銅版画制作の日々

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ジェリー・フィッシュ ふわふわ~~くらげのように生きる人たち

2008-07-29 | 映画:ミニシアター

 

ジェリーフィッシュ

なんともいえない不思議な作品「ジェリー・フィッシュ」を7月25日、京都シネマにて鑑賞しました。バディアと浮き輪少女のお話を軸に3つのお話が展開されます。

 

テルアビブ市内の結婚式場で働くバティアは、恋人と別れたばかり。おまけに職場では失敗続きの上、アパートは水漏れ状態で、どうにもさえない日々を送っていた。そんなある日、海辺で浮輪をつけた少女と出会う…。アクシデントから新婚旅行先の変更を余儀なくされたケレンとマイケルは、滞在先のホテルで険悪な状況に陥り…。フィリピンから出稼ぎに来ているジョイは、気難しい初老の女性マルカの世話を頼まれるが…。

骨折というアクシデントに遭遇したケレン、ホテルのみの新婚旅行となってしまうところがここで謎の女と夫が・・・・・気を揉むケレン。

イスラエルの港湾都市テルアビブを舞台に、波間を漂うくらげのように心細くて危なっかしい人々のさまよい生きる姿を、ユーモアとウィットを随所にちりばめながら詩的に描いたのは、同国のベストセラー作家エトガー・ケレットと、やはり作家で詩人でもあり、脚本も担当したシーラ・ゲフェン。プライベートでもパートナーである二人は、母国の歴史的・社会的背景を巧みに取り込みつつ、親子や夫婦間のすれ違いなど、より普遍性を持ったドラマを展開させ、ほんの少しの寛容さや思いやりが、孤独な心の特効薬になることを思い出させてくれる。2007年のカンヌ国際映画祭で最優秀新人監督賞にあたるカメラドールを受賞した佳品。(goo映画より)

 

最初の場面はバティアが恋人と別れちゃうシーンから始まる。二人の後ろは、青い海のような背景。何か素敵な場所での別れかと思いきや、それはトラックの車体の柄だった。そのトラックが行ってしまうと突然現れた風景は殺風景な場所。そこにバディアはひとり取り残されていた。何か想像していたら、現実に戻された気分になる。

バディアは恋人が去った後も、そのボロアパートにひとりで住むことに。あちらこちらぼろぼろ(>_<)何か悲しくなってしまう。それなのに、アパートの大家は家賃を値上げすると言ってくる。水道はひねっても水が出ないし、その上に天井の雨漏りときて、最悪何とかしてと訴えるバディア。

彼女は結婚式場で働く不器用なウェイトレス、支配人はそんなバディアがヘマをやらかすごとに、小言をいう嫌な奴だ。

ある日バディアは、海岸で浮き輪をつけた幼い少女と出会うバディアが質問しても何も答えない少女、迷子の少女をひとまず、警察へ。しかし捜索願いも出ていず・・・結局バディアが預かることになる。

彼女の衣服が必要となり、父の元へ。バディアの両親は離婚していた。母は慈善活動家として、メディアにも登場するほどの人だが、しかし彼女にとっては決して母親という存在ではなかった。一方父は女好きで、今も若い女性と暮らしていた。そんなバラバラの家庭で育ったバディアはず~と孤独な少女時代を過してきたわけだ。を少女に着せようと浮き輪を外そうとすると、キャァ~~と高~い声で叫びだした。その表情には自分の一部を剥ぎ取られてしまうという感じなのか・・・・・。仕方なく、その浮き輪の上から衣服を着せるバディア。

印象深い場面は、バディアと浮き輪少女が、天井から漏れた水を口をあけてむさぼるシーン。そんな娘の状況も関係なく、自分の活動についてのことをで報告する母、何かあまりの親子のギャップに悲しいものを感じる。

ある日バディアは母と待ち合わせ、そのとき事故に遭遇することに

事故に遭ったバティアの脳裏を、幼少時代の映像が通り過ぎる。彼女の胸の奥の痛み。買ってもらえなかったアイスクリーム。海水浴に来たものの、浜辺で両親はけんかを始め、居場所のないバティアは浮き輪を付けて海を漂う。あたかも“くらげ”のように。バティアにとって海は現実逃避の場所である。海で出会った少女は浮き輪を放すことを頑なに拒む。浮き輪をはずして陸に上がれば、辛い現実と対峙しなければならない……少女の姿は、バティア自身かもしれない。

イスラエルといえば、ホロコースト(大量虐殺)に中東戦争。そんな悪夢の中で生きる人々の苦しみ。各国からの移民を受け入れ、アジアからの出稼ぎ労働者によって支えられる社会となっているのが現状だ。

ジョイもアジアからの出稼ぎ労働者、フィリピンでは息子が彼女を待っている。つかの間の、短い時間に息子と交わす会話が印象深い。

 

突然、浮き輪少女はいなくなる。だがまた再会をすることに・・・・・。それは何と水中での再会でもそれは決別でもあった。幻想的な映像にうっとり、悲しいけど綺麗そしてあのアイスクリーム屋のおじさんとの再会も。

バディアのこの先は一体どうなるのか?エンディングの音楽が流れ始める。名曲「La vie en Rose」である。何か良さそうな気もする。きっと幸せになれるような?そんなラストだった。

 

   

公式サイト

 

 ※ティアラをつけたウェイトレスって面白いですよね。お国柄なのか?どうなんでしょうね

 

 

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1 Comments

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Unknown (ささみ)
2008-07-30 21:38:03
こんにちは。

浮き輪を外そうとするシーンがユーモラスでかわいくって、とても印象に残ってます。

バティアが働いてたレストランはブライダル専門なんですかね?
だからティアラを付けてたのかなぁ、と推測しております。

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