ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」・・・ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

ロックバルーンは99 (99Luftballons)

2008年06月03日 | 自分的名盤名曲
 

ロックバルーンは99 (99Luftballons)
■1983年
■ドイツ語詞…カルロ・カーゲス(Carlo Karges)
■英語詞………ケヴィン・マクエリア(Kevin McAlea)
■作曲…………ウヴェ・ファーレンクローグ・ペーターゼン(Uwe Fahrenkrog Petersen)
■発表…………1983年
■最高位
  アメリカ(ビルボード)2位(1984年3月3日)
  ドイツ1位、スイス1位、オーストリア1位、ベルギー1位、イギリス1位、オランダ1位、スウェーデン1位、ポーランド1位、
  ニュージーランド1位、オーストラリア1位、カナダ1位、メキシコ1位、コロンビア1位、ノルウェイ4位、スペイン10位
  日本(オリコン)16位
  1983年ドイツ年間2位、1984年ビルボード年間28位
■歌・演奏………ネーナ(Nena)
  ☆ネーナ・ケルナー(Gabriele Susanne "Nena" Kerner/vocal)
  ☆カルロ・カーゲス(Carlo Karges/guitar)
  ☆ウヴェ・ファーレンクローグ・ペーターゼン(Jörn-Uwe Fahrenkrog-Petersen/keyboars,synthesizerd)
  ☆ユルゲン・デーメル(Jürgen Dehmel/bass, keyboards,synthesizer))
  ☆ロルフ・ブレンデル(Rolf Brendel/drums, percussion)
試聴はこちら(11曲目)


 「ロックバルーンは99」はドイツのバンド、「ネーナ」が放った大ヒット曲です。「ネーナ」はバンドの紅一点であるヴォーカルのネーナ・ケルナー(本名ガブリエレ・ズザンネ・ケルナー)が、ギターのカルロ・カーゲスやベースのユルゲン・デーメルらと1982年に結成したバンドです。ちなみに「ネーナ」とは「小さい女の子」という意味だそうです。
 1982年8月にドイツの人気番組「Musikladen」に出演、デビュー曲「夢を見ただけ」を演奏すると、それを聴いたティーン・エイジャーがレコード店に殺到、ドイツのチャートで1位となりました。


 「ロックバルーンは99」はネーナの第二弾シングルです。デビュー・アルバムがドイツで100万枚以上のセールスを記録する中、1983年10月にアメリカ・カリフォルニアのラジオ局KROQが「ロックバルーン」をオン・エア。翌84年になると全米300以上のステーションでエア・プレイされるようになり、ドイツ語の曲としては史上初めて全米トップ40入りを果たします。
 同年2月には全英チャート1位、3月には全米チャートで「99 Red Balloons」というタイトルの英語ヴァージョンが最高2位にランクされました。なおこの曲は、英米以外でもスイス、オーストリア、オランダ、スウェーデン、ポーランド、ニュージーランド、オーストラリア、日本、カナダ、メキシコ、コロンビアなどでも1位を記録、世界規模での大ヒットとなりました。
 声もキュートだし、ルックスもキュート。曲もカッコいいし、これで人気の出ないわけがありません。


     

 
 ふんわり入ってくるキーボードに乗ってゆるやかルバートでに歌い始めるネーナ。そしてベースとドラムが重い8ビートを刻みはじめると、それにギターとキーボードのリフが絡んできます。ドラムスのリードでテンポが倍になり、軽快な演奏をバックにしてネーナがキュートに歌っています。まだ幼さが残っている声がとても新鮮に聴こえます。ニュー・ウェイヴ感覚のある、とても楽しいパワー・ポップです。耳馴染みのよいメロディーに弾けるビート。またドイツ語特有のゴツゴツした語感の固さは感じられないので、スッと耳に入ってくる感じです。
 曲調は明るいロックン・ロールですが、歌詞の内容は寓話的な反戦歌です。でも気取りのない、愛すべきロックン・ロールだと思います。
 なおこの曲は、ローリング・ストーンズのライヴを観に行ったメンバーが、ステージ上で飛ばされるたくさんの風船にインスパイアされてできたものだそうです。


 アメリカでヒットしたのは、どうも「ロックバルーン」だけのようで、そのためネーナを一発屋と見なす向きもあるようですが、どうしてどうして、この後に出した「レッテ・ミッヒ」や「?(クエスチョン・マーク)」なども佳作で、日本でもスマッシュ・ヒットしています。


 2003年には、バラエティ番組の「笑う犬の情熱」のオープニングテーマとして使われたほか、2000年にはアメリカのパンク・ロック・バンドのGoldfinger(ゴールドフィンガー)による同曲のカバーが、自動車ホンダ・CR-VのCM曲として使用されて日本でヒット、ヨーロッパでも大ヒットを記録しています。
 耳にする機会が多かったこの曲、知っている方も多いのではないでしょうか。


     


 「ネーナ」は1987年に解散しました。ネーナ・ケルナー自身は、バンド解散後の1989年からソロ活動を続けていましたが、ヒット曲に恵まれず、次第に忘れられた存在になってゆきました。
 ところがドイツにおける'80年代ブームの中、2002年に「ネーナ」の元キーボード、ウヴェ・ファーレンクローク・ペーターゼンと組んでかつての大ヒット曲「ロックバルーンは99」を新ヴァージョンで発表するとこれに火がつき、奇跡的なカムバックを果たしました。


