ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

論理的思考を鍛えるためにこんなんやってました

2009-09-17 23:51:50 | 議論
 ちょいと間が空きましたがこの前の熊森記事の続き(というかおまけか)です。
参考までに僕の場合の論理的思考や論証の説得力(論証力)を上げるためにしたことを記しておきます。僕の場合は「詭弁論理学」を読むところから始めました。まず論証における禁じ手を知ることで自分が同じことをしないように、相手がこれを使っていないかチェックするための知識を得たわけです。将棋で二歩は反則といったルールや定石を勉強するのと似ていますね。
知識を得ても使わなくてはなかなか身に付きません。そのため僕は2chのスレッドなどを見てどのような論証、反論が行われているか勉強しました。当時は進化論関係やブラックバス問題のスレッドがあり、そのような場所では論証や反論の方法がある程度確立していたのです。少し慣れてきたら相手の論証に突っ込めるところがないか探すことをはじめました。もちろんこれと並行して保全生態学の本を読むなどしてその議論の分野の知識をつけることもやっていました。
 そこそこ論証に慣れて自分で論理を組み立てるようになると今度は自分の論証に自分で突っ込むことを始めました。この時意識したのは自分がこの論証と対峙したらどのように論破するかということです。つまり自分で自分の論証の突っ込み所を探したわけです。同じころに少し議論のまねごとも始めていました。大学教授や知り合いのおっさんとお互いに思うところを話したりしていました。このときつらかったのは相手の質問や突っ込みに答えられなかったことです。この時の悔しさが勉強を促すバネになりました。
 いろいろと勉強しているうちに科学哲学というものにたどり着きました。これは僕が興味のある分野が科学に関連していたからでしょう。まず入門として伊勢田哲治氏の「疑似科学と科学の哲学」を読み、そのあと同じく伊勢田氏の「哲学思考トレーニング」や戸田山和久氏の「科学哲学の冒険」を読んでいきました。
哲学は文系の学問のように見られていますが、実際にはオールラウンドに使える知識や論証の方法が詰まっています。これを食わず嫌いして文系に独占させるなんてもったいないことです。そもそも論証や論理的思考って元を辿れば哲学から生まれてきたものですしね。こうして哲学から議論や論証の方法を知ることで思考の幅が広がったように思います。
 こうして論証の方法に習熟してきてから池田清彦批判などをするようになりました。ただ批判するだけなら「詭弁論理学」を読んですぐにできましたが、きちんとしたものを書けるようになるまでには2,3年ほどかかりました。ここでちょっと付け加えておくと、すぐに批判できるようになったのは僕に才能があったわけではなく「詭弁論理学」がテキストとして優れていたからです。
 そして現在もまだまだ勉強中です。ネットを探せば僕以上に論理的思考を使いこなせる人はたくさんいます。ネットですごい人に会えるというのが井の中の蛙にならずに済んでいるように思います。いま必要なのは他分野の知識を得ることと議論の経験を積むことですね。

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