付き合っている生徒達をかわいいとか愛しいと思える瞬間ってあるんです。そういう時は幸せな気分になれるものです。羨ましいでしょ?今日はそんな出来事。
今日は伊丹西高校の合格発表日。何日も前からミスのない仕事ぶりで緊張の糸の切れない教務、総務、発表係の先生達は最後の仕上げである合格発表に向け、きびきびと動いています。そりゃそうです、ある意味人生を左右するかも知れない仕事なんですから。他方、別な作戦に向け密かに動いている集団がありました。演劇部のメンバーです。新入生に向け勧誘のチラシをまくのです。ここまでは去年も一昨年もあった風景。ことしはちょっとだけ違った動きがあったみたいです。以後ドキュメンタリータッチで。
10:30 発表係集合
13:00の合格発表に向け、緊張した面持ちの総務部長Y内先生より発表係の先生に本日の流れが説明される。校長、教頭の立ち会う中、作業は的確に進められる。
12:20 兆候
作業を一段落し、昼食を取ろうとした僕の所へ第二学年主任、N尾先生がやってくる。なんでも4階の演劇部部室から、部長のあっぱぁ他数名がウサギの耳を付け「先生~」とか身を乗り出して声を掛けてきたらしい。危ないから辞めるように。さらに発表の時に上からあのように騒いでいるのはどうかと思うとの指摘。ごもっともである。さっそく部長に電話連絡をするも通じず。一抹の不安がよぎる。
12:45 先手
食事を終え念のためにとメールを部員に回す。
「ごのいです
先ほど4階の窓からウサギの耳つけて奇声を挙げながら身を乗り出す危ないやつらがいて、発表前にみっともないからやめてくれというお話が僕のところにN尾先生から寄せられました。お願いします。
チラシ配りではほめられるよう、作戦と状況判断を間違えんな!」という内容。僕的には軽いジャブのつもり。
12:50 リアクション
携帯が鳴る。部長のあっぱぁからだ。電話に出ると「勧誘のチラシ配り、衣装着てやったらヤバいってこと?」と質問。Y内先生の仕事ぶりを見ている僕としては迷う余地はなかった。「ヤバいっしょ。」
…しばらくの間…
電話の向こうで声がする。「みんな~、ヤバいねんて。着替えて~」「え~」「わいわいがやがや…」以下略。どうやらあり合わせの衣装を着てチラシ配りをする作戦だったようだ。蜂の巣をつついたようなその騒ぎに、おかしいやらかわいいやらで大爆笑してしまったのでした。陸上部とかテニス部とか揃いのトレーニングウエアとか持ってるもんね。演劇部にはまだないもんね。近畿出たら作ろうとか言いながらまだ出てないもんね。それでも自分らで考えてこんなんしたらええやんって1時間も前から準備してたんやもんね…。そんなこんなを考えれば考えるほど、彼女らを愛しく思えてくるのでした。
結局チラシ配りは制服で、つつがなく、どの先生からもお叱りを受けることなく、むしろ言葉使いが素晴らしいとか褒められながら、それでいてお互いに戦いつつ進行したのでした。それにしてもこのぐらい、許してあげてもええんちゃう?とは思うのですけれど、ねぇ。
後日談
新入生登校日に向け、発表後も忙しいY内先生。人気のない19:00過ぎの職員室で僕に呼び止められました。「劇中、カツラがシンナーで溶けるという設定なんですけど、有機溶剤でこれ、溶けますかねぇ」とか質問を受けてしまったのです。「相当忙しいんやけどなぁ」とか言いながら化学準備室までわざわざ付き合っていただき、10種類以上の有機化合物を薬品庫から出して試してくださいました。結論的にはアセトンでわずかに溶解が確認できたものの、シンナーでカツラは溶けないってことが分かりました。学校ってまだまだ善意で動いているんですよ。少なくとも伊丹西は。
忙しかったけど心ある多くの人たちと過ごせて幸せな一日でした。感謝。
今日は伊丹西高校の合格発表日。何日も前からミスのない仕事ぶりで緊張の糸の切れない教務、総務、発表係の先生達は最後の仕上げである合格発表に向け、きびきびと動いています。そりゃそうです、ある意味人生を左右するかも知れない仕事なんですから。他方、別な作戦に向け密かに動いている集団がありました。演劇部のメンバーです。新入生に向け勧誘のチラシをまくのです。ここまでは去年も一昨年もあった風景。ことしはちょっとだけ違った動きがあったみたいです。以後ドキュメンタリータッチで。
10:30 発表係集合
13:00の合格発表に向け、緊張した面持ちの総務部長Y内先生より発表係の先生に本日の流れが説明される。校長、教頭の立ち会う中、作業は的確に進められる。
12:20 兆候
作業を一段落し、昼食を取ろうとした僕の所へ第二学年主任、N尾先生がやってくる。なんでも4階の演劇部部室から、部長のあっぱぁ他数名がウサギの耳を付け「先生~」とか身を乗り出して声を掛けてきたらしい。危ないから辞めるように。さらに発表の時に上からあのように騒いでいるのはどうかと思うとの指摘。ごもっともである。さっそく部長に電話連絡をするも通じず。一抹の不安がよぎる。
12:45 先手
食事を終え念のためにとメールを部員に回す。
「ごのいです
先ほど4階の窓からウサギの耳つけて奇声を挙げながら身を乗り出す危ないやつらがいて、発表前にみっともないからやめてくれというお話が僕のところにN尾先生から寄せられました。お願いします。
チラシ配りではほめられるよう、作戦と状況判断を間違えんな!」という内容。僕的には軽いジャブのつもり。
12:50 リアクション
携帯が鳴る。部長のあっぱぁからだ。電話に出ると「勧誘のチラシ配り、衣装着てやったらヤバいってこと?」と質問。Y内先生の仕事ぶりを見ている僕としては迷う余地はなかった。「ヤバいっしょ。」
…しばらくの間…
電話の向こうで声がする。「みんな~、ヤバいねんて。着替えて~」「え~」「わいわいがやがや…」以下略。どうやらあり合わせの衣装を着てチラシ配りをする作戦だったようだ。蜂の巣をつついたようなその騒ぎに、おかしいやらかわいいやらで大爆笑してしまったのでした。陸上部とかテニス部とか揃いのトレーニングウエアとか持ってるもんね。演劇部にはまだないもんね。近畿出たら作ろうとか言いながらまだ出てないもんね。それでも自分らで考えてこんなんしたらええやんって1時間も前から準備してたんやもんね…。そんなこんなを考えれば考えるほど、彼女らを愛しく思えてくるのでした。
結局チラシ配りは制服で、つつがなく、どの先生からもお叱りを受けることなく、むしろ言葉使いが素晴らしいとか褒められながら、それでいてお互いに戦いつつ進行したのでした。それにしてもこのぐらい、許してあげてもええんちゃう?とは思うのですけれど、ねぇ。
後日談
新入生登校日に向け、発表後も忙しいY内先生。人気のない19:00過ぎの職員室で僕に呼び止められました。「劇中、カツラがシンナーで溶けるという設定なんですけど、有機溶剤でこれ、溶けますかねぇ」とか質問を受けてしまったのです。「相当忙しいんやけどなぁ」とか言いながら化学準備室までわざわざ付き合っていただき、10種類以上の有機化合物を薬品庫から出して試してくださいました。結論的にはアセトンでわずかに溶解が確認できたものの、シンナーでカツラは溶けないってことが分かりました。学校ってまだまだ善意で動いているんですよ。少なくとも伊丹西は。
忙しかったけど心ある多くの人たちと過ごせて幸せな一日でした。感謝。