言っても言っても言い足りない。

2024-02-29 20:33:35 | Weblog

言えば言うほど深みにはまる、というようなこともある。

 

先日の私ときたら、ビートルズの凄さを、

「三声コーラスが出来る」ということに焦点を当てて称賛したのだが、

違う違う、と

読み返したもう一人の私が言うのだった。

三声コーラス出来る人が偉大なのならママさんコーラスのメンバーは皆ビートルズだ。

学校の合唱部員も、みな最強だ。

あああ、そう、彼ら、彼女らも偉大なのだが

ビートルズが特別なのは他に理由が、山ほどもあるのだ。

そのことを忘れてはいけない。

 

例えば・・・・ビートルズは「自作自演」であった。

 

ちょっと話はそれるが

この「自作自演」と言う言葉自体は本来、違う意味で、しかも悪い意味の言葉だった。

誰かが人騒がせな事件を起こしたがそれは嘘で、加害者が被害者を演じていた・・・というような悪質な

ことに対して「自作自演」と呼ばれた。それが、日本語本来の意味だった。

でもある時、椎名林檎がシンガーソングライターと同じ意味で「自作自演屋」と言った。

それ以来、自分で歌を作って自分で歌う、というひとも「自作自演」と呼ばれるようになった。

最近はピーターバラカンでさえ、椎名林檎的な意味でこの言葉を使う。

(それはそれで、いいと思う。)

辞書を引いたらどんなふうに載っているんだろうね?

「現代用語の基礎知識」なら、今言ったようなことが書いてあるかもしれない。

 

話を戻す。

 

ビートルズは、作詞作曲を自分たちでやったのだ。

その楽曲が、天才的に・天上的に・素晴らしかった。

ジョン、ポール、ジョージ。三人とも天才的なソングライターだと思う。

初期はカヴァー曲も多いけど、それでもオリジナル曲が、抜きん出て良かったのだ。

当時の音楽業界ではそれは異例だった。

彼らはチャック・ベリーとかをお手本に考えたのかもしれない。

 

そして、髪の毛。デヴュー時の、マッシュルームカットと言われる髪型は、

今見るとそう長くも思えないが、あれは堂々たる「男の長髪」なのだ。

タブー破り、である。

保守的なオッサン達は、絶対に 忌み嫌ったはず。

革命的である・・・っていうか革命だ。

しかし思うのだが、

デビュー直前の、革ジャン、リーゼントの時代から、わりと短期間で・・・・・・・・・

どうして長髪嗜好に変わったのか???

リーゼントと長髪は、3億光年の違いがある、と僕は思う。

彼らに何があったのか???興味は尽きない。

 

そして

メンバーは全員、細身の、背の高い、白人の、ハンサムな若い男。

 

インタヴューでは、ユーモア爆発。

権威もこき下ろす。

にこやかでユーモラスだが、言ってることは反体制的だ。

 

そしてここで三声コーラスの件がやっと出てくる。

ロックンロールの楽曲にメロディアスな歌、そしてゴージャスな三声コーラス。

歌詞も面白い。

カヴァー曲は黒人音楽の物がとても多い。

当時は強固な人種偏見もあり、一般的ではなかったブラック・ミュージック。

ビートルズはチャック・ベリーやリトル・リチャードを心から尊敬していて、

当時のアメリカで、彼らと一緒にツアーを廻ったし、

ある時、黒人の観客だけを違う席に押しやる「人種隔離席」をメンバーが拒否した。

人種差別に堂々と「ノー」を言ったのだ。

この行動はこの後、1960年代後半アメリカ全土で爆発的に広がる「公民権運動」を

後押しすることにもなった。

 

 

これだけの革命的な要素が全部、それまで、

世界中の何処を探しても・・・なかったものだった。

 

これは本当に「革命」だったよね。

 

だから、ビートルズは本当に「奇蹟」としか言いようがない。

 

 

でも本当は、その当時にリアルタイムでその革命を体験できた人にしか、

その真の凄さは、

わからないのかもしれない。

 

 

 

ああ、

言っても言っても、言い足りない。

 

 

 

 

 

 

 

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