掻集

箱根駅伝、早稲田の涙の優勝で大団円です。Ｍ－１の笑い飯と同じような坐りの良さですか。高速レースでした。襷の重さなり意味なりをここぞとばかりにアナウンサーが絶叫します。根性物語、悲運物語、エリート達にはエリートぶりを持ち上げて、雑草達には生い立ち来し方から切々と語ります。あの日テレの中継、スタジオの進行役はできるだけ話さず、中継している、伴走している実況アナウンサーに多くを語らせます。連中もきっと十分に用意していくんでしょう、何通りも枕や泣かせ文句を用意しているんでしょう、滔々と叫びます。仲間の汗のしみ込んだ襷、母校の誇りを込めた襷、足折れようとも繋がねばならぬ襷！聊か食傷するわけですが、ま、それは否定しようのない大正論であって。早稲田が18年ぶりに勝ったわけですが、レース途中の解説や出身高校名とか聞くに見るに、いかに硬式野球で象徴される全国からの掻き集めであるか。いわゆる青田刈りが平然と行われている現実です。中学時代から渡辺監督に声掛けられていた選手がいましたね、こりゃすごいわ。渡辺監督は箱根の大スターでしたからね、その後はパッタリでしたが。そんな人に声かけられて、しかも相手は子供で、そりゃ呪文みたいなもんで。選手のインタビューの端々に出てきます、早稲田はAチーム、Ｂチームと言ってましたが、一軍二軍の差はきっとえげつないものなんでしょうね。あそこの十人は全国の高校中学から選りすぐられた逸材だらけ。勝って当然じゃないかとも思うわけですが、そこまで揃えて、そして何と言ってもその日の調子なんですね。後者こそが律速要素。実況アナがよく言ってた、この選手は一般入試で入って頑張った人、というプロフィール紹介が象徴的でしたね、つまりほとんどがスポーツ枠で入試なしに入ってくる連中なんですね。野球部だけじゃないわけです。強くなるためには当然なんですが、何だかなぁ、と思いませんか、やっぱり。こっちにまで？というがっかり感。結局金のある学校が強いって。巨人や阪神と一緒じゃんか。へそ曲がりはそう思いました。いかがですか。