■東電福島第一原発の現場
東電福島第一原発は、数年前は全身防護服を着用して、かつ、車中からしか取材できなかったが、今は普通の作業服で立ち入りできるグリーンゾーンが敷地の96%になった、と言う。がれきの撤去や樹木の伐採、地表をモルタルなどで覆うことで放射線量が低くなった。
2,3号機の間も普段着と使い捨てマスクで取材できるとのこと。
といっても、1-3号機の原子炉には、溶け落ちた燃料デブリが残る。先日、遠隔操作の装置で2号機のデブリに少し触ることができたとはいえ、全部を取り出せるのかどうか、わからない。廃炉への道のりは険しい。
炉心を冷やす注水や地下水の流入で、放射能で汚染された水が増え続けている。浄化装置で処理しても放射性物質トリチウムが残っており、貯蔵タンクの数は増え1千基に迫る。
貯蔵タンクは一部は錆が出て内容が漏れて居るのもあると言う。こんな状況の中再び地震が起こったらどうなるのか??
政府・東電は21年にデブリの取り出しを始める計画だが、夢ばかり語っていてもしょうがない。チェリノブイリに準じた方策は考えないのだろうか??
■再稼働を進める日本
原発事故の甚大な被害、後始末の困難さを知ったいま、日本は原発に頼らない社会をめざすべきである。
福島の事故後、古い原発を中心に21基の廃炉やその方針が決まった。だが、日本が脱原発に向かっているわけではない。
安倍政権はいまでも原発を重要な基幹電源と位置づけ2030年に総発電量の20-22%をめざす。「原発ゼロは責任あるエネルギー政策ではない」と述べた。
破綻した核燃料サイクル政策も捨てていない。経済性のなさから欧米の多くの国々は撤退したが、安倍政権は青森県六ケ所村に2.9兆円かけて建設中の再処理工場を動かし、使用済み燃料からプルトニウムを取り出す方針を変えていない。
一方、日本はプルトニウムの蓄積量が多すぎて世界の顰蹙を買っている。プルトニウムを使用するプルサーマル原子炉で消費するしかないが今その方法は壁に当たっている。処理する方法がないのにプルトニウムが溜まっていく。
さらに使用済み核燃料の処理方法も決まっていない。にも関わらず使用済み核燃料も溜まっていく。
福島の事故で原発の安全対策費が増えてコストが上がった。一方で太陽光や風力などの再生可能エネルギーは技術革新でコストが下がっている。世界の総発電量のうち原子力発電はかつて17%、現在10%ほど。対照的に再エネは25%近くになった。原子力から再エネへ、時代は大きく転換しつつある。その舵取りに貢献したのが皮肉にも福島の事故であった。
■日本のエネルギー政策
ドイツや韓国のように原発からの段階的な撤退を決めた国もあれば、米英のように再生可能エネルギーの台頭で原発の比重が下がった国もある。原発大国フランスも原発依存度を大きく下げる方針だ。国が後押ししてきた中国やインドでも、再エネの伸びが原発をしのぐ。
日本のエネルギー政策は見直す必要があろう。衰退していく原子力の延命に大きな資源を割き、次代を担う再エネを二の次にする。そんな姿勢では、時代の大転換に取り残されてしまう。
原発を減らす一方で化石燃料に頼るとするなら、環境問題、温暖化、電気の高コスト化は避けられない。
東電福島第一原発は、数年前は全身防護服を着用して、かつ、車中からしか取材できなかったが、今は普通の作業服で立ち入りできるグリーンゾーンが敷地の96%になった、と言う。がれきの撤去や樹木の伐採、地表をモルタルなどで覆うことで放射線量が低くなった。
2,3号機の間も普段着と使い捨てマスクで取材できるとのこと。
といっても、1-3号機の原子炉には、溶け落ちた燃料デブリが残る。先日、遠隔操作の装置で2号機のデブリに少し触ることができたとはいえ、全部を取り出せるのかどうか、わからない。廃炉への道のりは険しい。
炉心を冷やす注水や地下水の流入で、放射能で汚染された水が増え続けている。浄化装置で処理しても放射性物質トリチウムが残っており、貯蔵タンクの数は増え1千基に迫る。
貯蔵タンクは一部は錆が出て内容が漏れて居るのもあると言う。こんな状況の中再び地震が起こったらどうなるのか??
政府・東電は21年にデブリの取り出しを始める計画だが、夢ばかり語っていてもしょうがない。チェリノブイリに準じた方策は考えないのだろうか??
■再稼働を進める日本
原発事故の甚大な被害、後始末の困難さを知ったいま、日本は原発に頼らない社会をめざすべきである。
福島の事故後、古い原発を中心に21基の廃炉やその方針が決まった。だが、日本が脱原発に向かっているわけではない。
安倍政権はいまでも原発を重要な基幹電源と位置づけ2030年に総発電量の20-22%をめざす。「原発ゼロは責任あるエネルギー政策ではない」と述べた。
破綻した核燃料サイクル政策も捨てていない。経済性のなさから欧米の多くの国々は撤退したが、安倍政権は青森県六ケ所村に2.9兆円かけて建設中の再処理工場を動かし、使用済み燃料からプルトニウムを取り出す方針を変えていない。
一方、日本はプルトニウムの蓄積量が多すぎて世界の顰蹙を買っている。プルトニウムを使用するプルサーマル原子炉で消費するしかないが今その方法は壁に当たっている。処理する方法がないのにプルトニウムが溜まっていく。
さらに使用済み核燃料の処理方法も決まっていない。にも関わらず使用済み核燃料も溜まっていく。
福島の事故で原発の安全対策費が増えてコストが上がった。一方で太陽光や風力などの再生可能エネルギーは技術革新でコストが下がっている。世界の総発電量のうち原子力発電はかつて17%、現在10%ほど。対照的に再エネは25%近くになった。原子力から再エネへ、時代は大きく転換しつつある。その舵取りに貢献したのが皮肉にも福島の事故であった。
■日本のエネルギー政策
ドイツや韓国のように原発からの段階的な撤退を決めた国もあれば、米英のように再生可能エネルギーの台頭で原発の比重が下がった国もある。原発大国フランスも原発依存度を大きく下げる方針だ。国が後押ししてきた中国やインドでも、再エネの伸びが原発をしのぐ。
日本のエネルギー政策は見直す必要があろう。衰退していく原子力の延命に大きな資源を割き、次代を担う再エネを二の次にする。そんな姿勢では、時代の大転換に取り残されてしまう。
原発を減らす一方で化石燃料に頼るとするなら、環境問題、温暖化、電気の高コスト化は避けられない。