銅版画制作の日々

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ペルシャ猫を誰も知らない(2009)●NO ONE KNOWS ABOUT PERSIAN CATS

2010-11-23 | 映画:ミニシアター

 トゥモロー~♪明日はあるのかしら?

京都シネマにて鑑賞。

生き難い国ですね。つくづく日本の自由さを実感します。ましてや若い人にとっては本当にお気の毒だと思います。主人公ネガルとアシュカンは、イランの首都テヘランでバンドを組んで活動していましたが、音楽の活動には自由がありませんでした。いやあ驚きました。こんなに規制があるとは、、、、。アシュカンは無許可で演奏したというだけで、警察に逮捕されていたなんて、これも凄い話です。
結局イランでは限界があると考え、ついに国外へ脱出して音楽活動しようと考えるわけです。ところが海外脱出もそんなに簡単ではない。
渡航するためのパスポートやビザを取得するのも容易ではないのです。ネガルは、パスポートもビザもOKですが、アシュカンについてはそれらの手続きが必要なですが、なかなかそれが難しい。

世の中金次第??偽造パスポートにビザを作成には高額なお金が必要みたいです。

パスポートやビザを作るのは、闇業者があります。ネガルとアシュカンはババクから、便利屋:ナデルを紹介され、ナデルの口利きで業者と会いますが。。。。。何やら細かく金額の提示をされていましたね。
ナデルは彼らのデモCDなるものを聴き、惚れ込んだようです。コンサートの実施や海外への出国に協力するとまで言いだし、2人はナデルを信頼?(ちょっと疑いもあったり)。彼の協力を受けることにします。

 
アシュカンが警察に拘留されていたため、かってのバンドは解散。そのため一からバンドのメンバーを探さなければなりません。ナデルの導きでメンバー探しが始まります。ということでナデルのバイクに3人乗りでメンバー探し。

ナデルを信用していいのかしら?とネガル。急に連絡がとれなくなったりするもんだから、余計に疑ってしまう。確かに何か調子良さそうで、ちょっと心配だわ。私もそう思いましたね。

牛小屋で練習するへヴィメタバンド、ネガルは鼻をつまんでいた。かなり臭うようですね。激しい音のため、牛にも悪影響があるらしい。牛を世話する人は、かなり怒りモードでしたね。音響効果が良い場所での練習なんて出来ない。そんな厳しい現状なんですよね。そうそう電気を止められてしまうバンドもあった。
とはいえ、そんな厳しくても意外にバンドの連中は切羽詰まった様子はあまり感じられない。何故なのかしら?なるようになるさって感じなのかなあ。演奏も音楽活動も、CD作りもすべて役所の許可が必要というのは面白い話ですね。


コンサートの照明設備もないので沢山のローソクを灯す。なかなか良いんじゃあないですか。不自由な環境の中で考えて色々な工夫も活きている。

 先の見えない若者たち。でもそれなりに何とか模索しながら、希望の光を見つけるべく毎日を頑張っている。それが大事ではないかと思いました。

 

ストーリー(キネマ旬報より拝借)

テヘランで音楽活動をするネガル(ネガル・シャガギ)とアシュカン(アシュカン・クーシャンネジャード)はインディー・ロックを愛するカップルだが、テヘランでは演奏許可が下りない。そこで2人はロンドンで公演することを目指すが、無許可演奏を理由に逮捕されていたアシュカンは釈放されたばかりで、バンドのメンバーもばらばらになってしまった。2人は違法にパスポートやビザを取得しようと、エンジニアのババクに相談する。ババクは2人に、便利屋ナデル(ハメッド・ベーダード)を紹介する。2人が無許可で作ったCDを聴いたナデルは彼らの才能に驚き、出国前にCDの製作許可もコンサートの許可も取りつけると言う。そのためにバンドのメンバーを探し始めた彼らは、有名な歌手のラナ・ファルハン、牛小屋で練習するヘヴィメタル・バンド、3度の逮捕歴がある友人のバンド、ババクが率いるブルース・バンド、渡航経験のあるフュージョン・バンド、ラッパーのヒッチキャスなどを訪ねていく。しかし演奏許可が下りるとは信じていないネガルは、偽造パスポートが入手できるかを心配している。2人はナデルに頼み、偽造を一手に引き受ける老人ダウッドの元へ行く。それだけでなく、ロンドンで演奏する曲作りもはかどっていなかった。ナデルは2人を安心させるため、コンサートさえ開けば金は工面できると言う。

