ITエンジニアの九十九折(新)

これまで経験したことや考えを思いつくままに綴って行こうと開設しました。マラソンをするように長く続けて行くつもりです。

169.一貫校進学の自縛(794字)

2009-02-22 | Education
昨今は、小中一貫や中高一貫校の設置を求める声が段々
大きくなっているように思います。

現行の学校制度の歪みからゆとり教育や一貫した教育を
望む人が多くなっていることが背景として考えられます。

私たちは戦後60有余年の間、6・3・3・4年制
(学制)を踏襲し、もちろん、自分もこれにならって
進学して来ました。

まず、この制度の何が問題かを取り上げてみます。

年数を見ると中学と高校が3年ずつになっており、ここが
谷間と取れなくもありません。

最近では小学6年生の中学受験も拡大し、中高一貫校や
私大の付属校へと進む人も少なくないのです。

こうした動機には、次のことが考えられます。

1)高校受験での失敗を回避する
2)大学への受験競争を緩和する
3)難関大学を目指すための進学コースへ入る

どれも一理あるものばかりだと思います。

しかし、昨年中に二度にわたり、こうした傾向に警鐘を
鳴らす評論家や大学教授の文章を読み、自分なりに
考えてみました。

私が思う一番の弊害は、「グローバル化が進展する中で
多様性が欠如すること」です。

こうした学校へ進むと却って平準化され、経験する世界が
狭まるのではないかと思うのです。

もちろん、目標を達成するための手段と考えて進学する
事例も多数あることでしょう。

ところが、今や航空機やインターネットの進展、さらに
産業・経済的にも世界的規模で思考する時代がやって来て
います。

そうすると、日本人だけで固まって生活することも仕事も
成り立たない現実があるのです。

そこでは人種も思想も、貧富の差も混沌とした中で社会
生活を営む必要があるのではないでしょうか。そのときに
必要となるのが、異文化への理解と多様性を受け容れる
度量です。

こうした視点が欠落したままの教育カリキュラムで過ごす
ことは、人材育成上で大きな問題を孕んでいると思われ
ます。

「多様性」は教育界においも大きなキーワードとなります。
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