銅版画制作の日々

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THIS IS ENGLAND(2006)◆SKINS HEADなやつら

2009-05-25 | 映画:ミニシアター


誰もが描いてこなかった1983年のイギリスがここにある。

スキンヘッドたちの物語が、100万ポンドを超える興行収入を記録する大ヒット!


22日が上映最終日なので、急いで鑑賞することになりました。20:00からの上映でしたが、お客さんは結構入っていました。

お話は1983年のイギリス、サッチャー政権の下、フォークランド紛争が泥沼化していた。

イギリスって結構音楽が盛んなところですよね。でも詳しいことは分からないな。なのもんで、80年代のイギリスのことももちろん分かるはずない。しかもこの80年代のイギリスのことは今まであまり語られていなかった。

実は、80年代はスキンヘッドたちが独自のファッション・スタイルを極めた一大カルチャー・ムーブメントだったそうだ。男は丸刈りのスキンヘッド。女は後ろ半分を刈り上げたヘアスタイル。必須アイテムはドクター・マーチンのブーツ、ベンシャーマンのシャツ、フレッド・ペリーのポロシャツ、ロールアップ・ジーンズ、サスペンダーにクロンビー・ハット・・・・。これがスキンヘッドのファッション・ステートメント!

カルチャー・クラブやストロベリー・スイッチの華やかな80`sの裏に存在したのがスキンヘッドたちなんだね。
彼らはOi!パンクへと繋がる激しいイメージだけでなく、スカやレゲエも愛していた。そして西インド諸島の黒人たちとも仲良くやれたのだ。
そんな“スキンズ”の歴史はすなわち 、イギリスの歴史でもある。

「THIS IS ENGLAND」もこれまたイギリス!矛盾だらけのフォークランド紛争に踏み込ませたサッチャー政権下の80年代にスキンヘッドとして育ったシェーン・メドウス監督の自伝的物語でもある。

 シェーン・メドウス監督

STORY

ミットランド地方と呼ばれるイギリスの中部の町。83年、流行遅れのベルボトムを同級生にからかわれて思わず喧嘩してしまう12歳の少年ショーン。校長からTAIBATUをくらい、いくら洋服を学校で茶化されたと言っても母には理解してもらえない。そのうえ、髪型だって自分でダサいと分かっているのに、女手ひとつで育てくれた母親に強くも言えない。頼みの父親も、サッチャー政権で起きた矛盾だらけのフォークランド紛争で命を落とした。流行のモッズやカルチャー・クラブ風のファッションをねだれるほどの家庭環境ではないこともショーンにも分かる。

当時流入していたパキスタン人の商店で苛立ちをぶつけても何も解消されず、帰り道で公団の端にたむろしていたスキンヘッドのギャングたちにからまれてしまう。だが泣きながらも気丈な抵抗を見せる彼に、リーダーのウディは思いのほかやさしく、彼の中にかっての自分を見たのか、ショーンを仲間として迎えてくれる。

ショーンは仲間として迎えてもらう。狩りと称して廃屋で攻撃し合い、家に集まって音楽を聴く時間は、初めて“仲間”を得たショーンにとって最高だった。兄貴のように頼れるウディはベン・シャーマンのシャツをプレゼントしてくれた!


ガールフレンドのロルと他の女の子たちも彼の頭をスキンヘッドに刈ってくれた。黒人でメローなミルキーや、ケス、ピューキー、DEBUで使い走りのガジェットも徐々に認めてくれ、ボーイジョージのファッションとメイクで固めたスメルは12歳のショーンにファーストKISUの体験までさせてくれる。

そんな中、刑務所から年長者ぼコンボが出所してきてから状況は一変。
ウディは自分の代わりに罪を被り、チクらなかったコンボに頭が上がらない


コンボ(スティーヴン・グレアム)が帰って来た・・・・。

コンボは刑務所で新しいい使命を見つけて来た!それは外国人排斥運動だ。右傾化したナショナル・トラスト(国民戦線)への参加を呼び掛けるというものだった。強引に事を運ぼうとするコンボに胡散臭さを禁じ得ないウディやロルは参加せず、父親を国に取られたと感じるショーンを含めた他の少年たちは、田舎で秘密裏に行われる集会に同行する。


