寒い寒い冬の夜、
我々ROCA’66は大阪某所にて、スタジオ入り。
メンバーみんなで、せーので音を出せるのが本当に楽しい。
我々のお年頃というのは一般的に、急速に衰えたり老けたりする年代である。
職場の同年代の同僚など、
申し訳ないがどう見ても「初老のおっちゃん」である。
我々だって、もちろん僕だって例外ではないのだが、少しだけマシではあろう。
そんな我々が今でもバンドを続けていられるのは
様々な偶然と必然の結果であって、
運命に感謝したい。
音楽へ向かう動機は、中学生だった頃とほとんど変わっていない。
モテたい?・・・・・いや、もう、それはないんだなマジで。
動機は純粋に音楽そのものへの興味と憧憬である。
(これがお金にならないってことも、もちろんわかっている。)
楽曲は小宇宙だ。
我々のような者たちが奏でる、「自作のポップソング」でもそれは変わらない。
ベースのフレーズひとつ、ドラムズの緩急ひとつ、
ギターの音色ひとつ
で、その小宇宙はがらりと趣を変える。
言ってみれば、我々の思い通りにその姿を変えるのだ。
そして祝福にも呪いにもなる、「歌詞」としての言葉たち。
音楽には多少なりとも、呪術的なところがある。
もちろん、今の我々は、ライヴハウスでガンガンやれているバンドではない。
それどころか、ほとんど丸二年、
ライヴから遠ざかっている。
今は「アーティストのモチベーションが試されている」、と
誰かがラジオで言っていた。
確かにそうかもしれない。
いろんな事が終わってしまう前に、
ほんの少しでも奪還出来たらいいな、と僕は思う。
兎にも角にも、バンドは生き生きと生きている。
そのことが僕を、心からほっとさせる。
スタジオ後の肉体的な疲労は年々激烈になるのだけれど、それでも。