Metropolitan Diary (メトロポリタン ダイアリー)

New York Times に毎週1回掲載される読者投稿欄、「Metropolitan Diary」の自由訳です。

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管理人から

2010年02月21日 | その他
当ブログは下記URLへ引越しました。

メトロポリタンダイアリー

FC2ブログというやつです。今後ともよろしくお願いいたします。

管理人
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It happens.

2010年02月20日 | バス
DEAR DIARY:

マンハッタンのアップタウンを走るバスの中で、私はぼんやりと窓の外をながめていました。乗ってきたばかりの乗客がバスの通路を奥の座席に向かって進んでいたのですが、突然、老齢のご婦人が立ち止まって、大きな声をあげました。

「あら、主人を忘れちゃったわ!」

窓の外を見ると小柄な老人が手を振りながら息を切らせて走っています。バスの中の乗客は皆(笑いをこらえながら)運転手の方を見ました。運転手は笑いながらゆっくりとスピードを落として歩道のそばにバスを停め、ドアを開けて待ちました。ようやく追いついて肩で息をしながら老人がバスに乗り込んでくると、中で待ちうけていた奥さんの腕に抱きとめられました。老人は目を丸くして大きな息をしながら、とぎれとぎれにやっと言いました。

「マーガレット、わしのことを、置いてくなんて!!」

バスの後方から、誰かがかわりに返事をしました。

「こういうことって、あるのよ、悪気じゃないと思うわ!!」

Rita Gardner
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リス

2010年02月19日 | 街角・公園・建物
Dear Diary:

私は最近カリフォルニアからこちらに引越してきました。アッパーウェストサイドのアパートメントに住んでいて、その日は部屋に飾るプラントを買いにお店に出かけました。手ごろな鉢を見つけてレジの順番待ちをしていると、前に並んだ年配の夫婦が店員さんに話しかけています。

「リスを追っ払う何かいいモノ置いてないかしら?殺す訳にもいかないし。何か追い払えるモノがあるといいんだけど」

一緒にいたご主人が横からこう言いました

「いや、もう殺しちまう方が早いさ。かまうもんか」

それを聞いて側に並んでいた別の夫婦が声をかけてきました。

「まあ、リスに困ってらっしゃるのね。うちもそうなのよ。どちらにお住まいなの?」

この二組の夫婦はお互いとても近いところに住んでいることが明らかになりました。

「で、一体どんな感じのリスなのかしら?」

どうやらそのリスは両家(を含むご近所を)を悩ます同じリスのことだったと知れました。

「あのリスよね。やっぱりそうだったわ。リスのくせにひどく獰猛で、ビー玉みたいに大きな目をしてるのよ」

「あれにゃ、お宅同様、うちもいい迷惑してるんだ。どうですか、一緒に『処分』してやろうじゃありませんか?」

二組の夫婦の話がまとまりかけた時、カウンターの向こうの店員さんが静かに言いました。

「皆さん、失礼ですが、ここじゃ誰もリスを殺したりしません。ここはマンハッタンです。みんな何とか仲良くやって行くんです。」
  
Naomi Starkman
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ドライマティ-ニ

2010年02月17日 | レストラン・食べ物
Dear Diary:

生まれて初めてドライマティーニを飲んだときのことは今でも忘れません。それはウォ-ルストリートの近所にある豪華なバーでのことでした。私は前の日に飛行機でノースカロライナからニューヨークにやってきて、その日、ある出版社の編集部門の就職試験を受けたのです。無事、面接が終わって、まだ帰りの飛行機まで時間があったので、その会社の人が親切にも「ちょっと一杯」と誘ってくれたのです。

ノースカロライナは保守的な町で、20代前半の私はこれまで一度もバーに入ったことはないし、カクテルを飲んだことさえありませんでした。でも、もちろんそんなことはおくびにも出さず、その会社の人と二人でバーに入りました。

そこはとてもゴージャスな雰囲気のバーで、面接で会社を訪れたときよりもずっと緊張してしまいました。カウンターに腰かけて、さて何を頼んだらいいのやら、さっぱり見当がつきません。目を閉じて、昔見た映画のシーンを必死で思い出しました。うん、こういうときは「ドライマティーニ」を頼むんだ、それも思いっきり「ドライ」なやつを!

