堅曹さんを追いかけて

2002年(平成14年)9月から先祖調べをはじめた速水家の嫁は、高祖父速水堅曹(はやみけんそう)に恋をしてしまったのです

講演『世界遺産を基本とする「街づくり」について』

2008-03-18 09:07:16 | 勉強会、講演会

17日は群馬県藤岡市へNHKチーフプロデューサー佐滝剛弘氏の講演を聞きに行ってきました。


 Cimg2657  Cimg2655_2 佐滝剛弘氏


『世界遺産を基本とする「街づくり」について』という演題です。

これは「高山社を考える会」の設立総会で行なわれました。

高山社とは明治時代、群馬の藤岡で養蚕技術を教え全国有数の教育機関となった組織の名前です。今回の世界遺産候補「富岡製糸場と絹産業遺産群」の中のひとつとして名乗りをあげています。

それを支援するかたちで有志が「高山社を考える会」を発足させました。



講演をしてくださった佐滝剛弘氏は本業のかたわら各国の世界遺産を200件あまり訪れており、著書『旅する前の「世界遺産」』(文春新書)もだされています。

そして昨年は『日本のシルクロード~富岡製糸場と絹産業遺産群~』(中公新書ラクレ)を出版されました。(ブログ記、昨年10月10日)


今回は高山社を世界遺産にと考える藤岡市の街づくりについて、世界遺産とはどういうものかということから入り、多くの事例を参考に街づくりのヒントとなる話をしてくださいました。

絹(シルク)は世界の歴史、文化に大きくかかわっており遺産として大変価値がある。現在、絹関係の世界遺産は3つ登録されている。(フランス、イタリア、スペイン)

群馬県は「富岡製糸場と絹産業遺産群」をシルクのシステムとして世界遺産にすることを目指している。

システムが世界遺産とされたのは2006年に登録されたものの中にもいくつかあり、例えばハンガリートカイのワイン産地の景観、モーリシャスの世界で初めての契約労働の関連施設、メキシコテキーラのお酒にまつわる文化や製造、である。

世界遺産に登録されることはそれだけで圧倒的なブランドとなり、観光地となってしまうが、街づくりとしてはそれだけが目的となってはいけないのではないか。

そこに住んでいる人たちが世界遺産をめざすことによりまとまっていき、地域の魅力をたかめ、地域に誇りを持てるようになることが大切である。

高山社の場合も藤岡市のメリット、デメリットをよく見極め、長い目でみて魅力ある地域となっていく街づくりをしていってほしい。

そして街づくりにとって大切なものは、核となる旗印の「種」、リーダーとなる「人」、タイミングをのがさない「時」であると考える。

佐滝氏の豊富な世界遺産の見識と具体的にわかりやすい事例を引き出しての説明はいつも納得のいく理解ができ、大変勉強になります。

常にジャーナリストの眼でものを捉え、文章を著し、話しをする佐滝氏の考え方、視点に謙虚な人柄と共に魅力を感じています。



「富岡製糸場と絹産業遺産群」は群馬県のめざす世界遺産ではあるけれど、これは近代日本のシルク産業すべてが世界に評価され、価値を認められることなんだとおもいました。

日本の世界遺産として登録されるのですから、視野は大きく、広く持って日本のシルクロードをみつめていくことが大切だと教えられました。


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