ある音楽人的日乗

「音楽はまさに人生そのもの」・・・ベーシスト皆木秀樹のあれこれ

シングル・カットされていないビートルズの名曲20撰

2019年08月18日 | 自分的名盤名曲

【Live Information】


 伝説のロック・バンド、ビートルズ。
 デビュー以来57年、解散してから49年が経っていますが、彼らの創った曲の数々は未だに光彩を放ち続けています。
 なんといっても、ポール・マッカートニー&ジョン・レノンという偉大なコンポーザー・チームを擁しているだけあって、「名曲」と称賛されている作品は枚挙にいとまがありません。
 全英もしくは全米チャートで1位を獲得したのは実に24曲を数えます。
 

 「ビートルズのシングル・レコードはB面も聞き逃せないので、ほかのシングル・レコードよりもお得だ」という意味の言葉も広く伝わっています。もちろんこれに疑い差し挟む人なんてほぼいないでしょう。
 そのくらいビートルズの曲には、シングル・カットされているかどうか、あるいはシングル・レコードのA面B面に関係なく、印象に残る名曲佳曲が連なっているんですね。
 そこで、バンドが実質的に解散(ポールが脱退)した1970年4月10日までに、イギリス、アメリカ、日本でシングルとしてリリースされていないものの中から、ぼくの好きな曲をピック・アップしてみました。どれもヒット・チャートを賑わす曲と遜色ないんじゃないかと思います。
 こうしてみると、「ホワイト・アルバム」に入っている曲が目立ちますね~


 実は、シングル・カットされていない曲のベスト20を選ぶ、という作業はなかなかに難しいものでした。
 つまり、ビートルズの作品の中で駄曲を見つけるのはかなり難しい、ってことですね。



20位 ミッシェル/Michelle (McCartney) [収録アルバム・・・ラバー・ソウル]
 せつなくエレガントなメロディが印象的なバラードで、シングル・カットはされていないものの1967年度のグラミー賞最優秀楽曲賞を受賞しています。フランス語を使っているところがユニークですが、そのフランス語の部分の発音がとてもまろやかに聞こえるので、ロマンチック感が増したような雰囲気になりますね。ロマンチックといえば、「I love you」の繰り返しもそうですね。

19位 グッド・ナイト/Good Night (Lennon) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]   
 ジョンが息子ジュリアンのために作った子守唄。ビートルズでレコーディングに参加しているのは、ボーカルをとっているリンゴだけです。リンゴ独特の低く穏やかな声はこれ以上ないくらい曲にマッチしています。静かな夜、平穏、なにげない幸せ、そんな言葉が聴いているぼくの頭に浮かんできます。
 アルバム「ザ・ビートルズ」30曲中のクロージング・ナンバーです。29曲目がアヴァンギャルドな「レヴォリューション9」なので、この「グッド・ナイト」が醸し出す静けさがひときわ引き立っています。

18位 ハピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン/Happiness is a Warm Gun (Lennonn) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]
 3つの部分からできている曲です。ふたつ、あるいはそれ以上のパートから成り立つメドレー風の曲を作るのはポールがよく使う手法ですが、この曲はジョンの作品です。しかし3つの部分とも、ジョンらしいちょっと尖ったイメージがにじみ出ている気がします。4/4拍子と3/4拍子が交錯するところもビートルズらしいユニークな仕掛けです。

17位 アクロス・ザ・ユニヴァース/Across the Universe (Lennon) [収録アルバム・・・レット・イット・ビー]
 とても思索的で、ジョンの価値観がはっきり出た歌詞を持つ美しいバラード。ジョンは、自作の歌詞の中でこの曲を最高だとしています。「Nothing's gonna change my world (何ものも私の世界を変えることはできない)」という部分と、マントラ(仏に対する賛美や祈りの言葉)の「Jai Guru De Va Om… (我らが導師、神に勝利を)」という部分がとても印象的。

16位 ヘルター・スケルター/Helter Skelter (McCartney)  [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ] 
 ヘヴィ・メタル・ロックの源流のひとつと言われている、ビートルズのオリジナルの中で最もラウドな曲。重苦しいギターのリフ、ポールのシャウト、これぞハード・ロック。エンディング前にいったんフェイド・アウトしてからのフェイド・インは、アート・ロック花盛りだった当時らしい仕掛けです。エンディング前のわめき声なんか実にパンクです。それにしてもポールのボーカルって甘いバラードからこういうワイルドなものまでとても幅広くマッチしますね。いまさらながらの驚きです。

15位 アイヴ・ガッタ・フィーリング/I've Got A Feeling (Lennon=McCartney)  [収録アルバム・・・レット・イット・ビー]
 R&Bフィーリング漂うヘヴィなナンバー。ポール作の部分とジョン作の部分を繋ぎ合わせた曲だそうです。ギターによるイントロのアルペジオがとても印象的で、何事かが起こりそうな予感をかき立ててくれます。ポールのシャウトはやっぱりカッコいい!