目の前に置かれた「エクストラドライマティーニ」を一口含んでみると、それはヒドイ味でした。ぐっとこらえて薬を飲むように呑み下し、にっこり笑顔を作りました。口直しにと思って、グラスの中のオリーブを頬張ると、こちらは本当に素敵な味でした。オリーブがこんなに美味しいと思ったのは初めてです。

「もう一杯どう?」と尋ねられたとき、私はうなずきました。そして「同じものを、それからオリーブを二つ入れて下さる?」と注文しました。オリーブだけ頼むなんて、このニューヨークではちょっとみっともないことかも、と思ったからです。

二杯めのマティーニは最初のと同じくらいヒドイ味がしました。さっさと目をつぶって呑み下して、ゆっくりと二つのオリーブを味わうことにしました。

三杯目にすすむ時間がなかったのは幸いでした。さあ、もう行かなくちゃと、立ち上がろうとすると・・・、立てません。何とか手を貸してもらって通りまで出ると、タクシーをとめて私を座席に無事押し込んでくれました。運転手さんに行き先まで説明してくれて、「気をつけて!!」と見送ってくれました。

言うまでもないことですが、もちろん、その会社には就職できませんでした。そして、これももちろんのことですが、それ以来、私は一度もマティーニを飲んだことはありません。

Mary Lee
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正義の味方

2010年02月16日 | 街角・公園・建物
Dear Diary:

スワジランドから引っ越してきたお友達と、グリニッジヴィレッジで待ち合わせしていた時のことです。この日、彼女は親の車を借りて初めてマンハッタンを自分で運転してやってくるのです。

私は待ち合わせの場所まで歩いて行きました。すると、なんと運のいいことでしょう!ちょうど1台分の駐車スペースが空いているのを見つけました。しかもパーキングメーターの無い通りなんです!私はすぐ携帯を取り出して「駐車スペース見つけたから早く来て」と電話しました。

そのスペースを確保するためにじっと立っていると、1台の車が近づいてきて、私のことをじろじろとながめました。不機嫌そうな顔をしていましたが、あきらめてくれて、そのまま通り過ぎて行きました。ところが、その次にやってきた2台めの車(何だかすごい高級車)の運転手さんは、いやな奴でした。ウィンドウを降ろして、私に向かって場所を空けろと命令するのです。

私は、もうすぐ友達がやってくるからと言ったのですが、聞いてくれません。そこをどけ、と大きな声で言い返されました。私は身長155㎝しかないし、相手は乱暴な言い方をするし、悔しいけどあきらめるしかありません。後ろに下がって場所を空けました。

ちょうどその車の後ろにハーレイ・ダビッドソンに乗って待ってる人がいたので、私は肩をすくめて「あの人、きっとニューヨークじゃ、みんなこうやって場所とりして助け合うんだってこと知らないんだわ」と愚痴をこぼしました。

そしたら驚いたことに、そのハーレイに乗った男の人が、駐車しようとしてバックを始めた車のわきからハーレイを滑り込ませて、駐車スペースにデンと停めてしまったのです。車の方の運転手はどうする事も出来なくなって、とうとうあきらめて走り去って行ってしまいました。

友達がやっと現れるまでの数分間、そのハーレイおじさんは私の守り神のようにそのままそのスポットに居てくれました。

正義の味方に守られて、悪者を追っ払う勝利の快感、本当に嬉しかったわ!

Susan Banki
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ボーナス

2010年02月15日 | 街角・公園・建物
Dear Diary:

冷たい空気が心地よいある冬の日の朝、街全体が一年の終わりに向けて色づいている、もちろんウォールストリートも例外ではない。

アッパーイーストサイドの歩道で、学校に送る途中の小さな女の子に話しかける母親の声が耳にとまった。

「そうよ、新しい言葉のスペルを覚えるのは、とっても大切なことなの。そうね、例えば、『Bonus』ってどうつづるか、分かる?」

Leonid Poretsky
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イタリアン

2010年02月14日 | 街角・公園・建物
Dear Diary:

日曜日の朝、ワインを買うために、一番街のいつものお店まで、主人が歩いて向かっていた時のことです。一台の車が近づいてきて、主人のそばに停まると、中から「失礼ですが」と声をかけてきました。何のことかと思っていると、「そのコートはもしかするとイタリア製ですか?」と尋ねられたのです。

