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「私が今回の事件がショックだったのは、ソルリは表向きにはとても堂々として『私は私の道を行く』という印象が強かったのに・・・、

2019-10-16 | あらゆる差別を許さない

「ソルリは私たちだ」20、30代女性たちの共感と怒り

登録:2019-10-16 09:09 修正:2019-10-16 10:40

容姿評価・セクハラ・過剰なまなざし 
日常で経験する女性ヘイトを引き写し 
「堂々としていたソルリも耐えられなかった社会、私も不安を感じた」

 
国家人権委員会が2012年に女性芸能人の人権に向けて制作したアニメ「私の夢は」の一場面。当時「女性芸能人人権実態調査」の結果を基に、自己決定権を侵害される芸能人の現実を描いた=人権委提供//ハンギョレ新聞社

 14日午後、歌手兼俳優のソルリ(25・本名チェ・ジンリ)が遺体で発見されたというニュースが報じられ、ソルリと同じ世代で似たような人生の経路を一緒に歩んできた20代・30代の女性たちが、当惑感とともに社会に対する怒りをぶちまけている。ソルリに向けられたさまざまな非難の声が、実は同じ世代の女性たちが日常で経験している「韓国社会が暗黙的に認めてきたこと」だという共感が広まっているのだ。

 個人事業者のユ・ジウンさん(31)は、ソルリの死のニュースを知った後、自分のフェイスブックに長い文を掲載した。「ソルリの死は本当に芸能人の死だろうか?ソルリがデビュー後に経験した全てのことは、軽重の差はあるだろうが、同じ女性としてその苦痛があまりにも理解できることだった。太ったことでひそひそ言い、余計なひとことを言う人々、彼氏と付き合った後に聞こえてくるさまざまなセクハラじみた冗談、薄着で出かけた時に受ける痛い視線または過剰なまなざし、違法撮影(盗撮)に対する不安…(中略)…ソルリは社会的他殺の被害者だ」。この文章は掲載から20時間で2300以上の「いいね」を受け、共感を得た。ユさんは15日、ハンギョレの電話取材で「ソルリはあちこちで衝突した平凡な女性で、それでも信条のある声を上げた女性だった」とし、「ソルリが生き残れない社会を見て、社会的不安感のようなものが強くわいた」と話した。

 会社員のCさん(29)も同じような話をした。Cさんは「ソルリは女性に対する偏見を解体させる、韓国社会にとって重要な芸術家だと思ったし、女性そのものの人格体として認められるために必要な自由を表現する、そういう部分が十分に尊重されるべき時代のアイコンだと思った」とし、「でも、人々がソルリを非難する様子を見て、この社会では完全に女として『私』の姿を表わすことができないということがあまりにも嘆かわしかった」と語った。就職活動中のNさん(27)は「私が今回の事件がショックだったのは、ソルリは表向きにはとても堂々として『私は私の道を行く』という印象が強かったのに、(そのようなソルリさえも)耐えられなかったくらい非難や悪質な書き込みに苦しんだということ」だと話した。

 女性芸能人を対象にした容姿や服装に対するセクハラ発言、各種のデマと論争の拡大再生産などの集団的「引き回し」は、昨日今日のことではない。特に最近は、自分の考えと信念を堂々と表明する女性芸能人に対して非難が集中する現象が発生している。ソ・ジへさんやキム・オクビンさんなど女性芸能人たちが、韓国社会の若い女性たちが経験していることを小説に再構成した『82年生まれ、キム・ジヨン』を読んだことをソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)にアップした後、ネットユーザーたちから「悪質な書き込みテロ」を受けたり、ガールズグループ「Apink」のメンバー、ソン・ナウンさんが自分のインスタグラムに「Girls can do anything(女性は何でもできる)」と書かれた携帯電話のケースの写真を載せたところ、やはり「悪質な書き込みテロ」を受け、慌てて「ファッションブランド企業の協賛でもらったもの」と釈明したこともあった。生前のソルリも、自分のインスタグラムに洋服の下に下着を着けず撮った写真を掲載し、芸能メディアがこれを先を争って刺激的に報道し、ネットユーザーらはコメントにセクハラ発言を集中させたことがあった。テレビコラムニストのイ・スンハン氏は、文化ウェブマガジン「チャンネルイエス」への寄稿で、「芸能人が自分自身の欲望を率直に語り、他人の欲望の代わりにはならないと宣言した瞬間、人々が送る歓呼は短刀に急変する。私の欲望を代わりに引き受けてくれなきゃならないお前が、なぜ自我を持って私の気に障ることをしようとするのか、これは契約違反だ、と叫ぶ」とし、「特にその対象が若い女性芸能人であるほど、短刀はより鋭くなる。『人形』や『女神』のような修飾語をつけ、自分の気に障ることなくひたすら自分の欲望を安全に被せるのに適した存在になってほしい対象だからだ」と書いた。

