インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

イミグラントの句座(11月28日、金沢)

2019-01-12 20:17:15 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)
11月28日

(金沢駅から歩いて十五分の真宗大谷派・報恩寺での大根焚きに参加して)

親鸞忌ゆず大根振る舞い寺

大根にゆずの香(か)の染み入りて

大根のよく煮え口中ほろりと

ありがたきお経の唱え座して聴く

純金の燦爛と仏前拝みて経聴く

ルドラクシャ(注.菩提樹の実の首飾りでシヴァ神の涙粒といわれる邪気を祓うお守り)数珠代わりに焼香す

村人に大根振舞われ親鸞や

村人の親切に心身ぬくもりて

すすき穂で帰命尽十方無碍光如来と
(注,帰命尽十方無碍光如来<きみょうじんじっぽうむげこうにょらい>とは阿弥陀仏の徳をあらわす名で、天親<てんじん>菩薩の『浄土論』に示されている。智慧の光をもって十方世界を照らして、さわりなく衆生を救いたもう如来という意)

故事因み報恩講の通称大根焚き

大根焚き京の冬の風物詩

大根焚き中風封じ病気平癒のご利益(りやく)

昆布と薄じょうゆで煮込んだ源助大根

ゆず味噌の煮大根によく合いて

ゆずの蜂蜜ジュースもおまけ付き

注釈/報恩講「大根焚」について
鎌倉時代の建長4年(1252年)、浄土真宗の開祖である親鸞聖人が愛宕山中の月輪寺に師である法然上人の遺跡を訪ねた帰りに了徳寺を訪れ、村人たちに教えを説いた。その教えに感銘を受けた村人たちがお礼に塩炊きの大根を馳走し、親鸞聖人はそのもてなしに応え、すすきの穂の束を筆代わりとして、鍋の残り煤で「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」という十字の名号を書いてお礼として残された。この故事に因んで行われる報恩講の通称が「大根焚」になる。


<熾=もゆる>

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