わたしは、思うのですが、ふりかえってみると、1980年代の途中から、ちまたでは一挙に商品・製品の品数、種類が増えました。
ブランド品が飛ぶように売れました。
いわゆるバブルの時代の始まりでした。テレビでは「男女7人秋物語」が、高視聴率を上げました。
ファショナブルな若い人が、おしゃれなカフェで、会話を楽しむのがカッコよく見えました。
この頃から、大量生産・大量消費、一億総中流社会が高度消費社会に変わっていきました。
「セレブ」ということばもこの後言われるようになったと思います。
さて、高度化した消費社会は、いまも続いています。
そして、一方では、格差社会がじわじわと進んできています。
いまの時代、人の価値は、その人が何をもっているかによって判断されがちな傾向があります。
このような物資主義に埋もれないように、親は子どもに、自らが信じる価値観を教えていきたいと思います。
親は、さまざまなメディアを通して流れてくる消費文化の価値観から、子どもを守らなければなりません。
一見魅力をそそり、人間の欲望を駆り立てる高度消費文化の中で、子どもたちは暮らしています。
しかし、お金や物があれば、友達も愛情も幸せも手に入るわけではないのです。
人の幸せは、そのようにして手にするものではない。
他者とかかわり、役に立つ実感が、その人の喜び、幸せ感を膨らませます。
教職は、ある意味、その実感を直接的に感じやすい仕事であると言えるかもしれません。
中学生はある程度、人として何を大事にして生きていくのかという価値観をもっています。
しかし、この高度消費社会の物資主義に惹かれやすいという心配があります。
バランス感覚をもった人になってほしいと、わたしは願います。