 これは韓国社会が依然として女性の主体性を否定したまま、女性を対象化することだけに没頭しているという点を示している。女性学研究者のクォンキム・ヒョニョン氏は、「これまで女性芸能人の中で“引き回し”の対象になった人は、性に関して自己主体的な態度をとっていた。大衆は、女性芸能人が自分の考えを示すことを望んでいるのではなく、容姿など彼女たちが美しく飾ることにだけに関心を持っている」とし、「女性芸能人の考えが大衆と違う場合は、それ自体が犯罪であるかのように扱った。愛嬌を振り撒かなければ怒ること、言葉遣いが柔らかくなかったという理由で謝罪文を書かなければならないことが、すべてそのような事例だ」と指摘した。転職を準備中だというCさん(28)も「品物でもない人間に対して、物の包装を変えるように大衆が求めるイメージを強要し、そのイメージに反する行動を取ったらオンラインで群れて押しかけて非難する方法を取りながら、消費者として自分の意見を無理に押し付けようとする姿をよく見かける」とし、「それで彼らの意見が受け入れられるまで罵倒しながら『世論の権力』を異常な形で使っている」と話した。

 このような現象の中心には、芸能人を対象にのぞき見的な報道を通じてクリック商売をするマスコミがあるという指摘が出ている。特に、ソルリの死去に関するニュースを扱う時も、最低限の尊重と礼儀をうち捨てたマスコミの行動に対する批判が続いた。「国民日報」はソルリの死亡を報道するときに「ノーブラを唱えてきたソルリ」と言及したのちに削除し、芸能メディア「スポTVニュース」はソルリの喪所を公開する記事に「単独」という表現をつけて怒りを買った。ソルリの自宅の内部を過度にクローズアップして見せたり、遺体を運柩する写真を撮るために競争する記者たちの姿を見て、「自殺報道倫理綱領」を忘れたのではないかという批判も相次いだ。

オ・ヨンソ、クォン・ジダム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
コメント

「青少年を相談する際、親の相談が欠かせないように、マネジャーや担当職員もいかに芸能人の面倒を見るべきか、教育を受ける必要がある」

2019-10-16 | ちょっと気になるマスコミ報道

 

[社説]ある女性芸能人の死を前にして

 

登録:2019-10-16 03:44 修正:2019-10-16 07:14

 

 
                           「JTBC2」のバラエティ番組「悪質なコメントの夜」画面より//ハンギョレ新聞社

 

 歌手兼俳優ソルリ(本名チェ・ジンリ)の死去のニュースが伝えられた14日以降、SNSなどには追悼とともに、これまで彼女に浴びせられた悪質な書き込みやマスコミの報道のあり方、さらには女性アイドルの消費の仕方や女性嫌悪に対する怒りの声があふれている。彼女を死に追いやった直接の原因は明らかにされていない。しかし、25歳の女性芸能人がこのような極端な選択(自死)をしたことに対して、社会に責任はないと自信を持って言える人はいまやいないだろう。

 

 彼女はうつ病や対人恐怖症などに苦しんでいたという。2009年に女性アイドルグループf(x)(エフエックス)のメンバーとしてデビューし、活発な活動を行っていた2014年にも悪質な書き込みや噂で苦痛を訴え、芸能活動を一時中断したことがある。翌年グループから脱退し俳優として活動してきたソルリは、最近「悪質な書き込み」を題材とした全国放送の芸能番組の司会者となったが、第1回目の放送で「一時期、路地裏ばかりを歩いていた。どこにでもカメラがついてるみたいで」と打ち明けている。いつも堂々としていた姿の裏にどんな苦悩があったのか、みな無知で無関心すぎたのではないかと胸が痛む。

 

 彼女が悪質な書き込みに苦しんできたのは広く知られた事実だ。匿名で書く側は単なる「コメント1行」と考えるかもしれないが、悪質な書き込みをされる側にとってはその1行が人格を破壊するような暴力だ。警察庁の集計によると、悪質な書き込みと見なせるサイバー名誉毀損・侮辱犯罪は2018年現在1万5926件で、前年より約20%増えている。通報された件数がこれくらいだから、実状ははるかに大きいだろう。大衆の人気が命の芸能人は対抗するのも容易でない。芸能界の類似する悲劇が少なくなかったにもかかわらず繰り返される悪質な書き込みに対して、特段の対策を議論するべきではないかと思う。これは表現の自由でもスターに対する消費者の権利でもなく「犯罪」にすぎない。