仲の良かった仲間はその日を境に分断されることに・・・・。コンボ側につかなかったミルキーに、コンボは接近する。やさしくてオープンなミルキーは何の疑いもなく彼を受け入れる。だがミルキーが黒人の愛にあふれた大家族で育ったことを知ると、突然コンボは豹変。とんでもない行動に出る。部屋の外に追い出されたショーンはただ泣き叫ぶしかなかった。その瞬間、全ては終わった。
83年も、彼らのギャングも、ショーンにとっての子供時代も・・・・。


ショーンが手にしている国旗はイングランドの国旗です。

ちょっとここで勉強です。

イギリス(連合王国)は、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの4つの国から成り立っていて、元々はそれぞれが独立した国でした。それぞれ国旗を持っていました。(イングランド=イギリスではないのです)

映画の舞台となったイギリス中部のミッドランド地方はシェーン・メドウス監督の地元でもある。

先の見えない不況の中、音楽を愛し、ただ仲間とつるんでいた労働者階級の若者たちが時代に見放されていく戸惑いや苛立ちをナショナル・フロントといった、右傾化した政治集団に利用された背景もあり、それがスキンヘッド集団の暴力的なイメージとなってしまっているようだ。監督曰く“無知ゆえに、不満を吐き出すため”という単純な動機でこの運動に賛同したのだろう。無知とは言え、彼らは確かに存在したのだと。表現する方法は外見だったのだ。

日本もかっては学生運動で燃える若者が多く存在しました。私が大学に入る少し前でしたが。さまざまなグループが存在して、大学を封鎖するということもあったりしました。今はそんな気配は全くないですね。若者の生き方は時代とともに変わってきてます。ハングリーな若者は消えてしまったような感じですね。

そんなことを思いながら、この作品を鑑賞しました。
ショーンは12歳、日本でいえば小学生なのに凄いよね。かなり年の差がある若者たちと共感できるなんて・・・・・。大人顔負け!

 
ショーン(トーマス・ターグーズ)主役に抜擢されたのが13歳のときだそうです。現在は16歳。

主なキャスト陣

ウディ ジョー・ギルガン

ロル  ヴィッキー・マクルア

ミルキー アンドリュー・シム

ガジェット アンドリュー・エリス

スメル ロザムンド・ハンソン

ピューキー  ジャック・オコンネル

ケス   キアラン・ハードキャッスル

 

「家族のかたち」のシェーン・メドウス監督が、自らの少年時代の記憶を重ねて描く社会派青春ドラマ。フォークランド紛争直後、サッチャー政権下の1983年を舞台に、英国の一地方都市に暮らす労働者階級の少年を取り巻く日常と成長物語を、当時の社会情勢や若者文化を背景にリアルかつ瑞々しいタッチで綴る。(allcinmaより抜粋)

イギリスファッションの情報も満載。そういう意味で、映画を観る価値あり

 

メディア 映画
上映時間 98分
製作国 イギリス
公開情報 劇場公開(キングレコード=日本出版販売)
初公開年月 2009/03/14
ジャンル ドラマ

オフィシャル・サイト
http://www.thisisengland.jp/
 
 
 
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1 Comments

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この映画 (rose_chocolat)
2009-05-25 11:09:08
パンクですね。 何か筋が通った感じがしてすごく自分は面白かった。
あんなに小さくてもいっぱしに主張があって、背伸びしながら懸命に年長のコと渡り歩いているショーンが健気でした。

このトーマス・ターグーズの実のお母さんは、彼の映画を観ることなく30代の若さで死去したそうです。そんな話を聞くとちょっと切なくもなりますね。
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