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萩原遼・マキノ雅弘監督『女賊と判官』

2011-06-17 06:35:00 | ノンジャンル
 萩原遼・マキノ雅弘共同監督の'51年作品『女賊と判官』をスカパーの東映チャンネルで見ました。
 遠山金四郎(片岡千恵蔵)は芸者をはべらせて、ひょっとこ踊りに興じていると、そこへ黒装束の紅燕(宮城千賀子)が現れますが、金四郎は彼女を逃がします。紅燕の正体である、三味線の師匠・おりんは上方に旅立つことになり、遠山家の跡目相続をさせられそうになった金四郎も同じく旅に出ます。箱根の関所で十手持ちの滝三から逃れるため、関所破りをしようとしたおりんは山賊に襲われますが、そこを金四郎に救われます。沼津の宿でおりんにご馳走をされ戸惑う金四郎でしたが、そこへやはり江戸を離れて来た、金四郎を慕うおつまが現れ、金四郎は彼女から逃げ出します。途中の饅頭屋で大食いの賭けをしていた勝ん平(高田浩吉)とその連れのお初のかぶっていた笠を盗んだ金四郎とおりんは、彼らになりすまして旅を続け、浜松に至ると、宿の者が笠に書かれた名前を見て、気をきかして二人を同じ部屋にします。おつまと滝三の姿を見て部屋に隠れた二人は、別々に旅立ちますが、途中おりんに持病の癪が出て、結局二人して旅を続けます。滝三に追いつめられた二人は、旅の一座に紛れて身を隠しますが、一座のしのぶが彼女に執心する三河屋に誘拐されると、おりんは紅燕となってしのぶを救出し、金四郎は天狗の面を被って、やがて現れた捕り物から彼らを守ると、そこに忽然と現れた偽の紅燕がしのぶを斬り捨てます。しのぶは以前紅燕に命を救われたことがあり、斬られたことは恨まないと言い、残された妹弟を大阪の叔父に届けてくれるように金四郎とおりんに頼んで死にます。大阪までしのぶの妹弟を送ると言うおりんと金四郎は1年後にまた江戸で会う約束をして、京都で別れます。京都の叔父の元を訪ねた金四郎は、父が重病であることを知らされ、すぐに江戸に戻ります。「それから1年‥‥」の字幕。北町奉行となった金四郎は、紅燕が殺傷事件を続けているという報告を受け、滝三からもついに紅燕の居所を突き止めたと報告されます。大阪の叔父が死んでいたので、おりんの元で暮らすようになっていたしのぶの妹弟は、ついに金四郎と会う日がやって来たことをおりんに告げますが、おりんは暗い表情のままです。約束の地に赴いたおりんとしのぶの妹弟は、紅燕を捕まえに来た御用堤灯に囲まれ、おりんは会いたい人がいるのでそれまで待ってくれと捕り方に言いますが、やがて現れた金四郎を見て素直に捕まります。白州の場で、1昨年の6月までの罪状についておりんに認めさせた金四郎は、それ以降はおりんが罪を犯していないというしのぶの妹弟の証言を取り、おりんに自首するつもりだったことも証言されますが、滝三は1昨年の6月以降残虐になった紅燕の罪もおりんに認めさせるよう金四郎に迫ります。金四郎はその真犯人は滝三だと言い放ち、その証拠として滝三の腕のあざを指摘し、それでもシラを切る滝三に対し、自分の桜吹雪の刺青を見せ、天狗の面を被っていたのが自分だったことを明かし、斬りつけてきた滝三を取り押さえます。数日後、江戸払いを命じられたおりんは、しのぶの妹弟と連れ立って旅に出ようとしますが、そこへ北町奉行を辞めた金四郎も加わるのでした。
 何と『鴛鴦歌合戦』のような時代劇ミュージカルであり、高田浩吉がコメディーリリーフで出演しているという珍品でもありました。冒頭の御用堤灯が乱れ飛ぶ場面や、ひょっとこ踊りのカット割りなどは、間違いなくマキノが撮ったシーンであったと思います。

 →Nature Life(http://www.ceres.dti.ne.jp/~m-goto