気象が好きなんです。

気象の仕事をしている社会人の日記

これから社会人になる君へ

2012-04-02 00:25:50 | 社会人の日々
お久しぶりです。metloveです。
半年ぶりのブログになります。
去年の今頃崩した体調は、生活に気を付けたおかげで、回復しました。
とはいえ、油断は出来ませんね。
最近は、今更(?)タニタの社員食堂を購入し、塩分やカロリーに気を使った食事を心がけています。おかげで調子いいですよ

さて、私は相変わらず年度末の慌ただしい日々を終え、やっとひと息ついたところなのですが、はたと気付くと、新年度になっていましたね。(今年は4/1が休日だったので気付くのが遅れた…
新年度の始まりということで、去年の今頃から書こうと思っていた記事を書きます。

毎年、この時期になると、街に溢れる新社会人(なんで分かってしまうのでしょうね? スーツの着方と言うか、緊張感と言うか)を見かける度に、気持ちを新たにし、引きしまる思いがするのです。


私の新社会人時代はもう6年前・・・。
高層ビルの隙間に見える青空を見上げながら、緊張に負けないように必死にヒールで歩いていたことを思い出します。
社会人の始まりは失敗が続々…
電話応対、名刺交換、研修、それぞれのシーンで赤面することがたくさんです
それでも、いつしか慣れ、それなりに社会人として進んでいけるようになりました。
ただ、新社会人の時の気持ちは、忘れなくてもいいと思うんですよね。
私なら・・・「気象の仕事がやっと出来るようになった。うれしー」って気持ち。
この気持ちは原点として取っておきたいと思うのです。

社会人生活で大事なのは『素直な気持ちを持つこと』だと思っています。
学生時代よりも価値観も多様で、年代も幅広い人の中を泳ぎ回る様な感覚を持つほど、特に新人時代はいろんなことを言われると思いますが、自分の気持ちはさておき、ひとまず取り入れてみること。
素直さは武器になると思います。

社会人になり、たくさん悩んだ私は、それまで立ち寄ったこともなかったビジネス書コーナーに居ました。
立ち読みし、いくつか自分の心に合った本を通勤時に読んでいたのですが、先人の知恵はやはり励みになりました。
女性向けですが、日経WOMANに出てくる女性もかなり勇気付けられています。

もし、このブログを見ている新社会人の方で、仕事で悩んでいる人が居れば、
佐々木常夫さんの「働く君に贈る25の言葉」をお薦めします。
この本の中にある「それでもなお」という言葉は、何年経っても自分の心を引き締めてくれます。
「強くなければ仕事はできない。
 優しくなければ幸せにはなれない。」

他、たくさんの金言があります。
私も何度も励まされました。


私の社会人生活はつたないものでしたが、幸運なことに、尊敬できる先輩や上司に出会い、学生時代とはまた違う、気象の楽しみを見付けました。
色々考えたのですが、自分の中の好きだって気持ちを維持し続けることは、やはり大事だって思っています。
(そんなんじゃ甘いって声も多いと思いますが…)


新社会人の皆さん、社会人の生活リズムを上手く自分の中に取り入れて、活躍して下さいね
一緒に働ける日を待っています

気象を続けるために

2011-09-11 22:50:45 | 社会人の日々
お久しぶりです。metloveです。
Twitterではほぼ毎日つぶやいていたのですが、なんだか筆が進まず(キーが進まず?)、半年ぶりの更新となります。
仲良しのブロガーさんが更新しているのを見て、よしっと一念発起しました。
このブログは、論理的に話すことが苦手な私が、ちょっと頑張って頭の中の想いを文章化したものです。
それだけに一つの記事を書くのも大変なのですが、このブログはやはり過去の記録としても大事なものです。

記事を書く時間が持てたのとたまたま重なったのですが、東日本大震災からちょうど半年ですね。
皆さんと同じように、私も色々な思いがあります。
今回は、いつもとは少し違う、私の日々にもつながる話をさせて下さい。

2011年は私にとって、思いもよらず激動の年となりました。
社会人として働き始めて初めて、体調を崩した日々がありました。
正直に言って、初めて「気象」を投げ出しそうになりました。
しかし、周りの支えもあり、ペースを調整しつつなら働き続けられると考え、徐々に戻しながら、今では通常通りに働けるようになりました。

体調を崩して初めて考え直したのですが、学生時代の「睡眠時間が少なくても、食事が偏っても、気合で乗り切れる」ではやっぱりダメなんだと思ったのです。
当たり前のこと過ぎて、改めて書くのもためらうのですが、以下のことが大事だと再確認しました。

