冬至が過ぎたからそろそろ、夜が短くなっていくはずだ。
今朝は部屋の窓から、朝日が昇るのを見た。
一年中でいちばん、低くまでしか昇らない太陽。
いつものことだが、月と寸分違わない大きさの太陽。
いつか見た初日の出を思い出す。
ところで俺にしてみたら、、
大晦日も正月も、もはや何の意味もない。
でもそうすると今度は、
「意味がない」という意味が生じてしまう。
どんなにわずかでも「振れ幅」というのがあって、
プラスマイナスゼロにはなかなか、ならないのだった。
それにしても、新年というのはいつも、
無遠慮にずかずかとやって来るものだ。
1979年の大晦日の夜を覚えている。
俺は何歳だ?・・・・・・・13歳か。
子供の頃の記憶って冗談抜きでほとんど「ない」のだけれど、
あともうひとつ、
1976年の年賀状を書いていたことを
うっすら、覚えている。
ちょうどその頃はニューヨークではテレヴィジョンが、
ロンドンではクラッシュが。
唯一無二の音を鳴らしていたはずだ。
俺のまわりではまだ何も起こっていなかった。
物事が動き出すのは、その2,3年あとだ。
いろいろな出来事が、出現しては消えて行った。
そしていつしか、
クリスマスも大晦日も正月も、
その意味を失っていったのだ。
・・・・っていうか、はじめっからなかったのかな。
ただ「幻想」が、俺の目の前を通り過ぎた・・・
って事なのかもしれない。
七色に発光した、
とびっきりの、抜群の、見逃したらもう二度と出会えないような、
「幻想」ってやつが。