早寝して、夜中になるといつものように目が覚める。
それから長い長い時が始まる。
実はこんな時が一番充実しているとき。
本を読んだり・・・それにも疲れたら・・・またまた転寝したり、
気が向いたら起きてパソコンしたり、こっそり酒を飲んだり。
そうそう、夜明けまでとっても充実した時間を過ごす。
ところがある夜、玄関の戸がかすかに揺れる。
・・・なんか音がする。
おかしいなぁ~落ち葉が戸のガラスにあたったのだろうか?
でも風は強くないし・・・
すると・・・またしても聞こえる。
頼りなげに・・・
こつ、こつ、こつ・・・と。
面倒くさいなぁ~ほっとけ!
ところが今度はさらにさらに強く、こつこつこつ!!
さすがにこれでは誰か来たのだな~と思わざるを得ない。
でも今、夜中だよ?
今どき来るのは鹿か猪、あるいは変質者?
やっぱりここは知らんふりするに限る。
ところが、うむ、いかん!
もしかしたら鍵をかけていなかったかもしれない?
というかここは田舎、いつもあまり真面目に鍵をかけない。
それに・・・鹿や猪だったら戸を開けて、
「今晩は~!」といって入ってくることはまずないだろう。
なんせ前後の動きは得意だけど、左右は苦手。
前足を片足上げて戸を開け「今晩は~」という動きができる鹿や猪を見たことはない。
そむ、いかんそれでは、変質者か?
もしもそうだったらこれはかなわない!でも知らんふりするわけにもいかないだろう。
でも・・・このままほっとくわけにもいかない。
そこで、思い切って、酔いの勢いに後押しされて、恐る恐る、
「あのう・・・どなたですか?」
「お迎えに来ました・・・」
変だなぁ~タクシー頼んだ覚えないのだけどなぁ~
救急車も頼んだ覚えはないのだけどなぁ~
ちょっと躊躇した後かなり躊躇した後、恐る恐る戸を開けると、そこにはいかにも見すぼらしい貧相なやつが佇んでいる。
えっ?乞食?近頃は乞食も深夜営業をしているのだろうか?
深夜手当ちゃんともらっている?
するとこの変な来客者はむっとして答える。
「乞食じゃない!」
どうやらこちらの心の中を読めるらしい。
「えっ、いえいえ、どうも、そのう~」
しかし、いったい誰なんだろう?こんな夜中に・・・
そこで、ふと気づいた、はたと気づいて、もしかしたらこれ貧乏神?
そういえばいかにも見すぼらしい衣装、やせこけた頬、
いかにも文無し、いかにもこの数日何にも食べてない・・・そんな感じがした。
だとしたら来るところを間違ったんじゃない?
我が家なんてとっくに貧乏神に取りつかれているからね。
もうこれ以上、脛も肘も取りつかれるところなんてないよ。
するとさらにむっとして答える「貧乏神なんかじゃない!」
とってもプライドを気づつけたようだ。
「でもねぇ~、その姿、薄汚れしたその恰好、
どう見ても貧乏神にしか見えないのだけどなぁ~」
そういうと今度はすっかりしょげて、
「そうなんだよね、誰も信用してくれない、それで近頃はこんなものを用意しているのだよ」
といって名刺を差し出す。
そこには一言だけ「死神」と書いてある。
表にも裏にも住所も電話番号もメールアドレスも書いていない。
これじゃよけい誰も信用しないだろう。
せめて免許証とかマイナンバーカードとかないの?
するとますますしょげて、「そんなもの何にもないんだよ・・・ほんと近頃商売やりにくくなったよ」
「そうかそうだよね・・・ところで今日は何しに・・・ここに・・・来たの?」
・・・とおそれおそれ聞くとたちまち元気になって、
「迎えに来たのだ!今日が、今が、今生の別れ、覚悟しろ!これが目に入らぬか!!」
・・・とばかり片手に持った大きな大きな砥ぎすまされたピカピカな鎌が目に入る。
今まで気づかなかった。
そうか貧乏神じゃなかったんだ。
(聞かなきゃよかった・・・と思いつつ)
「すご~~~い!その鎌、良く切れそうだね、ちょっと貸して!」
「うむ、いかん!これは商売道具、貸すわけにはいかん!」
と嫌がる死神の鎌を無理やり取り上げ・・・
うむ!いかん!!・・・だんだん酔っぱらってきた。
続きはまた明日です。
うぃ~~~!!!