ネガルの不安が的中となります。。そう実はえらい状況になるんですね。でもナデルが悪いわけではないのですが、、、、。このことでナデル自身が失意に陥ることになります。そしてそれはまた予想もつかない状況へと繋がって行きます。
このオチがやはりイランという国の体制に対しての監督の伝えようとするメッセージなのかもしれませんね。

 

何とこの作品の撮影を監督は無許可で敢行していたそうです。以下そのことについて記事を記しています。また監督の来日の予定も当初行われるはずでしたが、、、、。中止となったそうです。(シネマトゥディより)

西洋文化への規制が厳しいイラン国内で、ゴバディ監督は無許可でゲリラ撮影を決行。そのまま国内にとどまることは危険だったため、撮影終了後にイランを離れた。だが、来日のためパスポートの再発行を在外のイラン大使館・領事館に依頼したところ、「イランに戻らなければ発行しない」と告げられていた。

 ゴバディ監督は来日中止を告げるメッセージの中で、「今の私がイランに戻るということは、刑務所に入れられるか、二度とイランの外へ出られないかを意味しています。そのために今回は残念ですが、日本へ行くことを諦めなくてはいけませんでした」と事情を説明。自由な創作活動への願いを込めたからこそのゲリラ撮影だったが、そのために行動を制限されるといった皮肉な結果となってしまった。現在、ゴバディ監督はイラクのクルド人自治区に滞在しており「そこを第二の母国として、新しい国籍のパスポートを得たいと思っています。そうすればまた旅ができるようになります」と今後の展望を語っている。

ラストについて少しネタばれ。。。

実は偽造を一手に引き受ける老人の逮捕が、渡航が出来ない理由でした。

この人がその老人です。

ナデルは失意のどん底に落とされてしまいます。もうネガルとアシュカンのロンドンへの脱出は不可能な状態に、、、、。

解説(allcinemaより拝借)

酔っぱらった馬の時間」「亀も空を飛ぶ」のクルド人監督バフマン・ゴバディが、初めてイランの首都テヘランを舞台に撮り上げた青春ドラマ。反イスラム的との理由で西洋文化の規制が厳しいイランで、それでも好きな音楽をやりたいと当局の目をかいくぐりながらアンダーグラウンドに活動を続ける若者たちのリアルな実像を、骨太な批判精神とユーモアとともに描き出していく。前作「ハーフムーン」がイラン当局の検閲を受けたり、別の映画企画で撮影の許可が下りなかったことなどから、ゴバディ監督は本作では許可を得ることなく危険なゲリラ撮影を敢行、その後はイランを離れ、海外での生活を余儀なくされている。また、出演者のほとんどは実在のミュージシャンたちで、主役の2人も撮影終了の4時間後にはイランを離れ、ロンドンで新たな音楽人生をスタートさせているとのこと。

実際に主人公の2人がイランを離れたというのはまたまた驚き!確かにこの作品に出ているというだけで、政府から睨まれているでしょうし、、、、。脱出したのは正解かもしれませんね。しかし作品作りもある意味命がけですね。

  映画
上映時間 106分
製作国 イラン
公開情報 劇場公開(ムヴィオラ)
初公開年月 2010/08/07
ジャンル 青春/ドラマ/音楽

 

オフィシャル・サイト
http://persian-neko.com/
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Unknown (KLY)
2010-11-23 23:32:24
音楽に国境はないといいますが、この作品が本国で観られないけれど、その情報を遮断することは出来ないというのが象徴的かなと思いました。
こういう若い世代がいる限り、徐々に国は変わっていくだろうし、変わって行かなきゃいけないんだろうなと。
その後の (sakurai)
2010-11-25 07:53:43
ことをトンと知らずにいたんで、勉強になりました。ありがとう。
今はイラクのクルド人地区にいるんですか。
なるほど。
彼が今まで撮ってきたクルドを舞台にした映画は、それはそれはやりきれず、こんな世の中、こんな地獄のような世界が、この地上にあっていいのか・・・というくらい、愕然とする話でしたが、こっちはずいぶんと明るく感じたんですよ。
テヘランが舞台だし、クルドに比べりゃ・・・と、結構気持ちは軽かったんですが、そんな甘いもんやおまへんで!でしたね。
なんだか同じ人間として、同じ時を生きてる身として、情けない気持ちになりました。
きっとゴバディ監督は、どこでも現実をえぐる作品を撮られると思いますが、それが何を描こうとしているのか!ということをわれわれはちゃんと見ないといけないなあ。。。と、改めて思いました。

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