gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

阿曽山大噴火『被告人、前へ』

2008-07-17 16:30:02 | ノンジャンル

 今日発行のフリーペーパー「R25」に、「借金漬けニッポンの借り入れ限度額はどれくらい」と題する記事が載っていました。その記事の中に主要国の政府債務額の名目GDPに対する割合が出ていたのですが、日本は170.3%で断トツ1位。2位がイタリアの116.3%、以下フランス72.3%、アメリカ69.8%と続きます。国債の長期金利も他の国がどこも4.5%前後なのに、日本だけ2.1%で国際競争力はゼロ。こんな財政でいいんでしょうか?

 さて、「裁判大噴火」と同じく阿曽山大噴火さんの書いた「被告人、前へ」を読みました。内容的には「裁判大噴火」と重複したところもありましたが(例えば、ニセ有栖川宮事件)、こちらの方がより詳しい記述になっていました。
 多くのページが割かれていたのは、ニセ有栖川宮事件と監禁王子事件です。監禁王子というのは、'03年から'04年にかけて4人もの女性を立ち代わり入れ替わり自宅に監禁した男の事件で、まだ覚えている方もいらっしゃるかもしれません。なぜ王子なのか、というと学生時代に周囲から王子と呼ばれていたからだそうです。
 この男、自意識過剰で、とにかく落ち着きがなく、この本によると起訴状の朗読中に、
・髪の毛をいじること、5回
・顔を手のひらで覆うポーズ、3回
・にらみつけるように傍聴席を見渡すこと、5回
・手のひらであごを押す小顔マッサージ、6回
他にも、起訴状の内容に納得いかない時は苦笑いをしたり、手に持っていたボールペンをくるくると回したりしていたそうです。この中でも傍聴席を5回もにらんでいるというのが尋常ではないように思います。また事件に関しても、あくまでもSMプレイの一環であるという主張を崩さず、結局懲役15年を求刑されていました。
 ニセ有栖川宮事件の方では、ニセ妃殿下を演じた女性のはちゃめちゃぶりが詳しく書かれていました。男性の被告を宮家という肩書きで惚れるたのか、という質問に「いいえ、私は、男性を職業や学歴で判断するようなことはいたしません。」と言っておきながら、次の質問「と、いうと?」に対して、「私は男性を人となり・血筋・オーラで選びます!」って、血筋は肩書きちゃうんか? それにこの答え自体がちょっと変です。そして、その直後にもはっきりと「私は、目の前にいる男性を愛しているなら、職業や身分なんか関係なかったわけです!!」と言ったりしています。
 これ以外にも裁判長が被告にカウンセリングのような会話をしかけ、「見栄なんて捨てればいいじゃん。」と、公の場所にはふさわしくない語尾で話しかけたり、患者に暴力を働いた医者の被告が、暴力の原因を患者との相性が悪かったと言い訳してみたり、と裁判所では面白い会話がされているな、と思ったりもするのですが、著者はほぼ毎日東京地裁に通ってる訳で、その膨大な傍聴体験の中から抽出されたとても貴重な傍聴記録が本書になってるので、そんなに面白い裁判ばかりではないということが逆に分かったりします。
 来年からは裁判員制度が始まるので、それまでに読んでおきたい一冊かもしれません。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