 

 一部の悪質な書き込みをする人々だけでなく、韓国社会全体にも女性アイドルへの対し方を振り返ってみてほしい。男性がやれば意見表明であり、「女性アイドル」が言えば「目立ちたがり」という非難が殺到するのは、昨日今日に始まったことではない。若い女性芸能人を「人形」や「性的対象」として消費する大衆文化と深い関係があることは否めない。そのような点で、ソルリは特別な存在だった。下着を着ていないようなTシャツの写真で攻撃を受けた彼女は、「個人の自由だ。私にとってそれはつけることもあるし、つけないこともあるアクセサリー」と堂々と述べた。他人の目を意識せずに自由に生きようとした女性、ソルリの冥福を祈る。

 

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

アイドルが自ら命を絶つ理由とは?

登録:2019-10-16 06:09 修正:2019-10-16 07:19

 
                                                   グラフィック=キム・スンミ//ハンギョレ新聞社

 2017年、アイドルグループ「SHINee」のメンバー、ジョンヒョンから最近、歌手のソルリまで、アイドルの自殺が相次いでいる。アイドルが自ら命を絶つほどストレスに弱い理由としては、絶え間ない競争とインターネット上の悪質なコメントなどが挙げられる。

 6年間にわたりアイドル練習生たちの相談を受けてきた臨床心理専門家のキム・ジヒ氏は「練習生たちが心理的に成熟する時期の青少年時代から親元を離れて、慣れない環境で競争に追い込まれたため、欠落感を抱えやすい」としたうえで、「デビュー以降も続く競争と些細な日常にも悪質なコメントが殺到した環境にあるため、自尊感が薄れ、憂うつ感と無力感に苦しむ場合が多い」と説明した。大衆音楽評論家のパク・ヒア氏は「芸能界は階段式ではなく、一気に上り詰めたかと思うと、急に転げ落ちるようなところ」とし、「特にアイドルは10代でデビューし、10~20年間にわたって経験しなければならないことを早ければ3~5年、契約期間の7年以内に全て経験するため、外部の攻撃に弱くなる」と話した。また、「練習生の年齢がますます若くなる一方、アイドルの数は増えるため、この分野の特殊性をよく知るカウンセラーが必要だ」と付け加えた。

 専門家らは芸能人の極端な選択を防ぐため、芸能プロダクションと政府レベルで地道に定期的な心理相談プログラムを実施すべきだと助言する。韓国コンテンツ振興院は2011年、大衆文化芸術人支援センターを設立し、芸能プロダクションと連携して、心理相談を支援してきた。初年度には相談件数が40回にとどまったが、2013年に107回、2015年に139回、2017年に167回、2019には年164回(10月現在)で、徐々に増えている。芸能人も芸能プロダクションも心理相談の重要性を認識しており、8年間で4倍以上増加した。韓国コンテンツ振興院は最近、「芸能人になりたい子どもを持つ親が知るべき基本知識説明会」を開き、保護者を対象に心理相談の重要性を強調した。

 芸能プロダクションも芸能人の心理状態をサポートするために努力している。中堅・大手芸能プロダクション10社を取材した結果、ほとんどのプロダクションで教育プログラムなどを運営し、芸能人としての態度や困難を経験した時の対処法などを教えていた。また、所属芸能人が心理的に困難を訴えれば、心理相談センターで相談を受けるようにしたり、臨床心理士を会社に招く場合もあるという。

 しかし、芸能プロダクション自ら専属心理カウンセラーを雇ったり、定期的な相談プログラムを設けるなどの体系的な管理はないのが実情だ。芸能人も外部の視線を気にして、うわさが広がるのを恐れ、自分の状態について正直に打ち明けられない場合もあるという。ある芸能プロダクションの関係者は、「外部の人に芸能プロダクションの内部事情を話すのが負担となり、 “ストレスの多い会社”という印象を与えることを恐れて、相談プログラムの運営を躊躇う側面もある」と話した。

 臨床心理専門家のキム・ジヒ氏は、「自殺などの極端な選択をする前に、シグナルを送る場合が多いため、関心を持って心を読み取ろうとすれば、(最悪の事態は)防げる」とし、「持続的かつ地道な心理相談が重要だ」と指摘した。さらに、「青少年を相談する際、親の相談が欠かせないように、マネジャーや担当職員もいかに芸能人の面倒を見るべきか、教育を受ける必要がある」と強調した。

シン・ジミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
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