New Englandのあれこれ

北米東海岸の街ボストンを中心に、ニューイングランドの素敵を写真でご紹介します。

エアフォースワン イン ケープ・コッド

2013-08-20 11:30:21 | 日記
こんにちは。

今週は、先週に引き続き前半に‘映像税優遇制度‘について、
そして後半には、次期、米国日本大使に任命された‘キャロライン・ケネディ’にちなみ、
ケネディ家ゆかりのケープ・コッドに、
現米国大統領のオバマ一家が休暇に訪れた際のエアフォースワンや
警備についての裏話を中心におおくりします。

さて、’映像税優遇制度’ですが、
いろいろな方とお話させていただく中で、’これって、どうなの?’という疑問が多かった
トップ2をご紹介させていただきます。

ナンバー1は、’いつ換金が行われるのか?’ということです。
ここが、先週お話した’キャップ’(予算枠の上限)が無い、
マサチューセッツならではの、特典になります。

申請段階で認可された内容は、後のプロダクション作業終了後の事後確認審査で通りやすく、
また、還元分を短期で請求するときは、州政府であれば、換金分の90%をキャッシュで、
州公認施設(銀行など)であれば、換金分の95%をキャッシュで支払うシステムになっています。

作品毎の決済に間に合わせる為の方法はあるかもしれないです。

ナンバー2は日本からの距離についてです。
こちらは日本航空や全日空から成田・羽田よりボストン直行便が出でていますので、
乗り換えの心配なく、ゆっくりと渡航できます。

さて、先にお話しましたエアフォースワンです。

そしてこれがオスプレイです。

この中からは、沢山の機材が運び出されたそうです。
中でも驚くのが、1台のリムジン。
この車は、飛行中に細菌兵器による攻撃を仕掛けられた時に、
着陸後すぐに、プレジデントを基地内消防署に搬送し、
所内で除菌作業を行う為だけに、用意された車です。
これが、その除菌を行う為のシャワーです。

〆は、野生の七面鳥のつがいです。車だったので、逃げられました。。。


米国映像産業について①

2013-08-09 00:43:44 | 日記

このブログは、ニューイングランドの魅力を、ご存知の方とは‘うんうん’を共有し、
まだ知らないけれど興味があるという方々には‘いいねぇ’と思って頂ける情報をご紹介しながら、
映像制作会社およびプロダクションの方々を対象に、
マサチューセッツ州における‘映像製作税優遇制度’についてのお話を
ご紹介させ頂く目的で作られました。

回毎にテーマを絞って情報をお届けしていくつもりです。
基本的な構成は、
前半に‘映像製作税優遇制度’を含めた現地映像業界の情報をお送りし、
後半に写真や素敵なお店の情報等を載せて行こうと思っています。

初回は全体のご紹介の意味を込め、
写真を織り交ぜながらの簡単なニューイングランドについてのお話の後、
映像税優遇制度を通して米国の映像業界の様子について触れさせて頂きます。

ニューイングランドはこちら東海岸の6州から成り立つ地域で、

レンガ造りの建物や

港の風景や

森が

ニューイングランドの特徴的な形式です。

そんな自然に溢れたニューイングランドの中心的役割を果たすのはマサチューセッツ州です。

ハーバード大学やMITなど数々の優秀な大学教育とテクノロジー産業によって有名な州ですが、
近年は映画産業の誘致に力を入れています。
東海岸出身のマーティン・スコセッシ監督やウッディ・アレン監督をはじめとし、
監督であり俳優でもあるベン・アフレックやブルース・ウィルス、マット・デイモン等が中心となり、
東海岸での映画産業を盛り立てています。

今秋には、マサチューセッツ州最大規模の
‘ニューイングランドスタジオ’(http://nestudios.com/)がオープンする為、
州の映像産業が次の段階へと進む期待と興奮で盛り上がっています。

ここで少々‘映像製作税優遇制度’についてのお話です。
これは世界的に多くの地域で行われている映像産業の誘致システムです。

まずは、マサチューセッツ州においての具体的な制度のご紹介をします。

いくつかの条件がありますが、州内で支出した経費に関してその25%を現金返還し、
更に同州に於いての買い物やレンタル等にかかる消費税が免除され、
州内での雇用に関しても税の控除が適応されます。

※指定の条件をクリアしている場合は、
 マサチューセッツ州内においての居住条件は無く、海外作品・会社であっても申請資格があります。

それでは、制度申請にあたっての大まかな条件です。

① マサチューセッツ州内において$5万以上を費やす。(必須)
② マサチューセッツ州内において総予算の50%以上を費やす。
  か、
③ マサチューセッツ州内において作品制作にかかる主要日数の50%以上の作業日数を費やす。

これによって得られる大まかな返還内容は、

必須条件①のみで②または③をいずれも満たさない場合は、
 同州で$50万の経費の内、買い物、レンタル費等の消費税免除と、
 現地スタッフ雇用にかかる税金の25%が還元されます。
 
①と②もしくは③どちらかの条件をクリアした場合は、
 州内における買い物、レンタル費等の消費税免除と、
 現地スタッフ雇用にかかる税金の25%が控除され、それにプラスして、
 州内にて支出した映像制作費の25%が現金にて還元されます。

これを具体的な映像作品に当てはめると、
※$1を¥100換算として

制作費が¥500万~¥1千万で、州内において¥500万を支出したとます。
(必須条件の最低支出額¥500万をクリアし、総制作費の50%以上に当たる金額にします。)

この場合、¥500万(宿泊、レストラン含む)の25%、¥125万円が同州より現金還元されます。
州内でスタッフを雇用すると、雇用に関わる税金の25%が控除されます。
更に¥500万の予算内の、買い物やレンタル等にかかる消費税が免除されます。
申請時に許諾と共に州発行の消費税免除証明書をもらえ、
店舗でそれを見せる事で、その場で税抜きの買い物が出来ます。

米国内だけでも複数の州がそれぞれの収益目票に沿った規定を設定しています。
現在のハリウッド作品は、そのほぼ全てがカナダやイギリス、ニュージーランドをはじめとした
米国内の州など英語圏を中心に、
英語圏外でもブタペストなど比較的物価の安価な土地で製作されています。
海外にスタッフや役者さんが総動員で出かけていく方が
足元のロサンゼルスで撮影するよりも安価になるのは、
各地で行われるタックスインセンティブがそれだけ経済効果を発揮しているということでしょう。

大手の映像会社ではTax Incentive(映像製作税優遇制度)のある土地に所属している
会社及びフリーランス以外とは組まない、といった方針が定められているほどで、
以前、ハリウッドと言えば、組合に入っていることが仕事のオファーを請ける条件でしたが、
制作費の縮小が厳しくなる中でその条件は変わってきたようです。

前述しましたように、この制度の利用は、
作品の規模やタイプによっての規定や免除の範囲など、
各自治体で提示される申請資格や条件も異なります。

また各自治体によって‘キャップ’と呼ばれる制度の予算枠に上限がある場合とない場合があります。
予算の上限‘キャップ’が設定されている場合は、
申請時の撮影内容や条件に関しての詳細報告を求められ、
州や国の要求に見合う作品かどうかの審査がされます。
実際に支払いの請求をする際になって、
撮影終了後に結果として見合っていたかどうかの再審査がされることで
支払いに時間がかかるばかりか、最終的な認定がされるかどうかは
撮影終了後の審査次第という傾向があります。

そこで、このブログでご紹介させていただくマサチューセッツ州ですが、
現在のところキャップはありません。
ここ数年の州内における映像産業の活況から、キャップがされる心配は当面なさそうです。