かもて通信  ☆新上五島町中央山脈より発信☆ ☆個人的議会だより「かもて」のブログ版です☆

camoteはさつまいもという意味ですが、愛しい人を指すのにも使われていました。島の人々が愛する作物でもあります。

祝島と上関原発

2011-11-22 01:16:05 | 島へのキモチ*Carin~o a Isla*

せっかく周南市まで行かせていただいたので、上関町祝島まで足を延ばしてきました。
祝島は、30年間、10億円の漁業補償金を拒否し続けている瀬戸内の小さな小さな島です。
高齢化率70%、人口500人ほどの岩だらけの小さな島。
船崎、奈良尾、立串、似首・・・どことも似ていてどことも違う、島の集落の風景です。

私の撮った写真はFacebookにしか載せられませんでしたが、こちらです↓
http://www.facebook.com/media/set/?set=a.2352734910933.12...
(アカウントがない人は見られませんが)

信じられない段々畑といかにも北西風の強そうな地形で、温暖な瀬戸内のイメージを覆すような住みにくそうな島です。

では、その島がなぜ10億円の漁業補償金を拒否して、少数派ながら自分たちの生活を守るために闘って来ることができたのか。

そこに祝島の魅力があり、私たちの島のこれからを考えるヒントがあると、私は考えています。公共事業や一時的なカネよりも大切なものはなんでしょうか。

「本土並み」は、ほんとうに離島にとってプラスなことばかりなのでしょうか。

過疎と高齢化の進行ではトップクラスの祝島。生半可では30年も国と大企業に抵抗できません。

島の人たちからは、「この島に住むこと」の確信を感じました。

「わしら10億現金で積まれても、海は売らん。金で海は買えんのじゃ。」
という漁師のおじちゃん。
「この海と山さえ残してくれとったら、私もその孫も、生きていけるからなあ」
と、段々畑を這い上るくせに鍬を持つとちゃんと耕せる(!)ばあちゃん。
はたまた
「70くらいで老人会はいれいうの、やめておくれんかな~」
元気すぎるじいちゃん達。
私の年のお母さんがばあちゃんになってしまうほどの長い間、大きな権力に翻弄されながらも小さな漁船と、からっと明るい笑いで乗り切ってきた、島が大好きな島人たちです。

この島にもまだまだ残っている、でも、ふと忘れそうにもなっている、善き島の心に、触れた気がしました。
祝島の皆様、ありがとうございます。

こんなステキな歌が贈られる島が、ちょっとだけ羨ましくもあり、ここに紹介させていただきます。

http://www.youtube.com/watch?v=pS14mWnvkco


4月25日 沖縄県民大会に行ってきました。

2010-05-17 12:25:32 | 島へのキモチ*Carin~o a Isla*
またまた沖縄ですね。
9万人が集まった沖縄の基地反対県民大会。私も9万分の1になって参りました。
会場ではテレビや新聞の『怒り』と形容される印象とはすごく違う印象を受けましたし(それは勿論、怒りとしか言えない感情もありましたが)、地方分権などの議論の前にこれまでの国に対する物乞い的感覚を捨てて「日本の地方同士がもっとあたたかな人と人とのつながりを大切にしていかなければ」と強く感じました。
月刊「日本の進路」地方議員版へのレポートに書きましたが、沖縄は地方の自立に向けた闘いの最前線です。最前線に立つ、ごく普通の方々とお話できたことはとても貴重な体験になりました。
帰ってきて「琉球新報」も購読しはじめました。2日遅れで郵送されてきますが、全国紙で報道されないニュースが満載で、その落差にいまさらびっくりです。
きちんと報道せずに無責任な政治家批判ばかりの大手メディアにもいまさらがっかりです。
政治思想もジャーナリズムも、覚悟や信念が感じられるものには心動かされます。

レポートに関しては、後日出版されたらリンクを表示します。
よろしければごらんください。

離島は訴えます!

2010-04-13 13:38:09 | 島へのキモチ*Carin~o a Isla*
     ↑基地問題を考えるチラシのイメージです
     基地問題を考えるチラシ呼びかけ文面はこちら


またまた米軍基地問題です。

なぜそんなにこだわるのか。
それは、この問題が高レベル放射性廃棄物処分場や原発、大型風車などの問題と構造としてまったく同じだからです。

これは日本の地方全体の問題です。
一体「国」という実体の無いものと自分の今住んでいる島の未来と、どちらを大切にするべきなのか、島に住む一人ひとりが問われているのです。
「国家」のために人間ひとりの人権を踏みにじるとき、この国はもう一度大政翼賛会への道をはしりはじめるでしょう。

離島に住むひとりひとりの人権を平気で踏みにじる政府のために、離島だけが人の嫌がるものを我慢して受け入れなければならない理由はありません。

人がクニと口にするとき、それは「故郷」という意味で使う。クニを「国家」と言い換えたがるのはその気持ちを利用したい国家のほうだけだ・・・と半村良の小説で読んだときに、まさにそのとおりだと思いました。
人々が本当に大切にしたいのは「故郷」であって「国家」ではない。これは現実です。
みんなそれぞれの「クニ=故郷」のことを一生懸命かんがえて、お互いはげましあっていかなければ!
国家はその人々の気持ちと生活の延長にあるものでなければ人々にとって何の意味も無いのです。
国家のための国家なんて。
漁業協同組合が、漁民のためでなく漁協のための漁協になってしまったら意味が無いのと一緒です。

そんなことを考えて、この五島列島からこの問題を問いかけるチラシを作りました。
印刷してあちこちで配っています。

分かりやすい漫画がとっても好評なので、良かったらこの問題を身の回りに問いかけるツールとして使ってください!