・睡眠を十分取る(睡眠不足は頭の回転にも女性の美容にも良くない)
・バランスの良い食事(やはり自炊ご飯が味付けの面でもベスト)
・プライベートの時間も取る(ストレスを知らず知らずに解消出来る)

ワークライフバランスの小室淑恵さんが好きで、本も何冊も持って読んでいたのに、実践出来ていませんでした。
今でも仕事の状況が変わった訳ではないのですが、上に書いたことは守るようにしています。

気象が好きだから。
だからこそずっと続けられるように無理しない。

そう心に刻んだ2011年です。

皆さんも、どうか、健康に好きなことを続けられるように、無理はしないで下さいね。

metloveより(今は元気です。)

今、自分に出来ることを -東北地方太平洋沖地震-

2011-03-13 22:22:15 | 防災
お久しぶりです。metloveです。

先週金曜の午後、札幌で長い揺れを感じ、とっさに「震源は遠い、規模は大きい」と感じました。
その直後から、電話回線が不安定になり、職場は安定した気象情報の提供のためにてんやわんやでした。
職場に流れるニュース番組の音声と映像に気持ちを乱されながらも、その日の勤務を終えました。
年度末の業務が詰まっている時期なのですが、週末は報道で気持ちが落ち着きませんでした。

地球物理を学び、仕事にしているにもかかわらず、出来ることの少なさに、無力感が絶えませんでした。
阪神大震災の時と同じ気持ちを、16年経っても変わらずに感じている。
私はこの長い時間の間、何をしていたんだと愕然としました。

ショックを受けている私に、とある人は言いました。
「こういう時に必要な気象情報を提供する仕事なんだから、心を強く持たなきゃ」

私たちの東北にある職場も、被害を受け、業務遂行が困難な状況です。
職場の一員として、私に出来ることは、目の前にある仕事をまず完了すること。
そのためにも心を強く持たなければと思ったのです。

今回の地震では、Twitterでの情報の速さに、時代の変化を感じました。
生活情報や、身の回りの人の安否情報をリアルタイムで確認することが出来ることはすごいことだと思いました。
一方、誤った情報が流れていたり、更にそれが次々とチェーンメールの様に拡散されていることも事実です。
Twitterの情報を、RT(転送)する前に、ニュースソースを確認して下さい。
それだけでも、パニックを防ぐ一助となると思うのです。
(阪神大震災の時も、デマが多く流れました)

ボランティアに駆け付けたい気持ちも、身の回りの物を送りたい気持ちも、とても分かります。
(私も何かしたい気持ちでいっぱいです)
しかし、本当に被災者の人に役立つ送り方を考えなければ、その善意は無駄になってしまうだけではなく、
被災者の方の負担となってしまうかもしれないのです。

(参考)
東北地方太平洋沖地震被災地でボランティアしたいと思っている人たちへ(大阪ボランティア協会)
災害時のボランティア活動について(全国社会福祉協議会)
ボランティア活動の『お作法』集(内閣府)


大切なのは、私たち一人ひとりが、自分に出来ることを考えて行動することではないだろうかと、長い時間考えて、結論に至りました。
私はまず、気象情報を安定して提供できるよう、職務を遂行したいと思います。
そのためにも、まずは自分が健康でいなければ。

未だ多くの行方不明の方のことを思うと、心が痛く、祈ることしかできませんが、
一人でも多くの人に助かってほしいと願っています。

今回の地震で被害を受けました皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
皆さまが、日常に復帰できるその日まで、支援を続けられるよう、
微力ですが、自分に出来ることをこれからも考えていきます。

                         2011.3.13 from metlove

そうだ、観測に行こう

2010-12-31 16:52:35 | 気象(専門編)
この内容で早くブログを書きたいと思いながら、あっという間に大晦日となってしまいました。
大変お久しぶりです。metloveです。

今どきの気象の研究は、やはりモデル計算や解析が多いなぁ(特に学生さんは)と思いつつ、今年の秋の気象学会では観測ネタが多くて、内心やったと思っていました。

そういう私も、出身研究室の大元は観測屋さんだったのですが、時代の流れ(?)で解析メインになっていた頃に在籍していたので、観測に携わるようになったのは実は就職してからな人です。

観測に携わるようになると、必要なものや知識はとても原始的だと実感できます。
使う測器は何十年ものですし、データを取り込むシステムも今や珍しいDOSベースなんてことも。
測器のメンテナンスに必要な工具と知識は、むしろ電気や土木に近いと感じることも多く、実地に出ると今まで学んでいた気象学の教科書の知識は役に立たないと焦ることも多くありました。

