福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

書評 「それでも日本経済が世界最強という真実」三橋貴明著 ワックKK 2012 933円

2012年07月12日 08時15分36秒 | 書評



図解 それでも、日本経済が世界最強という真実 [ムック]

私は経済に関心はあるが疎い。だから、いま勉強中である。

 新聞雑誌等で分かりやすい解説記事、国内外の政治経済問題に関連する入門書、論表等を読んできた。かなり、理解も進んだが、各々の記述内容に矛盾も感じて、読んでも読んでも混迷する一方でもあった。特に新聞の記事はどれをとっても方向性が同じで大差がない。知識人の記名記事に於いてすら歯切れが悪くてすっきり理解出来ない。一言で言えば新聞、TVは場当たり的で一貫性がない。古いラジヲのニュースを聴き直したり、新聞のスクラップを読み直してみると場当たり的な大騒ぎであったことがよく分かる。
 特に、経済に政治が絡んでくるとますます分かり難くなる。

 疑問を感じつつも、日本は経済的に内憂外患をかかえ、光が乏しいようなイメージすら出来上がってきた。一方では、消費税増税をすすめながら、外交上では途上国に多額の経済援助を申し出ているし、IMFへの拠出金も莫大である。新幹線の着工も決定した。この辺のバランスがどうなっているのかよく理解出来ていなかった。
 
 その時にたまたま目に停まったのが本書である。今まで読んできた内容とは別の視点からの見方で構成されている。
 本書は日本の経済は実は国際的に見ても盤石なのだ、と言うことを48の項目で述べている。一つの項目について見開き1ページにまとめてあり、明快な記述に加えてその論旨の背景となった経済指標をデータ、グラフ、イラストにして掲載している。

 読み始めると今まで理解出来なかった事項が次々と解決していく快感を味わうことが出来た。目から鱗である。私にとって経済指標のデータがとても役立つ。

 内容は、3章で構成され、各章で10-20項目を解説している。全てを記載できないが、以下の如くである。
-------------------------------------------------------------------------
第1章「莫大な借金があっても破綻しない」理由:18項目
  ■日本は世界一のお金持ちである
  ■本当は世界に援助できるほどお金があり余っている
  ■日本は家計の金融資産も世界一
  ■政府の『借金』は必要なもの
  ■年金制度は絶対に破綻しない
第2章「日本はまだまだ経済成長できる」理由:20項目
  ■日本だけが不良債権処理を終えている
  ■日本はGDPあたりエネルギー効率が世界一
  ■広大な海を持つ日本は隠れた資源大国
  ■日本の食料自給率は低くない
第3章「日本は世界がうらやむ最強の国である」理由:10項目
  ■日本国民が積み上げてきた誇るべき国富
  ■日本には『格差』も『貧困』も存在しない
-------------------------------------------------------------------------

 タイトルの中には、■日本には『格差』も『貧困』も存在しない、といった刺激的な表現もあり、理屈としては納得出来るものの、私が医療現場で感じる現実と乖離している、と思う項目もある。

 著者は経済評論家・作家・中小企業診断士とのことで、著書も多数、日本の経済に数々の提言をしている方である。著者の主張は恐らく正しいのだろうという感触を持ちながら読んだが、その判断は私にはまだ出来ない。ただ、他の経済本を読む時の参照すべき資料集、著作として価値が高い。

 多くの方々にお薦めしたい好著である。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« クロスバイク(18) ドロップ... | トップ | 映画(52)「ローマ、昼下が... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

書評」カテゴリの最新記事