大橋みつるの平和ト-ク・・世直しご一緒に!

世界の変化を見ながら世直し提言
朝鮮・韓国・中国・ロシアとの友好促進
日本語版新聞紹介

韓国と米国の(合同軍事)演習と関連したいかなる決定も、その時点の状況と条件に基づき、同盟として決定する

2018-06-02 | アメリカの常識は世界の非常識

[インタビュー]

「8月の韓米軍事演習、状況・環境によって同盟として決定」

登録:2018-06-01 08:13 修正:2018-06-01 10:27

マーク・ナッパ―米国大使代理 
3月のキーリゾルブ演習のように調整する可能性を示唆 
「金正恩の果敢・決断力のある処置に驚いた」 
「豊渓里に専門家を招待せず疑問抱かせた」 
「米国は北朝鮮の挑発に軍事的対応したことがない」 
「ベトナムが北朝鮮に良いモデルになり得る」

 
                 マーク・ナッパ―米国大使代理が先月30日、ソウル米大使官邸でハンギョレのインタビューに応えている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 「これから行われる韓国と米国の(合同軍事)演習と関連したいかなる決定も、その時点の状況と条件に基づき、同盟として決定することになると思う」

 マーク・ナッパ―在韓米国大使代理は30日、ハンギョレとのインタビューで、「北朝鮮が韓米軍事演習を引き続き問題視しているが、6月の朝米首脳会談が実現すれば、8月に予定された韓米乙支フリーダムガーディアン演習を、今年3月のキーリゾルブ演習の時のように調整する余地があるか」いう質問にこう答えた。ナッパ―大使代理は「3月のトレーニングに関連する決定は、同盟として米国と韓国が下したもの」だと強調した。彼が高度に訓練された専門外交官という点を考慮すると、事実上8月の韓米乙支フリーダムガーディアン演習の規模と時期などをキーリゾルブのように「状況と環境」を考慮して調整する余地があることを示唆したものと言える。

 ナッパ―大使代理は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の最近の動きと関連し、「果敢かつ決断力のある処置で驚くべきもの」だと評価し、「北朝鮮が再び国際社会に編入することにつながることを願っている」と話した。これと関連して彼は「ベトナムは米国と戦争を行い、数十年もの間接触もしなかった極端な敵対関係にあったが、今はかなり良いパートナー」だとして、「規模があまりにも大きい中国」よりは「(規模と経験が類似した)ベトナムの方が北朝鮮により適切なモデルだと思う」と述べた。

 ただし彼は、朝米首脳会談を控えた金正恩委員長の「非核化への意志」については確定的な判断を留保した。彼は「マイク・ポンペオ国務長官が(5月9日、平壌の労働党社本部で)金正恩(キム・ジョンウン)に面会した際、豊渓里(プンゲリ)核実験場の廃棄式典に記者だけでなく、専門家も招待するという約束を取り付けたが、記者だけが招待された」とし、「それは私たちが『いったい何が起きているのだろう』という疑問を抱かせた」と話した。豊渓里の「核実験場廃棄を歓迎」するが、北側の「完全な非核化への意志」と関連しては、より多くの“検証”が必要だということだ。

 ナッパ―大使代理とのインタビューは30日午後、ソウル中区貞洞(チョンドン)の米国大使館邸リゲイションハウスで、イ・ジェフン先任記者の進行で、1時間にわたって行われた。

ー 最近の朝米関係がダイナミックだ。板門店(パンムンジョム)やニューヨーク、シンガポールで行われる三つの協議が目指すのは何か?

 「2~3カ月前までは想像もできなかった驚くべき出来事だ。三つの協議は首脳会談の準備のためのものだ。まず、シンガポールが会談の構造や形式、実務に関するものなら、板門店は内容と議題に関するものだ。シンガポールでは会談の場所や報道、警護、儀典など会談の準備と関連した実質的かつ具体的事案を協議する。板門店会談は6月12日の首脳会談が確実に開かれるかどうか、我々が北朝鮮の非核化という目標を達成できるかどうか、彼ら(北朝鮮)のために我々が明るい未来を開くことができるかなどについての議論になる。ポンペオ国務長官と金英哲(キム・ヨンチョル)(労働党副委員長兼統一戦線部長)のニューヨーク会合では、シンガポール(首脳会談)で達成しようとすることをめぐる両方の理解を再確認(reconfirm)できると期待している。シンガポールと板門店チームに指針(guidance)を与える可能性もあるだろう」

ー 金正恩委員長とトランプ大統領が実際に会うためには、何がさらに必要なのか?

 「ニューヨークと板門店で、北朝鮮が我々と目標を共有しているという点が明確に確認されなければならない。次の二点だ。彼らが核とミサイルプログラムに対する国際社会の懸念を解消する意思があるのかと、彼らが国際社会の支援を受け入れる準備ができているかだ。明るい未来へ進むためには必ず非核化を通らねばならないのは明らかだ」

ー 米国は70年間事実上の敵国だった北朝鮮と現在、関係を結ぶことを望んでいるか?

 「北朝鮮の永遠な敵になりたいとは思わない。これから進むべき道を模索したい。そのためには北朝鮮が核兵器とミサイルを放棄する意向を示さなければならず、我々が差し出す友情の手を握り返さねばならない。多くの人たちがベトナムが北朝鮮の良いモデルになりうるという。ベトナムは開放や経済改革の推進、市場経済への転換、国民生活の改善で良いモデルになり得ると思う。国の規模も(北朝鮮と)似ている。ベトナムは、米国と極端な敵対関係から友好国へ転じた。ベトナムは米国と戦争をした国だ。戦争以来数十年間接触しなかったが、今はかなり良いパートナーだ」

ー 中国を北朝鮮のモデルとして挙げる専門家が多いが。

 「中国は規模が大きすぎて、自給自足の性向が強く、他の国のモデルになるのは難しいと思う。中国は(北朝鮮と)経験も規模も違う。ベトナムが北朝鮮により適切なモデルだと思う」

ー 最近の状況から、朝米が特使を交換し、首脳会談を推進した2000年を思い浮かべる人が多い。

 「2000年10月、趙明禄(チョ・ミョンロク)ワシントン特使訪問の答礼訪問のため、マデレーン・オルブライト国務長官が平壌(ピョンヤン)に行く前、私は先発隊として平壌に行っていた。我々はビル・クリントン大統領の(平壌)訪問が続き、連絡事務所の設置後、すぐに国交正常化が行われると思っていた。当時、私は普通江ホテルに泊ったが、ホテルの小さな書店で本を買おうとしたが、『数週間後にまた来るだろう』と思って買わなかった。ところが、その後18年間(平壌に)行けずにいる。近いうちに平壌でその本を買えることを願っている」

ー その時と今の類似点と相違点を挙げるなら?

 「その時も今も、韓国には南北関係だけでなく、米国を含め世界と北朝鮮の関係を改善させようとするビジョンを持った強力な指導者がいる。金大中(キム・デジュン)元大統領と文在寅(ムン・ジェイン)大統領だ。その時、クリントン大統領には残された時間があまりなかったし、選挙(2000年米大統領選挙の開票関連)とフロリダの問題をめぐる論議があった。あまりに多くのことが起こり、我々が北朝鮮に対する焦点(focus・関心)を失い、北朝鮮との(関係改善の)モメンタム(動力)を失った。今はトランプ大統領の任期が4年も残っており、大統領は(北朝鮮と)関係改善に向けて非常に熱心に取り組んでいる。2000年は北朝鮮が核実験をする前だったという点も異なる」

ー 今年、金正恩委員長が示した言動の中で何が一番印象的だったのか?

 「中国に二度も行っており、文大統領と二度の首脳会談を行った。果敢かつ決断力のある処置だった。彼の祖父と父親とは非常に異なるリーダーだ。ただし、私はこのような動きが時間稼ぎや対北朝鮮圧迫の緩和に向けた戦術的なレベルの決定なのか、それとも脅威や挑発、孤立を後にして、韓米との関係を改善しようとする根本的な変化を意味するのか、まだわからない。板門店とシンガポール会談で、我々が究極的に確認したいと思っている点だ」

ー 金委員長がどのようなことをすれば、戦略的に非核化の決断を下したと判断できるだろうか。

 「最も良いシグナルは彼が非核化を実行することだ。簡単に言えば、核弾頭をなくし、新しいものを作る能力を除去することだ」

ー 北側は米国の敵対政策と軍事的脅威の解消、すなわち体制の安全が保証されれば核を持つ理由がないと言っている。結局、朝米首脳が実際に会ってこそ、互いに“確認”できるものではないかと思うが。

 「朝鮮戦争後の北朝鮮はプエブロ号の拿捕や米国飛行機の撃墜、ポプラ事件、延坪島(ヨンピョンド)砲撃、天安艦沈没など、あらゆる挑発をしたが、米国は一度も軍事的対応をしたことがない。それが米国が北朝鮮に対する敵対的意図がないという証拠でなければ、一体何が証拠になり得るのか、私には分からない。我々は北朝鮮との貿易と投資を望んでいる。そのためには、我々に敵対的意図がないことを彼らに理解させなければならない。このため、両(最高)指導者が向かい合って対話しなければならないが、究極的には首脳会談で合意した内容をいかに履行するかがカギとなるだろう」

ー 北朝鮮が8月の韓米乙支フリーダムガーディアン演習に対する問題を提起した。6月のシンガポール首脳会談が開かれるという前提で、3月のキーリゾルブのように8月の訓練も調整される可能性があると見るか?

 「3月に下された演習関連の決定は、同盟として米国と韓国が取ったものだ。今後演習と関連したいかなる決定もその時の状況と条件に基づいて同盟として下すものとみている」

ー 「同盟のない韓米関係」が成立・持続できると思うか?

 「韓国と米国が同盟ではない状況を想像するのは難しい」

整理/キム・ジウン、イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする