銅版画制作の日々

ぼちぼち更新致します。宜しくお願いします!

そして、私たちは愛に帰る 原題:AUF DER ANDEREN SEITE

2009-03-19 | 映画:ミニシアター

 消息のわからない娘に、母のことのことを知らせるために、作ったチラシは、娘に届くのか?

3月13日、京都みなみ会館にて鑑賞。

ドイツーーーートルコ。2000キロの距離を越えて、3組の親子がさすらう再生と希望の旅路

親子の絆は何ものにも変えられないほど、深くて強いものだ。この物語は3組の親子の話が軸となっているが、それぞれ皆心や距離が遠く離れてしまっているのだ。しかし離れているものの、人一倍その絆の深さを凄く感じる。そして忘れ去られた他人同士の繋がり、その大事さを教えてくれる。昨今そんな人間の繋がりも薄くなっているだけに、この作品はそんな薄くなっている人間関係を何とかしなければいけない!とメッセージを送っている作品なのかもしれなのでは?と・・・・・。


父アリと息子ネジャットは共通の話題がなかった。読書を勧めてもまったく興味を示さないアリ。

ST0RY

ドイツ、ブレーメン。
十数年前に妻を亡くし、定年も迎えたアリは、同じトルコ出身の○婦イェテルと出会い、月々の手当を払うかわりに、一緒に暮らしてくれるよう依頼する。ハンブルクの大学で教授を務める一人息子のネジャットは、金に物言わせようという父のやり方をあまり良くは思っていない。だが、イェテルが○婦として稼いだ金の大半を、トルコで大学に通っている娘の教育費として送金しているのを知る。またイェテルは 娘には靴屋で働いていると嘘をついていることを話し、娘を思って涙を流す。「娘に会いたい。ずっと声も聞いてないの・・・・」そんな気のいいイェテルのことを、ネジャットは好きになる。

ところで何故?イェテルはアリの世話になることになったのか?


実は仕事帰りのイェテルがバスに乗った際、トルコ人が話しかけてきた。彼女の働く場所で、トルコ語を話すイェテルを見た彼らは「トルコ人だな?宗教も、イスラムだろう?悪くしき道を悔い改めろ」と。イェテルの行為は不道徳だと説教する彼らに怒りを感じながらも、「悔い改めるわ」と答えるイェテル。この出来事が、仕事を辞めることを決意させたのだ。そしてアリのところへやって来たわけだ。

そしてあるとき父と息子はトラブルに・・・・・。


父アリは自分の留守中にイェテルとネジャットが関係したのでは?ないかと疑い、下品な質問を浴びせる。そんなアリに腹を立てたネジャットは家を出る。



イェテルもまた、身勝手なアリの言葉に怒りを覚え、ここを出ていくと宣言する。彼女の言葉に激高したアリは思わず彼女を殴り倒してしまう。打ち所悪くイェテルは・・・・・。

突然訪れるイェテルの死によって、父と息子の距離は、心理的にも、物理的にもさらに遠くなる。ネジャットはイスタンブールに渡り、イェテルがトルコに残してきた娘、アイテンを探す。トルコにとどまることを決意した彼は、ドイツに帰るという男からドイツ語専門書店を買い取るが、政治活動家のアイテンは、トルコを逃れ、すでにドイツに渡っていた。 

わずかなお金を借りて、ブレーメンで働く母イェテルを探して、「靴屋」を片っ端からあたる。やがてお金はなくなり、行き場を失う。

ひとりぼっちで一文無しのアイテンは、ドイツ人学生ロッテと知り合う。ロッテはすぐに、女性としてのアイテンと、彼女の置かれた政治的状況に惹かれ、彼女を家に連れ込むが、保守的な母親スザンヌと反抗的な態度のアイテンはしばしば衝突する羽目に。

 
母スザンヌはアイテンに対して快く思っていなかった。娘ロッテのことも心配だ。

 

そんなある日、アイテンは不法滞在で逮捕され、政治的亡命の許可を待つ数ヶ月間、収容されることになる。しかし申請は却下され、アイテンはトルコに強制送還の後、投獄される。激情に駆られたロッテはすべてを捨てて、アイテンを助けようと決意しイスタンブールへと渡る。
ドイツ、トルコ――2000キロに渡って、3組の親子の運命がからみあってゆく――。


釈放は絶望的だった。テ○リストと判断されたアイテンは15~20年刑務所から出られず。面会するにも数ヶ月かかるという。

ロッテは母に電話をかけて助けを求めるが・・・・・。

すべてを捨ててアイテンを救おうとするロッテに、母スザンヌは怒りを爆発させる。
「大学はどうするの?自分の人生を無駄ににしているわ」
「彼女を助けるには私がいないとだめなのよ」
「じゃそこにいなさい。もう助ける気はないから、これからは自分でなんとかやりなさい」 「ママ!」

ロッテは失意のどん底状態だった。ところが偶然の出会いによって、ネジャットとルームメイトになり、イスタンブールでの日々を過ごす。ある日ようやくアイテンとの面会も実現する。ロッテはアイテンから秘密の依頼を受けることに。

ところがそれがきっかけで、ロッテは命を落としてしまうことに・・・・・。

さて罪を償い、出所したのち強制送還されたアリがトルコ・アタチュルク空港に降り立つ。同じ時、スザンヌもドイツからトルコへやって来た。ロッテの遺品を引き取るためだ。イスタンブールのホテルの部屋で、一人酒をあおり、号泣するスザンヌ。

翌朝、ロッテのルームメイトだったネジャットと対面したスザンヌは、娘が住んでいたアパートを訪ねる。遺品を手にし、日記を読み、これまで知り得なかった娘の自分に対する思いを知る。

娘のベッドで眠り、母に向かって微笑むロッテの幻影を見たスザンヌは、新たな一歩を踏み出す決意をする。

一方、書店を訪れた知人から、アリがトルコの黒海沿岸地区に住んでいると聞かされネジャットは複雑な思いを抱えいらだつ。

スザンヌは、アイテンの収監されている刑務所へと向かう。アイテンは泣きながら許しを乞う。

「ごめんなさい。こんなことに・・・・許してください」

「あなたを助けたいの。娘が望んでいたことよ。私もそうしたいの」

アイテンはその気持ちに応えるため、所長にすべてを打ち明ける決心をする。

イスラム教の祭り「犠牲祭」に向かう人々の姿を眺めるスザンヌにネジャットがこの祭りの起源を教える。信仰を試すため、息子を捧げようと神に命じられたイブラヒムは、子のイシュマエルを供物台へと載せた。短剣が振り下ろされる瞬間、刃先が丸くなったーーー。

「“僕を捧げる?”と父さんに聞いたことがある」
「お父様の答えは?」
「“父さんはお前を守るためなら、神だって敵に回す”と・・・・」

スザンヌとの会話によって、父親の自分に対する思いをあらためて気づかされた。ネジャットは、父アリに会うために車を黒海沿岸へと走らせるーーーー。


ネジャットは父アリの帰りをじ~っと待つ。ラストはこのシーンで終了となる。

まさに人生のロードムービー。それぞれの親子は人生に訪れる様々な出来事によって、葛藤や悲しみにぶち当たりながら、お互いに必要な存在だと知る。何事もなければ、知らずに通り過ぎるのだろうけど。そんな辛いものを乗り越えて、愛と希望を見出す彼らの再生の旅路はめぐりあい、別れ、再びつながるんだね。

キャスト

 ネジャット バーキ・ダヴラク  

 アリ    トゥンジェル・クルティズ

スザンヌ  ハンナ・シグラ

アイテン  ヌルギュル・イェシルチャイ

イェテル  ヌルセル・キョセ

ロッテ   パトリシア・ジオクロースカ

 

監督・脚本  ファティ・アキン  

 ファティ・アキン監督

主な受賞等

国内に多くのトルコ系移民を抱えるドイツとEU加盟問題に揺れるトルコ、そんな両国の社会情勢を背景に、ドイツとトルコにまたがって絡み合う3組の親子の葛藤と絆を綴るヒューマン・ドラマ。監督は自身もドイツ生まれのトルコ系移民二世である「愛より強く」のファティ・アキン。

オフィシャル・サイト
http://www.bitters.co.jp/ainikaeru/

 

メディア 映画
上映時間 122分
製作国 ドイツ/トルコ
公開情報 劇場公開(ビターズ・エンド)
初公開年月 2008/12/27
ジャンル ドラマ
映倫 PG-12
幸せと不幸せは、背中合わせ。
だから、人生はいつだって
やりなおせる。
 


 

 

 

Comments (3)   Trackbacks (21)   この記事についてブログを書く
« マンマ・ミーア♪メリル・スト... | TOP | オーストラリア◇AUSTRALIA »
最新の画像もっと見る

3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
ロッテと呼んで♪ (シャーロット)
2009-03-20 08:52:58
遅くなりました;

アキン監督の懐ってホント深い。
なんだか言いようのない安堵感に包まれましたよ。
絵にかいたような幸せを私たちは目にしてるわけではないのにね。
すでにマイベスト1候補になっちゃったのでwあまり他の映画を見たくなくなってしまったです。笑
こんにちは♪ (ミチ)
2009-04-18 15:00:14
アキン監督ってこんなお顔だったんですね~。
映画監督のイメージじゃないけど、いいかんじ~。

母親の懐の深さには驚くばかりでした。
私なら、とてもあの子を赦すことはできないかも~(汗)
Unknown (素であいうち)
2010-02-10 16:27:49
素晴らしいブログを読ませていただきありがとうございます。
これからも更新頑張ってください。

post a comment

Recent Entries | 映画:ミニシアター

21 Trackbacks

『そして、私たちは愛に帰る』 Auf der Anderen Seite (かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY)
これこそは愛。 ハンブルクの大学で教鞭をとるトルコ系移民二世のネジャットの老父アリは、ブレーメンで一人暮らしをしていたがある日同郷の娼婦イェテルと暮らし始めた。 そして、ドイツとトルコを舞台に三組の親子の物語が絡み合う。お待ちかねのファティ・アキン監...
『そして、私たちは愛に帰る』・・・ ※ネタバレ有 (~青いそよ風が吹く街角~)
2007年:ドイツ+トルコ合作映画、ファティ・アキン監督、バーキ・ダヴラク主演。
(今日の映画)そして、私たちは愛に帰る (Kozmic Blues by TM)
そして、私たちは愛に帰る(2007/独=トルコ) AUF DER ANDEREN SEITE THE EDGE OF HEAVEN
*そして、私たちは愛に帰る* (Cartouche)
{{{   ***STORY*** ハンブルクに住む大学教授のネジャットの老父アリはブレーメンで一人暮らしだったが、同郷の娼婦イェテルと暮らし始める。ところが、アリは誤ってイェテルを死なせてしまう。ネジャットはイェテルが故郷トルコに残してきた娘アイテンに...
そして、私たちは愛に帰る (映画のメモ帳+α)
そして、私たちは愛に帰る(2007 ドイツ・トルコ・イタリア) 原題   AUF DER ANDEREN SEITE 英題   THE EDGE OF HEAVEN 監督   ファティ・アキン    脚本   ファティ・アキン       撮影   ライナー・クラウスマン            ...
そして、私たちは愛に帰る AUFDERANDERENSEITE (まてぃの徒然映画+雑記)
2007年カンヌ映画祭で最優秀脚本賞を受賞した作品。「イェテリの死」「ロッテの死」「天国のほとりで」の3部構成で、アリとネジャット、イェテリとアイテン、ロッテとスザンヌの3組の親子の物語をドイツとトルコの2ヶ国にわたって繰り広げる。さすが脚本賞!の素晴らしい....
「そして、私たちは愛に帰る」 (ヨーロッパ映画を観よう!)
「Auf der anderen Seite」...aka「On the Other Side /The Edge of Heaven」 2007 ドイツ/トルコ/イタリア トルコとドイツを舞台に“愛と死”をテーマに、三組の親子が織りなすヒューマン・ドラマ。 カンヌ映画祭最優秀脚本賞/全キリスト教会賞受賞作品。 ネ...
ファティ・アキン監督の「そして、私たちは愛に帰る」を観た! (とんとん・にっき)
新聞の下半分、「そして、私たちは愛に帰る」の大きな映画の広告が出ていました。目についたのは、佐藤忠男が「2008年 私の3点」に選んだということ、これはぜひ観に行きたいと思いました。新聞広告には「ドイツ・ハンブルグから、トルコ・イスタンブールへ。愛する者の...
