心の栄養♪映画と英語のジョーク

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「プロテージ 偽りの絆」

2010-01-09 | 映画「は」行
香港の麻薬市場を牛耳るクァン(アンディ・ラウ)の元で、7年間潜入捜査を続けるニック
(ダニエル・ウー)。クァンはニックを後継者にしようとしていた。一方、ニックの向かいの
部屋に住むフェン(チャン・チンチュー)とその娘は頼れる人がなく、ニックは親娘を気遣い
徐々に距離を縮めていく。そんなフェンの腕に注射痕が。麻薬をやめさせようと尽力する
ニックだったが、フェンの前夫(ルイス・クー)が現れ、麻薬漬けの日々に舞い戻らせようと
つきまとう。麻薬密売の真相に近づいていくにつれ、クァンの絶対的信頼に対する自分の
裏切りや、麻薬を取り巻く真実に、少しずつ分からなくなっていくニックだった・・。


2007年度香港アカデミー賞にて『ウォーロード/男たちの誓い』等の
超話題作がひしめく中、最多15部門ノミネート、助演男優賞・編集賞受賞作・・と
紹介文に書いてあり、さらには予告編も見たら、とっても面白そうだわ~と
楽しみに見た作品。原題は「門徒」。なんだかそっちのままで良かったような・・。

で、すでに今年に入ってから何本かの映画の記事を書いてますが、実はこれが
私にとっての今年最初の映画でした。元日に見たんですが、これがまた元日に
見るにはかなりディープな作品でした。重い・・そして苦しいシリアスな
社会的なメッセージがあるドラマ。

結論から言うと、薬は止められない、と。そういうことですね。
もう二度と薬はやりません・・というのは、もしかしたら無理なことなのかも
しれないと、重~~~~~い気持ちになります。
 
冒頭、警察官の姿をしたニックがソファーに横になり、「薬が悪いんじゃない、
虚無感が悪いんだ・・」というようなことを言うんですよね。
そしてラスト、そのシーンに戻ります。何度も書いてるかもしれませんが、
こういう構成好きです。それにこのラストシーンが重いですよ~。
あ~・・お願い・・・ふぅ・・・という感じだったでしょうか。
(未見の方は何の事やらわからないでしょうが(^_^;) ドッと脱力する感じ)

クァンが需要があるから供給するんだ・・と薬のことを正当化するようなことを
言うんですが、これまた悲しい現実でもあるわけで、どっかでズバッと
断ち切らなくてはいけないんだけど、なかなか実現しないだろうなぁと
つくづく思い知らされる映画でもありました。

アンディ・ラウにしては珍しい悪役でしたが、普段優しそうな人なのに、
悪のモードに突入すると、凄みがあって巧い。さすがアンディ・ラウ!と
唸るシーン多々あり。糖尿なのにお菓子を食べ続け、コーヒーにもお砂糖を
入れ続け、ニックに止められ苦笑いする彼はお茶目。でも、一旦ニックに
疑いを持ち始めた彼の眼差しは怖い。その落差が凄かったです。

彼の奥さん役でアニタ・ユンが出てたんですが、香港のトップアイドルだった
彼女が、ちょっと残念な年のとりかたしちゃったかなぁと(^_^;) 
でも、彼女がラスト近くで夫にささやく言葉はシビアでしたわ~。
やっぱり女は怖いですね。

がさ入れシーンなど、時に残酷な描写もあり、香港映画らしさもバッチリ。
そしてタイの三角地帯の衰退なども見せてくれました。
そこで働く人たちの様子もチラッと映し出されます。
生活がかかってるんですよねぇ~・・・。
 
そして、麻薬漬けになってる母親役のチャン・チンチューが体当たり演技でした。
セクシーなシーンもあり、よくぞここまで!と女優魂見せてもらいました。
元夫がジャンキーだったから、自分が薬をやって止めてやる、薬をやっていても
止められるんだって見せたくて始めた・・と言ってましたが、元夫も同じ事を
言ってたんですよね。どちらが本当だったかわかりませんが、少なくとも
あんなに可愛い子供がいるのに(ほんっとにこの子役の女の子が可愛かった!)
止められないわけですよ。子供がいるし、子供のためにも更正します・・って
言葉を聴いた事があるような気がしますが、それでもダメなんですねぇ~・・。
とにかくこのチャン・チンチューの演技は見る価値ありでしたわ。

どんなに“虚無感”に襲われても、麻薬はやってはいけません!(当たり前ですが)
薬の怖さをつくづく感じた映画でした。香港ノワールの良さと、社会派な
ドラマの絡みがとても良かったし、香港映画がお好きな方は是非。