14位 ア・デイ・イン・ザ・ライフ/A Day in the Life (Lennon) [収録アルバム・・・・サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド]
 ビートルズのオリジナルの中では最も壮大な雰囲気のする曲じゃないかな。淡々と何かを語りかけるような、やや抑え気味のジョンのボーカルの存在感の大きさ。多少効いているリバーブの影響で、なんだか夢の中で聴いているような錯覚に陥ります。そしてリンゴのドラムの盛り上げ方と、オーケストラを使ったアレンジは絶妙。どんどんボルテージが上がるエンディング前と、最後のコードのコントラストからは、えも言われぬ衝撃を受けます。ドラッグ・ソングとも見なされたサイケデリックな曲です。

13位 ドライヴ・マイ・カー/Drive My Car (McCartney) [収録アルバム・・・ラバー・ソウル]
 野性味あふれるポールのボーカルが魅力の、ソウルフルでエキサイティングなナンバー。ギターと少し歪んだベースのユニゾンからなるリフ、カウベルが刻むリズムが独特のグルーヴを生み出しています。ハード・ロックの原型と言ってもいいんじゃないかな。

12位 ヤー・ブルース/Yer Blues (Lennon) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]  
 ジョンの作ったブルース・ロック・ナンバー。当時(1968年)の「猫も杓子も状態」だったブリティッシュ・ロック界のブルース・ブームを皮肉った曲だそうです。このビートルズ流ブルースはヘヴィで、迫力充分。8分の6のリズムが途中でブギーで変わるところなど、ビートルズらしい仕掛けだと思います。そして凄味のあるボーカル、これはまさにジョンの本領発揮といったところでしょう。

11位 トゥモロウ・ネヴァー・ノウズ/Tomorrow Never Knows (Lennon)  [収録アルバム・・・リヴォルヴァー]
 「サイケデリック」の一語につきます。一種病的というか、「毒」とは言わないまでも得体の知れないものに虜になりそうで怖い感覚というか、耳の奥に刻みつけられて消えないというか、妖しく不思議な感覚に導かれて離れられなくなりそうな、そんな空気に満ちています。
 ループやサンプリング、テープの逆回転などの技術を駆使するほか、ボーカルをレスリー・スピーカーにつないで変化する音波の振動をうまく利用したり、タンブーラ(インドの弦楽器)を使うなど、アイデア満載です。
 奏でられるコードがCメジャーのみのワン・コードであるところや、スネア・ドラムの入る位置が3泊目の裏であるところ(独特のグルーヴ感を出している)、これらを延々続けることで、リスナーをいわゆる「トリップ」した状態、あるいは一種の「トランス」状態に落とし込んでいるのだと思います。

10位 ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア/Here, There and Everywhere (McCartney)  [収録アルバム・・・リヴォルヴァー]
 『リヴォルヴァー』きっての名バラード。作者のポールが「自分自身の最高傑作のひとつ」と言い切っているほか、ジョンやプロデューサーのジョージ・マーティンもこの曲を絶賛しています。
 牧歌的な雰囲気の漂うラヴ・ソングで、ジャズ系のミュージシャンにもよく取り上げられています。「この曲にはこれしかない」、という個性的なイントロがこれまた素晴らしいです。
   
 9位 バック・イン・ザ・U.S.S.R./Back In The U.S.S.R. (McCartney)  [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]    
 ビートルズ特製のハード・ロック・ナンバー。アルバム「ザ・ビートルズ」の1曲目に収録されていて、イントロのジェット機のエンジン音で一気にテンションがあがります。とにかくロックしまくるハードなナンバー。ビーチ・ボーイズっぽいコーラスと、ハナウタで歌えるフレンドリーなメロディが楽しいなあ。実際にビーチ・ボーイズがライブで演奏していたこともあったそうです。

 8位 サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド/Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (McCartney) [収録アルバム・・・サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド]
 オーケストラのチューニングと客席のざわめきのSEから始まるこの曲は、いきなりトップ・ギアに入ったかのようなポールのワイルドなボーカルによってハイ・テンションに導かれます。間奏までの流れがとにかくカッコ良くて、そこだけを何度繰り返して聴いたかなあ。
 そしてフレンチ・ホルンによる間奏が「ペパー軍曹の」というだけあって軍楽隊ぽくてどことなくユーモラスで。そしてエンディングへ向かってさらにボルテージの上がるポールのボーカルで、聴いているぼくはまさにノックアウトされてしまいます。