『そして、私たちは愛に帰る』:この映画の核心はどこに・・・ (りゃんひさのMyBlog:映画レビューなど)
トルコとドイツに跨(またが)る三組の家族の物語である。 三組の家族に共通するところは、家族のひとりが不慮の死を遂げることである。
そして、私たちは愛に帰る (シャーロットの涙)
今年のマイベスト1候補☆
そして、私たちは愛に帰る (日っ歩~美味しいもの、映画、子育て...の日々~)
ハンブルグに住むトルコ人移民の大学教授、ネジャットの老父、アりは、ブレーメンで一人暮らしをしていましたが、ある日、同郷の娼婦、イェテルを家に住まわせるようになります。ところが、アリは、ふとしたことから激昂し、誤ってイェテルを死なせてしまいます。ネジャッ...
「THE EDGE OF HEAVEN」 そして私たちは、愛に帰る 感想 (ポコアポコヤ 映画倉庫)
トルコ系ドイツ人であるファティ・アキン監督の、2007年のカンヌ国際映画祭で脚本受賞映画。 全く飽きさせず、どうなるんだ??と、最後まで...
「そして、私たちは愛に帰る」 (ハピネス道)
JUGEMテーマ:映画  ドイツとトルコ。2000キロ離れた二つの国を舞台にくり広げられる3組の親子の不思議なめぐりあわせの物語。テーマは「愛」と「死」と「許し」1960年代、経済成長をつづけるドイツには多くのトルコ人が働き手として移住していたそうです。...
「そして、私たちは愛に帰る」あるいは「天国のほとりで」 (再出発日記)
「そして、私たちは愛に帰る」この題名はよくないと思う。また、宣伝用のあおり文句もよくないと思う。こんな文句だ。「幸せと不幸せは、背中合わせ。だから人生はいつだってやり直せる」「ドイツ・ハンブルグ、トルコ・イスタンブール。2000キロにわたってすれ違う、3組....
そして、私たちは愛に帰る ▲11 (レザボアCATs)
ドイツ系トルコ人の監督、ファティ・アキンの意欲作。3組の家族が運命的に交差する。ドイツとトルコ、国境を越え行き交う人々の物語。この中に、監督自身の思い、現在のトルコの姿、ヨーロッパの姿が浮き彫りにされる。
そして、私たちは愛に帰る■素晴らしいラストシーン! (映画と出会う・世界が変わる)
大学講師の息子と、その息子を男手ひとつで育てあげ、余生を娼婦と過ごそうとする父。トルコからドイツに出稼ぎに来て娼婦として暮らす母と、反政府活動家としてトルコを追われたその娘。その彼女を救うためイスタンブールに旅立つ女子大生と、彼女の身を案じながらも素直...
そして、私たちは愛に帰る■最後はトルコで (映画と出会う・世界が変わる)
映画が始まり、スクリーンにプロダクションなどの紹介字幕を映し出しながらさざ波の音が聞こえる。これはラストでネジャットが父親のアリを待っているときの海辺のシーンにつながっていく。ネジャットが父親に渡した本は何というタイトルなのだろうか?ドイツで渡された本...
「そして、私たちは愛に帰る 」 Auf der anderen Seite (俺の明日はどっちだ)
国内に270万人ものトルコ系移民を抱えるドイツとEU加盟問題に揺れるトルコ、そんな両国を舞台に2000キロの距離を経て3組の親子が、運命のままにめぐり合い、別れ、そして喪失の悲しみを乗り越えて、愛と希望を見いだす心のロードムービー。 娼婦と暮らし始める移民...
映画 【そして、私たちは愛に帰る】 (ミチの雑記帳)
映画館にて「そして、私たちは愛に帰る」 ドイツ・トルコ映画。第60回カンヌ国際映画祭最優秀脚本賞受賞作品。 おはなし:娼婦と暮らす父と、大学講師の息子。出稼ぎに行った母親を探す反政府活動家の娘。友人を救うためにトルコへ旅立つ娘を見送るしかない母親。三組の...
そして、私たちは愛に帰る (サムソン・マスラーオの映画ずんどこ村)
   = 『そして、私たちは愛に帰る』  (2007) = 一人暮らしの老人アリ(トゥンジェル・クルティズ)は、トルコ人娼婦のイェテル(ヌルセル・キョセ)と一緒に暮らし始める。 彼女はアリの息子ネジャット(バーキ・ダヴラク)に、娼婦になった理由やトルコに...
「そして、私たちは愛に帰る」 (心の栄養♪映画と英語のジョーク)
人間、究極は愛と包容力なのかもしれない・・と思いました