絵は、私の同級生が意を汲んで描いてくれましたが、内容の全責任は私にあるので、マンガ面には連絡先・作画者の名前などをあえて入れていません。できれば呼びかけ文面とセットでお使いください。
A4両面で一枚のチラシになります

基地問題を考えるチラシ(マンガ面)のダウンロードはこちら
基地問題を考えるチラシ(呼びかけ文面)のダウンロードはこちら

その他ご参考
3月議会の一般質問の導入にも使ってみました。質問用の原稿です。

沖縄の問題について、考えるきっかけになったときのレポートです。
第7回全国地方議員交流会in沖縄レポート

離島から見ると

2010-03-31 12:47:24 | 島へのキモチ*Carin~o a Isla*
突然ですが
在日米軍基地の国内への移転に全面はんたーい!!

というと、「うちの町に関係ないのに何を突然・・・」という顔をされます。
でも、沖縄も離島(いや、独立島とでもいうべきですか)うちも離島。
離島の立場で普天間基地問題の報道を追いかけながらこの間、ずーっと頭に浮かんでいたのは「中央政府は一体、離島をなんだと思ってるんだろうか」という疑い。
基地の移転先、訓練の移転先、机で地図を眺めながら適当に口にしているんではなかろうかと思うくらい軽率に飛び出しますね。あちらこちらの離島の名前。
無人島ならともかく、どれも島という限られた陸地で海を相手に暮らしている人がちゃんといる場所。・・・という感覚がどこか抜け落ちているような議論。
離島ならば本土側の反対が抑えやすい??財源不足と不況と過疎にあえぐ小さな市町なら呼応する住民がいる??そして、政府に対抗するときにどうしても他の地域との連帯が難しい離島という事情??・・・それこそ忖度しそうになります。その下心。

と、いう個人的な憤懣を含めまして、私は非常に沖縄にココロ寄り添う気持ちで米軍基地問題を考えます。全国民がよくよく気をつけて見なければなりません。
政府が沖縄に対してとってきた態度・今後とる態度には、日本の離島(陸の孤島も含む)すべてに対する考え方がよくあらわれています
つまり何かあればわが島も政府に同じことされる。白羽の矢が立っていないだけ。という確信を持って、私はこの問題を見ています。

移転先を探す議論は無意味です。
問題は、米軍駐留の根拠となっている「日米安全保障条約」と、屈辱的な不平等条約「日米地位協定」にある。こんな条件では国内どこも受け入れられないのですから。
この二つの全面見直しまたは撤廃を議論にしなければ「住民の理解」なんて日本のどこを探しても出ないはずです。
これを議論せずに移転すること=イコール=政府の権力で「国益」(!?)のため地方の権利を踏みにじること
です。私は、地方の立場から「横暴だ」と思います。
でも、その横暴を許しているのは、私たち国民・・・中でも同じような立場に置かれているはずの地方離島の住民の無関心だと思うのです。

離島は、基地でも原発でも、一度受け入れてしまえば、それで問題が起こっても他に伝わりにくい危険をはらんでいます。
ちょうど、私たちが沖縄の苦悩を見過ごしてきたように。
だからなおさら
基地の離島への移転は特に!反対!
自分の島じゃなくても断固反対なのです。

在日米軍基地と日本の地方と上五島と

2009-12-12 12:16:08 | 島へのキモチ*Carin~o a Isla*
 まだまだ勉強し始めたところですが、町の財政について知ろうとするとまず地方交付税の仕組みが基本になってきます。地方交付税は国が作成する地方財政計画をもとに算定されてこの町にも交付されてきます。わが町の歳入は大半をこの交付税に頼っているので、今回の事業仕分けのような国の動きが直接的にこの町にも影響してくる場合があります。
 何ができるわけでもありませんが、私のようなものでも、新しい内閣の動きを今までになく興味を持って眺める毎日です。

中でも気になるのは普天間基地の移設問題です。
本年7月に沖縄に行った際に、沖縄が抱える問題が決して私たちの町と無関係ではないことを知りました。
 沖縄の現状を知れば、この基地と「国益(その中身もなぞですが)のための負担」は、もし、仮にうちの島に多額の保証金とともに持ち込まれても、我々住民には到底受け入れられない条件だと思います。これも「もし」ですが、県外移設となれば移設先の住民と国家との間には地位協定見直しを含めたものすごい条件闘争が待っているはずです。
 その、人権蹂躙の歴史に等しい条件の下でひとつの自治体が50年もの間なめてきた苦汁を、明日はわが身の危機感を持って私たちが受け止め、考えていかなければ、在日米軍基地の問題は前進しないと思います。また双方の国家にとって都合がいいからといって沖縄に押し付けて、また他の地方も知らん顔していたら、そのツケは必ず自分たちに回ってきます。
 なぜなら、この米軍基地問題も原子力政策も、規模は小ながら風車だって、「国益」の名の下に多くの人が嫌がるものをお金とセットにして人の少ないところに力づくで押し付けていこうとする構造という意味でよく似ているからだと思うからです。自立が苦しくなった地方の自治体が単独でこの権力構造に対抗するのはとてもとても大変なことかもしれません。
でも、自分たちの島の未来を考えるのは自分たちしかいないと腹をくくってやっていくしかないわけです。
 そんなときに力になるのはこの国のあちこちで、たとえば辺野古の浜辺で辺野古の明日のためにがんばっている人たちとお互いに声を掛け合っていくこと、端っこから、でも堅実に次の時代を作っていくことなんじゃないかなあ、と思っています。
沖縄に行って、「沖縄の楽しくない部分」も、もっとみんなに知ってほしいと思ってレポートを書きました。小難しいと思われた方は最後のページだけ読んでみてください。沖縄レポートはこちらからどうぞ(pdfです)