そして満面の笑みで彼女はやってきた。
関西空港から直接の奈良入りだったが、「空港バスで」と言っておいた。
しかし、出発前日SOSが入った。「空港バスがない!!」と。
びっくりして確認すると、関空―奈良がその時点では休みになっていた。こんなところにもコロナの影響が出ていた。
私たちの昨年の渡仏は伊丹空港からだったので、まったく気が付かなかった。
慌てて、関空から大阪市内までの空港バスに乗り、そこから列車へ乗り換えるように伝えた。
そして、やってきた。乗り継ぎ便で長時間のフライトのあとだったが、満面の笑みで。
もちろん彼女は日本人と同じように日本語が話せる。
前にも言ったがこの家はフランス在住ながら、日本語ファーストの家なのだ。
時差ボケもないように調整しているようで、まったく時差ボケもないという。
彼女は高校時代の友人と会ったりするなか、京都で振袖を着て写真を撮ることが何より一番の目的だった。日本での成人式に帰ってくることができなかった彼女の気持ちを思うと、何とかして応援したくなる。
すべて予約等は自分で済ませていたので、本当に何もすることがなかった。ただ寝る部屋の確保と朝ごはんと、夜は時々友人と済ませてきたことがあったが、夜ご飯の準備くらいだ。
若いお嬢さんなので、市販のカツサンドやテンプラなども喜んでくれ、しっかり食べてくれた。
彼女はモードに関心があるので、日本の若者が行くブティックでも試着をしたわけなのだが、少しふっくら目の彼女が言った「何で日本のサイズは小さいの?」と。そう言われるまで、気づかなかった。
どうも若者のお店にはLサイズの様な衣服が少ないらしい。そう言えば確かに細い人が多い。西洋人のようにウエストが細く、胸とヒップが大きいという特徴にあう服が確かに少ないと言える。
そして、試着するたび、店員さんが「すみません」ということにも驚いていた。
「こっちの体形の問題なのに、なぜ謝るのか」と。