福田の雑記帖

www.mfukuda.com 徒然日記の抜粋です。

秋田県記録的大雨(2) 昨年の検証(1) PTSD

2024年07月27日 05時44分42秒 | 秋田の話題
 昨年7月の記録的大雨から1年となる。
 
 今後もこのような自然災害が頻発すると考えられるために一つ一つの災害についての検証を行い次の災害に備え、減災を図らねばならない。そのためには被害の詳細な調査が必要である。

 昨年7月14日から16日にかけて梅雨前線の影響を受け雨が降り続いた。この間の総降水量は多い所で400mmに到達。

 秋田市では初めて「内水氾濫」が生じ、広範囲で浸水した。住宅被害は6000棟を超え、学校や病院の浸水もあった。全県の住宅被害は約7400棟に及んだ。

 道路の崩落、農林業などにも被害が出た。 

 1年経過し、街は一見平穏を取り戻した。ただ、被災前の生活を取り戻せずにいる被災者はなおいる、とのこと。

 復旧は各地で進んでいるが、建設事業者の人手不足などから需要に追い付いていない所もある、という。

 大雨から1年となるのに伴い、秋田魁新報社と秋田大、東京農工大は被害が甚大だった秋田市中心部の2000世帯を対象に共同調査を行った。
 研究チームが有効回答650人分を分析し、住宅が浸水した人の約2割に当たる102人に心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状がみられることが判明した(秋田魁新報による)。

 PTSDは、生命の危険や強い恐怖を感じるような体験をきっかけに引き起こされる精神疾患。恐ろしい記憶が突然よみがえるフラッシュバック、不眠、抑うつ、パニック、過剰な警戒感などの症状が出る。数年後に発症する場合もある。

 調査の結果からは、被災から1年たっても心の傷が癒えていない人が多数いることがうかがえる。東日本大震災、熊本地震、能登地震などの被災者のPTSDは重要な問題であったというが、秋田でPTSDが話題になることは今まではほとんどなかった。秋田市でも対応指針を作る必要性があろう。

 秋田市は昨年11月、市社会福祉協議会内に被災者を支援する「地域支え合いセンター」を開設した。生活相談員が家々を回って困り事の相談を受けたり、被災者に身近な出来事を語り合える場を提供したりしている。

 他の自治体も、被災した際に心理的に支援できる体制が整っているか点検しておく必要がある。

 災害の際にPTSDが多く発症するという。背景には地域の住民同士の日常のつながりの希薄化があると思われる。

 PTSD対策は今後の災害の備えとして欠かせない要素の一つとなる。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする