『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[本格ミステリ『乱鴉の島』を読んだ]

2008-12-12 21:57:57 | 物語の感想
☆有栖川有栖の作品は、短篇は好んで読むが、長篇は、いまいち派手さに欠けていてそれ程読んでいない(『双頭の悪魔 (創元推理文庫)』は傑作だと思う^^ )。

 しかし、この作品は、昨年度の<本格ミステリベスト10・第一位!>だったそうで、講談社ノベルスで出たので購入し、読んでみた。

 有栖川作品には、二人の代表的な探偵がいて、いかにも本格な舞台で活躍する探偵が大学生の江神二郎で、やや大衆的な、今なお書き続けられている探偵として、臨床犯罪社会学者の火村英生がいる。

 この作品は後者の探偵であり、これまでも、やや派手さに欠ける事件を解決しまくっている^^;

 しかし、今回は、<クローズドサークル>である「孤島」を舞台にしている。

 古典的な、派手な舞台設定である。

 が、事件は地味である。

 なのに、なかなかの大著であるにも拘わらず、飽きずにスルスルと読んでしまった。

 余韻も深い。

 考えるに、節々に、本格ファンを喜ばすような「文法」が充ちているからだろう。

 それは、有栖川の「ケレン」ではない。

 有栖川の「熟成」である。

 普段は本格を読まないような方にとっては、「本格ミステリってこんなものか・・・」と思われちゃう可能性もある。

 火村英生は、この作品で、何度となく、名探偵のような所作を見せる。

 クールな火村にしては珍しいことなのだ・・・^^;

 しかし、どうも、うまくいかない。

 難解な「謎」に、珍しく戸惑う火村の姿も見ることが出来る。

 そんな姿が見れて、私は嬉しい^^

                           (2008/12/12)

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