特に寒冷地での外作業は、どうしても細かいことがやりづらいので器材の準備や手順の確認は重要だと感じています。
野外作業では当たり前のことなんですが、雪で足を取られたり、吹雪でエネルギーを奪われたりと体力の消耗も激しく、日が暮れてしまうと実質作業はほとんど出来ないという現実があります。

でも、気象データの取得方法を身をもって知ることはとても重要で、だからこそ、データを大切に扱って解析できるようになるのだと実感しています。
データの0(ゼロ)は欠測か、雨や風がないのか、回路のエラーか。
そんなことを読み取る力がないと、このデジタルデータ満載の気象解析の時代を乗り切っていくのは難しいのかもと思っています。

みなさんには簡単な測器セット("Weather station"として売っているものもあります)から気象観測にチャレンジして、その楽しさを知ってほしいですね。
そのデータは誰のものでもない、自分だけの貴重なデータとなるので。


今年は研究発表を久しぶりに行い、2010年後半は割とハイペースで発表していたこともあって、「予稿→解析→発表スライド作成→発表→反省」のサイクルを休む間もなく繰り返してた気がします。
本来業務ももちろんあったので、結構キツイ日々でもありましたが、発表したからこそのディスカッションをたくさんの人たちと出来たので収穫はたくさんありました。

2010年の記事は8つと、こっそり目標としていた『1ヶ月1記事』は達成できませんでしたが、気象について書くことが出来た記事があったのでよかったかなと思っています。

そして、今年はtwitterを始めたことで、新しい交流の場が持てたのではないかなとは思っています。
やはり「ひとこと」ベースで気楽にお知らせが出来たり、気持ちを伝えることが出来ることが魅力かなと思っています。
ブログでしっかり気象の記事を書き上げるのも大事だし、好きなので、2011年ももっとこのブログから発信していけたらと思います。

それでは皆さん、2010年も大変お世話になりました 良いお年を

気象教育普及活動のススメ

2010-10-02 23:43:40 | 科学教育
お久しぶりです metloveです。
前回ブログを書いてから2ヶ月・・・。
旅にも行きました。出張もありました。仕事の山もありました。
あっと言う間でした。

このブログではやっぱり気象の話を書きたいなって思ってます。
今回はここ数年、私が取り組んでいる『気象教育普及活動』の話をしたいと思います。
その活動の幅は広く、気象の知識を伝える講演会やサイエンスカフェから、実験教室などのイベントもあります。
この活動の報告をする中で、「やりたいけど、どうやって始めたらいいのか分からない・・・」という声をよく聞きますので、背中を押すことが出来たらいいなって思って書いています。

もしあなたが学生なら、同じ大学の中でアウトリーチ活動に積極的な団体(研究室や広報室など)に問い合わせてみるのが一番やりやすいかと思います。
もちろん、他の大学でも、大学生・大学院生はサークル活動のように、比較的壁を乗り越えやすいと思います。
問い合わせはメールでも、いざと言う時には直接ドアを叩いてもいいと思います。(大学の人は基本的に積極性を歓迎する方が多いと思います。もちろん事前アポイントがあった方がよいかと思いますが)

もしあなたが社会人なら、ボランティアを募集している団体を探してコンタクトを取るのがよいと思います。地域にある科学館や博物館ではボランティアを募集していることが多いですね。

同じ思いを持つ人が何人か集まったら、グループを組んで活動を始めてもいいですね。
イベントの開催自体のハードルは、それほど高いものではありません。
皆さんの街中でいつも通るスポットも、意外と直接アクセスするとイベントを開催させてもらえたりするのですよ。
もちろん、そこには熱意と、イベントを開催することで得られる相手のメリットを伝える必要がありますが。(いわゆる「企画書」の提出が分かりやすい伝え方ですね)
思っていたよりも話は聞いてもらえるなと思いました。

この活動で一番大切なのは『継続』です。
一見簡単そうな実験でも、材料の確保や台本などの事前準備や、来場者数に合わせた見せ方など、意外と考えることが多く、「大変だ~」と感じることも正直多いです。
それでも「これまで知らなかったことを知れた」「気象に興味を持てた」という声を頂くと、疲れは一気に吹っ飛びます。
継続しているうちに、他から声が掛かることも増えていきます。

「簡単で、分かりやすく、科学的に、気象を伝える」
難しい課題ですが、まずは身近な第一歩から、一緒にやってみませんか?