 7位 夢の人/I've Just Seen a Face (McCartney) [収録アルバム・・・ヘルプ!]
 フォーク、あるいはカントリーの芳醇な香りにちょっとウキウキしてしまう、アコースティックな曲です。ポール、ジョン、ジョージの3人が弾くアコースティック・ギターと、リンゴがブラシで叩くスネア・ドラムだけで録音されていて、爽快感と疾走感に満ちています。

 6位 ヘイ・ブルドッグ/Hey Bulldog (Lennon) [収録アルバム・・・イエロー・サブマリン]
 ハード・ロック調のリフを持つジョンの曲。ジョン独特のとんがったボーカルがちょっとバイオレンスな感じを醸し出していて、思わずそそられちゃいます。

 5位 オール・マイ・ラヴィング/All My Loving (McCartney) [収録アルバム・・・ウィズ・ザ・ビートルズ]
 ポールの代表作のひとつ。ジョンに「悔しいほどいい曲だ」「ポールには完璧な作曲の才能がある」と言わしめました。ビートルズがアメリカの人気番組「エド・サリヴァン・ショウ」に初出演した時に演奏したのがこの曲です。この時テレビを観たのは全米総人口の72%でした。また、ビートルズ出演時には少年犯罪発生率が低下した、という話が残っています。ポールとジョンのハーモニー、ジョンのオルタネイト・ピッキングによる3連符のカッティングが印象的な、爽やかでちょっぴりせつないナンバー。

 4位 サヴォイ・トラッフル/Savoy Truffle (Harrison) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]
 ジョージが、親友エリック・クラプトンの虫歯を「イジった」曲。いろいろなチョコレートの名前が連なる歌詞とはうらはらに、曲は6本のサックスからなるディストーションの効いたサックス・セクションと、ジョージのギターのアンサンブルがとてもロックでカッコいいのです。バックで薄くコードを弾いているオルガンもプログレ風でいいなあ。かなりグルーヴィーなロック・ナンバーで、ぼく的にはむかしからとても好きな曲なのです。

 3位 オブラディ・オブラダ/Ob-La-Di, Ob-La-Da (McCartney) [収録アルバム・・・ザ・ビートルズ]
 風変わりなタイトルは、当時ポールが遊びに行っていたナイト・クラブに出演していたナイジェリア人パーカッショニストの口癖から。レゲエ風味のたいへんポップな曲で、カヴァー・ヴァージョンも数多く、親しみやすいメロディは広く知られています。日本でもNHKの「みんなのうた」で取り上げられたり、さまざまな児童合唱団によって歌われたりしています。1975年には佐良直美が紅白歌合戦でこの曲を歌いました。

 2位 イン・マイ・ライフ/In My Life (Lennon) [収録アルバム・・・ラバー・ソウル]
 ジョンが、故郷リヴァプールでの思い出について歌っている曲。そのせいか、ベタつかないセンチメンタリズムやほどよいノスタルジーが伝わってきて、なんだかシミジミしてしまいます。ジョージ・マーティンが間奏で弾いているバロック風のピアノが、なんともノスタルジックでいいんだなあ。この間奏、演奏が難しかったために速度を落として録音し、元の速度で再生しているのですが、そのためにチェンバロのような音色になっています。

 1位 オー・ダーリン/Oh! Darling (McCartney) [収録アルバム・・・アビイ・ロード]
 ビートルズの曲の中でもぼくが大好きな曲です。オールディーズな雰囲気もする6/8のロッカ・バラードで、なんといってもポールのワイルドで、情感あふれるボーカルが素晴らしい。でもジョンはのちに、「これはぼくが歌った方が合う」と発言しています。じっさいジョンの本質はロックンローラーとも言えるので、そのスピリットと独特のアグレッシヴな歌声はたしかにこの曲にマッチしているような気がします。ジョンのヴァージョンがあれば絶対に聴いてみたいんですけどね。


 このほかにも「ゴールデン・スランバー~キャリー・ザット・ウェイト」、「ガール」、「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」などなどがあったりして、とても選びきれません。
 そして、実際には順位付けなんてムリですね。好きな曲の「(例えば)A群」「B群」「C群」があるような感じです。
 また、シングルのB面にも「レヴォリューション」、「ドント・レット・ミー・ダウン」、「レイン」などなどの名曲がたくさんあったりして、ビートルズがいかに素晴らしいかを改めて思い知らされた気分になりました。




 


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