島根県立三刀屋『三月記～サンゲツキ～』

　あれが全員この春入った一年生だったとは、驚き。確かに言われてみれば…だが、うんうん。よく頑張りました。今日だけではなく、今日まで。それはたぶん先輩方や顧問の先生にとっても同じであろう。
　卒業式の答辞の練習をする優等生の主人公と担当のだらしない先生。ダメさ加減を皆で笑う。そこへ不登校の女の子が介入。死ぬとか死ねとか平然と話題になる中、ラストには突然紅白幕の赤パネルが開き白黒幕に。お葬式らしい。なんでもダメさ加減をみんなで笑っていた先生は、自分のダメさ加減に嫌気がさし孤立し、自らの命をなんと卒業式当日の学校の屋上から身を投げ絶ってしまった…、そうな。
　ここは嘘やろう～って気になる。それでもなんでも泣いてる人、居たみたいですよ。山月記の月は三日月じゃないらしいです。

都立八王子東『学割だからいいのよ』

　分かりませんでしたごめんなさい。突き放した裏切りの演出も客との接点すらないなら成立は難しい。大きくはきはきとしたセリフはよく聞こえるのだが単調。しかも言葉からは登場人物の気持ちも、作者の気持ちも伝わってこなかった。オセロの言葉遊び？も中途。美しい垂れ幕や巨大鉛筆を観てもその思いは解消されませんでした。

県立甲府昭和『全校ワックス』

　幕開き大黒素舞台でびっくりする。全国大会でこんなんでええんか？　いや、いいんですけどっていう舞台の広さ。どう見ても体育館。登場人物の女の子5人。仲良しも仲悪いのも運動部も演劇部も変なぶりぶり声の仮面をかぶった女の子もありで棲み分けがなされているが、役者が小ぶりで去年の修学旅行までいかない。広いアクティングエリアに小さい役者というのは損だと思うのです。
　それでもワックスをかけることでアクティングエリアが変化するなど面白い演出は見られた。逆に言えば不利な条件で50分を成立させる力量があったということか。それでもラストの狭い段ボールの島で打ち明け話のオチでなぜ泣くのか、なぜ共感するのか、最終的には伝わってこなかった。嫌みのない素直な女優さん達だっただけに、ちょっと残念な気もする幕切れだった。

県立秩父農工『サバス・２』

　演劇部の部室にまつわる物語。部員が居ないため廃部の決定している部室には、5年前の大会前に交通事故で死んだ二人の男子部員が成仏できずに溜まっていた。彼らが生きている人から見える条件
１．会いたいと強く願っていること
２．思いを同じくしていること
３．もうすぐ死ぬ人間であること
　最後の演劇部員である二人の女の子には、見えないはずの幽霊部員が見えていた。演劇部の部室に対する思いが同じだから見えるのかと思いきや…。
　成仏させるためにお芝居を上演することとなる下りで、生きている一般生徒に笑う、笑いながら拍手するなどAD的な合図を決めて見えない幽霊と生きている演劇部員との共演を成立させたのは好き。でもこうして書いていて脚本の構造しか書いていないことも事実。いつもの不条理ではなかったけれど、見ていて心が動かなかったのも事実。
　飼い殺しではなく出入り自由なロッカー、欲しい。そこに入って成仏、別場所から登場で再登場なんてギミックには事欠かない舞台でした。

06全国大会開幕

　京都八幡市で行われる第５２回全国高等学校演劇大会がいよいよ始まった。近畿の時にもこれだけのメンバーは見に行ってなかったという数の部員とともに全国ツアー。ん万円じゃなくん千円で行ける全国は当分ないよ～とか、上演１の秩父は部員が60人もいるらしいよ～とか言ってるうちにだんだん盛り上がってきた結果。他にも来てたんだけど、１年３年を中心に立て看板の前で来たるべき日に備えてリハーサルをして帰ってきました。
　全日参加のメンバーとは全国どこが優秀トトカルチョ？をしてお互いの感性を磨きたいと思っています。4連単の正解者には合宿でジュースとアイスが振る舞われるとか。それにしてもピク！　遅刻は厳禁よ。一生忘れないぐらいの感動の舞台に彼女＋＠達が出会えることを祈って…。