主人は私が選んであげたゴージャスなラクダのコートを着ていたのですが、前のボタンを外して内側のラベルに書かれている「Made in Italy」という文字を読んで聞かせました。

すると、車の人が言うには、ジャヴィッツセンターで行われているファッションショーの仕事でニューヨークにきた、これから空港まで行きたいのだけど道が分からなくなって困っている、空港までの道を、イタリア語で教えてくれる人をずっと探している、ということでした。

主人はイタリア語は苦も無く話せるので、丁寧に道順を教えてあげました。するとその人は大層よろこんで、ショーで使った生地の残り物なのでしょうか、立派な布地を、お礼にと言って主人に渡そうとしました。主人はそれには及ばないからと、丁重に辞退したそうです。

Mo Johnson-Laird

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訳者注:
ニューヨークはイタリア系アメリカ人が多く暮らす地域である。イタリアンレストランは庶民の日常のお店から高級店まで数多くある。ファッションやワインも、フレンチというよりはイタリアンの方がが幅を利かせているように思える。
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きよしこの夜

2010年02月13日 | 街角・公園・建物
DEAR DIARY:

数年前のクリスマスシーズンの頃でした。日曜日の朝はやく、まだ夜明け前に、近くのアパートメントから大音量のクリスマスソングが流れてきてびっくりしたことがあります。

いくらクリスマスが近いと言ったって、もちろんそんな気分に浸れるような時刻ではありません。ただ、その人の選んだ曲については、ちょっぴり苦笑いさせられましたけどね。「Silent Night」でした!

Rachel Antman
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駐車御免

2010年02月11日 | レストラン・食べ物
DEAR DIARY:

モーニングサイドハイツで友人のバースデイパーティーがあって、その帰り道、僕とガールフレンドのターニャはアパートメントへ向かって歩いていた。パーティーはずい分盛り上がって、その晩はとても遅くなった。いつもはこんな時間には決して出歩いたりしない。ようやく近所までたどりついたとき、あー、やばいことになってる、と思った。

アパートの前の道路わきの駐車スペースにきちんと停めていたはずの僕の車が、警察のレッカー車に繋がれて全然別のところに移動されているのが目に入ったのだ。そんなはずはないのに、という思いと、きっと何を言っても彼らには通用しない、というあきらめの思いが交錯した。

とにかくそばにいた警官に声をかけた。すると驚いたことに、僕の車は駐車違反で移動される途中というわけではなかった。何か大がかりな映画の撮影がこれから始まるということで、道路わきに駐車している車をすべて移動させているところだというのだ!

そうして勝手に移動させた車のフロントガラスには、マンハッタンの駐車禁止ルールを二日間だけ免除するという「48時間駐車御免ステッカー」を貼るという。つまりニューヨーク市警からのささやかなお詫びのしるしというわけだ。これなら翌朝びっくりした持ち主も確かに納得するだろう。

警官は「今から車に乗るんなら、どうぞ」と言ったが、僕はあわてて答えた「あ、いや、結構ですよ、どうかそのまま。ええ、ステッカー貼ってそのままにしといて下さい!」

David M. Schneider
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「ワルキューレの騎行」

2010年02月10日 | タクシー
Dear Diary:

私はニューハンプシャーの田舎の方に住んでいるので、マンハッタンのような大都会の道路というのは、たとえ自分が運転していなくても、怖くて仕方がない。先日、用事でマンハッタンを訪れたときのことだが、タクシーに乗り込むと、ラジオからドビュッシーの「ラ・メール」が流れていた。少し安心した。ゆっくりくつろいで目的地まで行けそうだ。。。

その後の数分間というもの、わが人生で最も恐るべき時を過ごすことになるとは思わなかった。あやうく衝突事故を起こしそうになる、赤信号を二つ無視する、隣を走る車の運転手と怒鳴り合う(中指まで・・・)。一刻も早くこの車から降りたかった。目的地に着くと私は大急ぎで支払いをすませ、歩道に飛び出した。

そのタクシーには、次の乗客がすぐに乗り込んだ。そのとき、車のラジオは「ラ・メール」が終わって、ちょうどワグナーの「ワルキューレの騎行」が始まるところだった。

その乗客には気の毒だが、私としては、危ういところを逃れることができたと思っている。

Geoffrey James

Wagner:ワルキューレの騎行

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