それから長い長い時が始まる。
実はこんな時が一番充実しているとき。
本を読んだり・・・それにも疲れたら・・・またまた転寝したり、
気が向いたら起きてパソコンしたり、こっそり酒を飲んだり。
そうそう、夜明けまでとっても充実した時間を過ごす。
ところがある夜、玄関の戸がかすかに揺れる。
・・・なんか音がする。
おかしいなぁ~落ち葉が戸のガラスにあたったのだろうか?
でも風は強くないし・・・
すると・・・またしても聞こえる。
頼りなげに・・・
こつ、こつ、こつ・・・と。
面倒くさいなぁ~ほっとけ!
ところが今度はさらにさらに強く、こつこつこつ!!
さすがにこれでは誰か来たのだな~と思わざるを得ない。
でも今、夜中だよ?
今どき来るのは鹿か猪、あるいは変質者?
やっぱりここは知らんふりするに限る。
ところが、うむ、いかん!
もしかしたら鍵をかけていなかったかもしれない?
というかここは田舎、いつもあまり真面目に鍵をかけない。
それに・・・鹿や猪だったら戸を開けて、
「今晩は~!」といって入ってくることはまずないだろう。
なんせ前後の動きは得意だけど、左右は苦手。
前足を片足上げて戸を開け「今晩は~」という動きができる鹿や猪を見たことはない。
そむ、いかんそれでは、変質者か?
もしもそうだったらこれはかなわない!でも知らんふりするわけにもいかないだろう。
でも・・・このままほっとくわけにもいかない。
そこで、思い切って、酔いの勢いに後押しされて、恐る恐る、
「あのう・・・どなたですか?」
「お迎えに来ました・・・」
変だなぁ~タクシー頼んだ覚えないのだけどなぁ~
救急車も頼んだ覚えはないのだけどなぁ~
ちょっと躊躇した後かなり躊躇した後、恐る恐る戸を開けると、そこにはいかにも見すぼらしい貧相なやつが佇んでいる。
えっ?乞食?近頃は乞食も深夜営業をしているのだろうか?
深夜手当ちゃんともらっている?
するとこの変な来客者はむっとして答える。
「乞食じゃない!」
どうやらこちらの心の中を読めるらしい。
「えっ、いえいえ、どうも、そのう~」
しかし、いったい誰なんだろう?こんな夜中に・・・
そこで、ふと気づいた、はたと気づいて、もしかしたらこれ貧乏神?
そういえばいかにも見すぼらしい衣装、やせこけた頬、
いかにも文無し、いかにもこの数日何にも食べてない・・・そんな感じがした。
だとしたら来るところを間違ったんじゃない?
我が家なんてとっくに貧乏神に取りつかれているからね。
もうこれ以上、脛も肘も取りつかれるところなんてないよ。
するとさらにむっとして答える「貧乏神なんかじゃない!」
とってもプライドを気づつけたようだ。
「でもねぇ~、その姿、薄汚れしたその恰好、
どう見ても貧乏神にしか見えないのだけどなぁ~」
そういうと今度はすっかりしょげて、
「そうなんだよね、誰も信用してくれない、それで近頃はこんなものを用意しているのだよ」
といって名刺を差し出す。
そこには一言だけ「死神」と書いてある。
表にも裏にも住所も電話番号もメールアドレスも書いていない。
これじゃよけい誰も信用しないだろう。
せめて免許証とかマイナンバーカードとかないの?
するとますますしょげて、「そんなもの何にもないんだよ・・・ほんと近頃商売やりにくくなったよ」
「そうかそうだよね・・・ところで今日は何しに・・・ここに・・・来たの?」
・・・とおそれおそれ聞くとたちまち元気になって、
「迎えに来たのだ!今日が、今が、今生の別れ、覚悟しろ!これが目に入らぬか!!」
・・・とばかり片手に持った大きな大きな砥ぎすまされたピカピカな鎌が目に入る。
今まで気づかなかった。
そうか貧乏神じゃなかったんだ。
(聞かなきゃよかった・・・と思いつつ)
「すご~~~い!その鎌、良く切れそうだね、ちょっと貸して!」
「うむ、いかん!これは商売道具、貸すわけにはいかん!」
と嫌がる死神の鎌を無理やり取り上げ・・・
うむ!いかん!!・・・だんだん酔っぱらってきた。
続きはまた明日です。
うぃ~~~!!!
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