのよ」と言い、田舎に帰ってゆく。

     #     #     #     #

そして、徴兵検査ではねられたはずの<山ちゃん>にも、赤紙が届く。

<母べえ>と<山ちゃん>の別れ・・・。

そこには、何ともどうにもならないプラトニックが感じられて、良かった。

山田洋次は「反戦映画」にしたかったのに、そこには、何とも言えない戦時下のロマンチシズムが溢れてくるのである。

                          (2008/01/26)

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