箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

「ほめてもらいたかった」

2016年08月07日 10時06分36秒 | 教育・子育てあれこれ


いまは亡き高倉健は、「鉄道員」(ぽっぽや)で映画賞をもらったとき、次のような印象的な言葉を述べられました。

「いただいた賞を真っ先に見せたかった父や母

は、もうこの世にいない。

『偉かったね』とほめてもらいたかった人はもう

いなくなっていた。でも、僕が、40数年辛抱して

走り続けられたのは、たとえ心の中だけになって

しまっても、母の顔とともに『辛抱ばい』という

言葉があったからだ」



「ほめてもらいたかった」と、実直に、素直に語る俳優、高倉健さんはやはりすごい人だと思います。

高倉健さんほどの大人でもそうなのだから、子どもの場合はなおさらでしょう。

たしかに、競争は必要です。ただし、それと切り離せないのは、勝敗にかかわらず、努力したことやがんばったことへのねぎらいが要ります。

ねぎらいとは「評価」です。評価とは、本来は序列をつけることではありません。

評価とは、励ますことです。負けても努力が認められれば、次へのやる気がわいてきます。

評価は学校の教師だけがするのではありません。まわりの友だち、とくに競争した相手からの温かい言葉や励ましは、もっと効果があります。

「協調」も、いっしょに苦労したり、競いあったりすることでより深まります。

たんなる仲良しグループでは、共生感は生まれてきません。

ともに苦労すること、ともに努力することで、お互いを尊重し、相手のことを思うことが、本来の「協調」です。