個人的お気に入り度3.5/5


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4 コメント

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クスリは怖い・・・ (まてぃ)
2010-01-10 01:06:13
こんにちは。TBありがとうございます。

この映画、クスリの怖さが前面に出ていますよね。
昨年日本公開されてれば、有名人の事件なんかで反響が大きかったかも。
これだけいい作品なのに劇場公開がなくDVDだけっていうのは、残念ですよね。
アンディの悪役は凄すぎてさすがです。アニタ・ユンは撮影のとき本当に妊娠していたけれど、プロデューサーと監督のために無理して出演したらしいですよ。
まてぃさんへ♪ (メル)
2010-01-10 08:44:27
まてぃさん、こんにちは~☆^^

こちらこそ、TB、それにコメントもいただいて、どうもありがとうございます!

ほんとにこの映画では薬の怖さがよくでてましたよねぇ。
止めます、もうしません、って言うけど
そんな簡単なもんじゃないでしょ・・とは
思ってましたが、さらにその上を行く、止めるのって本当に本当に大変なんだ・・ということを痛感させてくれた映画でした。

そうそう、去年日本で公開されていたら、有名人の事件があっただけに、反響が大きかったでしょうね。
私もこの映画を見ながら、あの方たちの顔が頭に浮かんできましたから。

>これだけいい作品なのに劇場公開がなくDVDだけっていうのは、残念ですよね。

ほんとそうですよね~!
役者さんたちも有名どころがずらり・・・ですし、良く出来た作品だったのに、本当にもったいないなぁと思いました。
この映画よりも駄作(?)でも、公開になってる作品が多々あるのになぁ・・と思いましたわ。

アンディ、素敵でしたよね~♪
で、凄みがありました!悪役やってもやっぱり凄い!!!
アニタ・ユンは本当に妊娠中だったんですね(^^ゞ
知りませんでした。
演技はさすが!と思いましたが、ルックス的にあの彼女が・・と思ってしまったんですが、そういう事情だったらわかるような気がします(^^ゞ
この映画 (sakurai)
2010-01-12 08:22:03
知らなかった・・・。
見たい、見たい、見たいです!!
もう、アンディったら。
あたしに知らせないでねえ、もう。
これは見ねばなりませんネ。
ダニエルも出てるのとなれば、垂涎でございます。
やっぱ、ときにはレンタル屋に行かないと行けませんねえ。

さて、この連休、うちの大仏ちゃんが帰ってきてまして、一年ぶりに。
なんだかんだと連れまわされて、とんとPCともご無沙汰です。
もうすぐ帰るんで、ペースが戻ったら、また着々と進めるつもりでおりますけど、なんだか、しゃっきりしませんわ。
正月の飲み過ぎが、まだ尾を引いてる・・・。
もうすぐ、長男坊の受験もじわじわ始まるし、頭のイタイ日々です。
アンディ様見て、少々心の洗濯でもせんと行けませんネ。
sakuraiさんへ♪ (メル)
2010-01-12 09:02:45
sakuraiさん、こんにちは~☆^^

良いですよ~、これ(*^^)v
アンディファンなら見て損なし!!!です♪
珍しくワルな彼ですが、普段はお茶目なので、眼光鋭いところと、優しげなところと、どちらも堪能出来ます。
あちらで賞にいろいろ絡んだのがわかります。
ちょっとご都合主義はあるものの、そんなもんアンディとダニエルの前には吹っ飛びますから(笑)
ちょっとアンディに言っておきますわ、ちゃんとsakuraiさんに知らせるようにって(笑)

おぉ、娘さんがお帰りに!
釈迦如来になられてた・・ということはなかったんでしょうか?!(^^
でも、普段いない人が家にいると、それが自分の子供でも、ほんと疲れますよね(^_^;)
私も息子がいるときは、普通の生活が出来なくて疲れました~(^^ゞ
帰ってきてくれるのは凄く嬉しいんですが、どうしても通常通りにはいきませんもんね。
なにはともあれ、娘さんがいらっしゃる間は、娘さんとの時間を大切にしてくださいませ♪

ご長男さん、受験なんですね~。
高校受験でしたっけ?それとも大学??
親は特に何をしてやれるわけでもないんですが、ほんと受験生の子供を持ってると、落ち着きませんよね~。
いろいろ大変でしょうが、sakuraiさんも息子さんも、体調にだけは気をつけて、乗り切ってくださいませ。
春はそこまで来てますよ~(*^^)v