貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

いろうに及ばず

2018-06-10 11:35:05 | 日記
いろうに及ばず

平成30年6月10日(日)

 昨夕読了した本に、

「いろうに及ばず」という事例を知る。

 一遍上人の遺言の辞。

「自分が死ねば葬儀などしなくていい。

自分の死体は野に捨て、獣にくれてやれ。

それでも供養したいという信者がおれば、

『いろうに及ばず』」

といい添えられたという。

 この時の「いろうに及ばす」は、

信者の素朴な真情まで拒否しないで、

その真情は大切にして、好きなように

させてやれという彼の優しさでもあろう

ということ。

 今朝の読売、「気流」の90歳の投書、

「父は明治30年生まれ。20歳から下駄

職人となり、92歳まで現役でした。

 晩年は下駄を作っては、知人に差し

上げることを楽しみにしていました。」

 物を作る人の晩年の歓びもいい!

 101歳で亡くなられたという。

 「遺産は財布の中の現金4011円のみで

した。入っていた紙切れにメモがありま

した。」

 何てメモされていたのでしょう。

「大金は兄弟げんかのもと。

親孝行したくないのに親がおり。ごめん。」

と書かれていた。

 ぷっと吹き出して、最期の満ち溢れた

ユーモアに感心。

 90歳の息子さんも愉快で、誠実。

 朝から生きる楽しさをいただいた。

 さあ松島一周だ!



乗船前。



乗船。



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