『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭

ジュリアナから墓場まで・・・。森羅万象を語るブログです。
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[遅ればせながら、映画『うた魂♪』を観た]

2008-04-13 16:25:33 | 物語の感想
☆いい作品であることは予想できた。

私は、この手の日本映画を、「ボーイ(ガール)・ミーツ・異文化」ものと呼んでいる。

最近では、『ガチ☆ボーイ』などもそうだった。

これは、伊丹十三の一連の作品(『マルサの女』『スーパーの女』など)にはじまる流れだと思う。

一風変わった世界を舞台に、そのシステムをカタログ的に語りつつ、主人公の「勝負」を描くのである。

その流れは周防正行に引き継がれ、『Shall we ダンス?』や『それでもボクはやってない』を生んだ。

中でも、『シコふんじゃった。』では、大学の相撲部を舞台にして、このカタログ的映画に「青春」を織り交ぜた。

異文化カタログ+青春の流れは、その後、『がんばっていきまっしょい』、『スウィングガールズ』、『ウォーターボーイズ』と発展していく。

どれもが、なかなかの佳作であり、日本映画の安全パイ的な質を保証してくれるジャンルである。

今年になっても、『ガチ☆ボーイ』と言う作品が生まれており、今回の高校合唱部を舞台にした『うた魂♪』に至る。

見ればそこそこ感動するだろう。

だけども、私は、少々、そのようなジャンルに飽きはじめた気配もあった^^

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ファーストシーンは、浜辺で歌う少女・・・。

線の細い少女で、色白で美しい。

なかなかいいぞ^^ 私は思う。

しかし、その主人公の娘(夏帆 )のモノローグがかぶさってくると、物語は状況を一変させる。

「ああ、私の歌声って、美しい。私の歌う姿をみんなはどう思っているのかしら」

・・・・・、・・・・・^^;

そういう主人公だったのである。

一種のオタク娘(腐女子)的な性格で、確かに才能はあるのだろうけど、その心の中は勝手な妄想で溢れている。

自己中で、ナルシストで、思い込みが激しく、「みんなが私に注目している」と夢想している。

いつも、川原泉のマンガの主人公のように口をポカーンと開けて「二ヘラ~ッ^^」と笑っている。

だが、好きだった男に「歌っている顔が、鮭の出産のときみたいだ」と言われ、それを契機に、それまでの自己の才能に過信した妄想世界がガラガラと崩れ始め、意気消沈する。

最初こそ笑っていたのだが、なんか、主人公カスミのインナーワールドの連続に、こちらの気分が引けてきて、段々と笑えなくなりはじめたとき、合唱に命を燃やすバンカラ学生集団が現われる。

その、「花の応援団」の青田赤道にも似たリーダー・権藤をGORIが演じていた。

それで私は救われた。

後は、この権藤が物語の牽引役として、まさに歌だけに限らず、作品にも魂を込めてくれたような気がする。

権藤率いる合唱部は、尾崎豊を荒々しくも情熱的に歌い上げる。

感動した。

そして、カスミも感動し、権藤と話をしてみるのだ。

権藤は言う(うろ覚え)。

 「見栄えを超越したとき、訴えるものが伝えられる」

 「カッコなんか気にしてちゃ、勝負に勝てねえ」

 「テクニックじゃねえ、ソウルだ!」

 「素っ裸で挑め!」

いや、良く覚えていないのだが、権藤はもっと心に響くセリフで言っていた。

言葉だと聞き流せてしまうが、権藤の合唱部は、説得力ある歌声を披露してくれていた。

だから、私の心にもグッときた。

私も、このサイトでは「甘噛み!」スタンスだが、姉妹サイトでは、とことんまで自分をさらけ出して多くを伝えようとしているので、権藤の言葉には勇気づけられた。

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多くの歌が合唱されたが、どうも選曲が二の線をいっていて、心に100%響かなかったのは残念。

こういうときは、思いっきりベタな選曲をキボンヌ^^;

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この作品は、青春群像劇ではなく、意外に、主演の夏帆のワンマン映画であった。

主人公カスミの成長がテーマでもあるので、最初こそはクローズアップが為されているのはいいのだが、「合唱とはチームありき」と分かった後も、物語はカスミだけを追い続けているのが、なんとも、映画のバランスを考えるとおかしく感じた。

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・・・で、このカスミ役の夏帆なのだが、どうにも主役として微妙なのである。

いちお、物語上は、「ちょっと顔がいいからって!」とか妬まれる役なのに、あまり魅力がないのである。

顔にメリハリもなく、「萌え」要素なんてのもない。

「不思議ちゃん」を演じているつもりなのだろうが、「痴呆ちゃん」みたいなのである。

こういうタイプって、たとえ落ち込んでも、反省も改心もしないことが多いんだけどね・・・。

・・・いや、僕、最終的には、やっぱ、「夏帆ちゃん、可愛い^^」と思っちゃうんだけどね^^;

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脚本上、人が合唱と言うものにめぐり合った時の、多くのエピソードが余さず語られている。

例えば、カスミを嫌う女の子が、カスミの歌い方を評して「どこぞの将軍様をほめたたえている様な歌い方だわ」とか言う、・・・そんなセリフにはシナリオのうまさを感じた。

また、そのカスミを憎む女の子のエピソードに、「フニクリフニクラ」を恥ずかしさも伴ってみんなの前でうまく歌えない思い出なんかも織り交ぜていた。

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『ガチ☆ボーイ』も、『クローバーフィールド』も、昨日観た『ブラックサイト』もそうだったのだが、クライマックスを終えると、エピローグが語られることもなく、潔く終わる。

私は、最近の映画の、このような作りはサッパリしていて好きである。

PS.裕子がストリートで歌っていて、まだ歌うことを知らなかった権藤が衝撃を受けるシーンがありますが、そこの場所、私知っています。
 東京は中野ブロードウェイの近くです^^
 この作品の舞台が、『ガチ☆ボーイ』と同じく北海道だったので、私個人の中では違和感がありありでした^^;

                        (2008/04/12)

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