堅曹さんを追いかけて

2002年(平成14年)9月から先祖調べをはじめた速水家の嫁は、高祖父速水堅曹(はやみけんそう)に恋をしてしまったのです

講演「日本の蚕糸業を残す意義」

2008-03-12 11:20:16 | 勉強会、講演会

11日は前橋の群馬県庁でおこなわれた、富岡製糸場世界遺産伝道師協会の研修会「日本の蚕糸業を残す意義」という講演会に行ってきました。


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講演をしてくださったのは、群馬県立日本絹の里館長の村上毅氏です。

蚕糸業のたいへん危機的な状況をあらわしたタイトルです。やはり関心の高い事柄だからでしょう、大勢の参加者でした。


蚕糸試験場に就職してから一貫して蚕糸の研究(専門は桑)をなさってきた氏の学識と経験に裏打ちされた、現在の蚕糸業への提言が語られました。

蚕は人の手をはなれては育たない唯一の昆虫であり、それ故人口ふ化などの研究がすすんだ。

良質の生糸生産に対して対応できる蚕の研究は盛んになり、日本の遺伝学を大きく発展させた。

蚕をつうじてのいままで積み重ねてきた研究は蚕糸業の衰退と共に終わらせてはならない。

蚕の「遺伝資源」は日本の財産であり、多方面への研究の可能性と価値があることを認識してほしい。



日本の蚕糸業は単に輸出製品としての生糸の存在ばかりに目が向きがちですが、蚕の研究なくして発展しえなかったことを再認識させられました。

明治から昭和30年代まで栄光につつまれた日本の蚕糸業は多くの分野の研究、努力の賜物である視点をわすれてはならない。そしてそれは現在日本で蚕業が衰退しても生かされる財産や経験として残っていることを教えられました。

 

具体的な対策や国の方針は前向きではないのかもしれませんが、生糸の街であった前橋から、富岡製糸場を擁する群馬から蚕糸業をのこしていく道筋をつけていければとおもいました。