堅曹さんを追いかけて

2002年(平成14年)9月から先祖調べをはじめた速水家の嫁は、高祖父速水堅曹(はやみけんそう)に恋をしてしまったのです

「坂の上の雲」の伊藤博文邸室内

2009-12-21 03:24:17 | 日記・エッセイ・コラム

また一週間がたち、日曜夜「坂の上の雲」4回を見ました。

戦争の部分が多くなりそうなので、行った(写真も撮っている)ことのある場所はないかもしれない。

そうしたら、今回はどこもありませんでした、って書こう、ときめていました。



しかし、今回もありました!

先週にひきつづき、伊藤博文邸ですが、今回は室内です。

先週も部屋のなかが出てくるのですが、どうしてもそうだ、と確信がもてず、書けませんでした。


ドラマの始めのほうです。

石坂浩二扮する山本権兵衛が伊藤邸に来て、

伊藤博文と陸奥宗光が室内の階段を2階からドヤドヤと降りてきますね。

あの部屋です。

石坂さん海軍の白い軍服がよくお似合いです。


その山本権兵衛が伊藤と陸奥にイギリス商船「高陞号」を撃沈したことを報告すると

伊藤が驚愕して「東郷平八郎を直ちに罷免じゃ!」とどなる場面。



あの部屋は先週と同じ横浜の三溪園です。

内苑にある「臨春閣」という建物の中の「天楽の間」です。


Cimg0983_2 「臨春閣」 奥の2階屋に「天楽の間」がある


この部屋は室内にある階段の入り口に特徴があり、すぐにわかりました。

火灯窓(かとうまど)というらしいですが、たいへんに変わった入り口です。

あの階段はとても幅がひろく、緩やかに左に折れて二階に上るのですが、

踏み面や蹴上げもよく計算されて、空間もひろく、とても上り下りがしやすかったのを覚えています。

だから伊藤と陸奥の大人二人がドドドっと下りてくるのも撮影できたんでしょう。


2da2e1ac54a416ec3adbll 階段入り口 火灯窓のかたち

「臨春閣」は江戸時代の建物で和歌山市にあった紀州徳川家の別荘だったといわれています。

原三溪が明治後期から大正時代にかけて横浜の三溪園に移築しました。

室内は狩野派の襖絵がはめられ、欄間も意匠の凝ったものばかりです。

「天楽の間」は本物の笙と笛がはめられています。


57c20571c4a6cc60b773ll 天楽の間 狩野派の襖絵と笙の欄間



今回は映像のなかでその欄間が映し出され、やはり「天楽の間」だ、と確信できました。

そうかんがえると、先週の伊藤博文邸の室内の場面もこの部屋だったとわかりました。

伊藤と陸奥が二人で話し合っていて、

「今でも高杉さんに怒鳴られる夢をみるのよ」と伊藤が語る場面です。

その時は夜の設定で、ランプの明かりで部屋が薄暗く、欄間も階段の入り口もはっきりみえませんでした。


本当は二間つづきの和室ですが、

撮影では襖をあけ、椅子やテーブルを置いて2つの洋室のように使っています。

「臨春閣」は重要文化財に指定されていて、普段は中は公開されていません。

そんな貴重な建物で「坂の上の雲」は撮影されているんです。

なんて贅沢なんでしょう。

でもお陰で、どの場面もセットではあらわせない重厚な雰囲気にあふれています。


今回面白かったのは、「ねずみ公使」といわれた竹中直人扮する小村寿太郎の場面。

ロケ地ばかりでなく、俳優も贅沢に使っていますね。


さあ、来週で第1部がおわります。

また行ったことのあるロケ地はでてくるでしょうか。

心配だから、来週までにつくばみらい市のワープステーションに行ってきちゃおうかな。