 2005年にはシングル「Liebe ist」を発表すると、この曲はなんと「ロックバルーンは99」以来22年ぶりにドイツでのチャートで1位を記録しました。アルバム「Willst du mit mir gehn」もヒットチャート2位を記録しています。
 ネーナは今でもドイツで現役シンガーとして活動しているようです。




【ロックバルーンは99】
時間があったら歌ってあげる 99の風船
100に1個足りない風船の歌よ

煙った地平線の向こうで
あなたは今 私のこと考えているかな

時間があったら歌ってあげる 99の風船
100に1個足りない風船の歌よ
くだらないことは くだらないことから生まれるのね
そういうことは、つまり、そういうこと、ってね

99個の風船が地平線に浮かんで 誰かがUFOだって言ったら
兵隊のボスは警告するために 兵隊を送り込んだんだ

でも地平線には 99個の風船だけ

99の戦闘機が イカしたパイロットを乗せて
カーク船長気取りで突撃したけど 花火があがったよ
やったなってみんな思ったけど 地上からも同じことね
99の風船めがけて発砲よ、発砲よ

99人の大臣たち マッチ棒とガソリンをちらつかせ
権力を追っかけた 誰もこんなこと、思ってもみなかった

99個の風船くらいで

99年の戦争 勝ったってもう国はなくなるし
大臣たちももういない ジェット戦闘機の影もない

私はいつもの道を行く 
ガレキの街の片隅に 風船を1個見つけたよ

あなたのこと思いながら 空へ飛ばしたよ



ネーナ『ロックバルーンは99』






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10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (yosi)
2008-06-03 16:18:20
この歌、私大好きでした
yosiさん (MINAGI)
2008-06-03 17:03:06
ドイツのロックというと、四角張って小難しいというイメージがあったんですが、この曲はそんな先入観を見事にひっくり返してくれました~。カッコいい曲ですよね(^^)。
グーテン・ターク♪ (Nob)
2008-06-04 12:50:35
私の場合ドイツというと、
ジンギスカーン、アラベスク・・・
ノー天気サウンドを思い浮かべてしまいます。
結構、好きだし(汗)
こちらは普通なんですか?
写真を見たら、全員女子かと思いました~
Nobさん (MINAGI)
2008-06-04 13:45:15
ニーハオ!
あ、そうか~、そっち方面(ディスコ)のサウンドがありましたね。
ジャーマン・プログレなどを聴いてしまうとどうも小難しいイメージを抱いてしまって・・・(汗)。
ノー天気サウンドは何も考えずに楽しむことができるからぼくも好きでーす。
「ネーナ」はオーソドックスなロック・バンドですよ~
写真によれば全員男子にも見えます(^^;)。
反戦歌? (オンデン1970)
2008-06-05 15:17:06
ドイツ版バンドエイドというのをベストヒットUSAで見たことがあるけど、やたら暗くてネーナしかわからなかったわ(苦笑)
寝ーな。 (lavender80)
2008-06-05 17:18:49
この曲しか知りません(^^;)
その昔、仕事帰りにストーンズのライブ映画を見に行ったら、思わず爆睡してしまい、
目覚めると、風船がたくさん飛んでいました。
なんと、もうエンディングとは…(-_-;)

オンデン1970さん (MINAGI)
2008-06-05 22:07:47
反戦歌だったんですね~。真っ向から「戦争反対!」と叫ぶんじゃなくて、「戦争ってアホらしいね~、ムナシイね~」と歌ってる感じですね。
ドイツ版バンドエイドってのもあったんですか~ ドイツのバンドってあとクラフトワークやスコーピオンズ、アクセプトぐらいしか分からない・・・(^^;)
lavender80さん (MINAGI)
2008-06-05 22:20:38
ネーナは「ロックバルーン」だけ、という人、かなり多いみたいです。ぼくはそのあとのシングル「?(クエスチョンマーク)」もかなり好きでした~

>仕事帰りにストーンズのライブ映画を見に行ったら、思わず爆睡
 よっぽど疲れていたか、よっぽど退屈だったか、よっぽど心地よかったか、のどれかでしょうか。ストーンズのライヴだもん、きっと心地よかったんでしょうね。でも映画代損した感じ?(^^;)
Unknown (波野井露楠)
2008-08-09 09:01:33
ご無沙汰しています。
こういう歌詞だったんですね!
当時中1くらいだった私は、友達と耳で聴いたまま「ナイナ ナーイナー ルッパローン~」なんてでたらめ歌って楽しんでました(笑)。
キャッチーなメロディーが大好きでした。
でも、今回歌詞の意味を知って、もっと好きになりました!
ありがとうございました(^^)!!
波野井露楠さん (MINAGI)
2008-10-05 21:03:41
返事がたいそう遅くなりまして申し訳ありません~(大汗)
そうなんですよ。ハードながらとてもキャッチーなメロディーなので、ハッピーな曲かと思っていたら、結構政治的というか、現代のある一面を皮肉っている歌詞だったんですね。
曲だけ聴いてるととてもノリノリなんですよね。
ドイツ語っていうと「イッヒ・リーベ・ディッヒ」「グーテンターク」くらいしか知らないので、当時は歌詞の内容を推測することすらできませんでした(^^;)

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