「上京」の、もともとの意味である大叔父が亡くなってから数年後に
祖母たちが福山への帰郷を決めたのは
(他に色々な要素がからむ・・・のではあろうが、それを差し置いても)
・・・・・わかるような気がする。
俺も大阪で、似たような気分を味わって、今は京都に住んでいるから。
そもそも、俺が大阪に来たのは・・・佐治の気迫に押されてのこと(笑)だったのだ、そういえば。
俺と佐治が出会ったのは奈良の高校で、
近畿圏の若者の多くがそうであろう、と想像するのだが
高校のときの俺たちの望みは、
「大阪のライヴハウスで活躍するバンドになりたい」、というもので、
当時は 夢のまた夢・・・だった。
佐治と俺は高校時代の最後、
「大阪の、天王寺近辺でそれぞれ、一人暮らししようぜ」と約束して、
実際にそれを実行した。
それは、俺にとっては本当に、夢のような暮らしだった。
だって俺はそれまで、奈良の学生寮に住んでたんだぜ。それも、規則のきつい寮だ。
一人暮らしの自由なこと!
そこから、何年も何年も大阪に住んで、大阪にトモダチも出来て、
バンド仲間とも大勢知り合い、行きつけのバーなんかも何軒も出来た。
二十代、三十代をそんな中で、バイトと、バンドをやりながら暮らした。
三十代の半ばのある時、佐治の病が発見されて、いろいろなことが一変する。
佐治がいなくなって、ある日ふと、俺は思った。
「何で俺、大阪にいるんだろう?」と。
大阪は既に「大好きな街」になっていたのだけれど、それでも。
今さら、東京へ帰れはしなかった。そういう発想もなかった。
でも京都って、思ってた以上に素敵なところだ。
何かちょっと・・・・「昔の東京」に、似てる気がする。
「関西」なら、どこでも住めると、思うんだけど。
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