柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

不安

2009-11-21 08:07:35 | Weblog
デフレスパイラルという言葉をよく聞きました。デフレーション、風船がしぼむという意味ですが、物価が安くなっていいじゃないかという表面的な「利点」は利幅利鞘が小さくなるということです、儲けが少なくなるということです、その商品製造運搬販売に関わる全ての業者、広くは業界全体に大影響です。これを称してスパイラルと喩えるのでしょう(なんて今更わかったように言わずとも皆様にはとうにご存知のことで)、らせん、渦巻きです、周りを巻き込んで落ちて行く様態ですか。先にダイハツのコスト削減方針の特集をTVで見て、ぞっとしました。ダイハツは軽自動車のトップメーカーですが、安くしなければ売れない、どこを削るか、人件費と原価しかないのですから、人員整理と下請け叩きしかないのです。下請工場の社長を写してました、部品の単価を26円から22円に落とせとの通知文を見ながら、これではいくらも利が出ないがそれでも仕事を貰わないと他にないからという窮地です。泣き笑いの表情が印象的でした。財布に金のない人が、給料少ない人がどうして「大量」消費できますか。そういう単純な図式なのですが、私如き凡才はこういう時にハタと気づくのです。特に最近はコンピューター周りの製品、コピー機とかプロジェクターとかプリンターとか本当に安いでしょう?へぇ、安くなったもんだのうと驚いて、これなら新しく買えるかななんてほくそ笑むのですが、よく考えれば、こんな安くで売ってどれだけ利益があるのかということ、中国やら他の人件費安いところで作ってくるんでしょうが、それならそれで日本人の財布には入っていかないこと、給料が上がる筈がないこと、となると安く売るしかないというスパイラルです。悪循環。金は天下の回り物なのですが、現状は金が日本の中で回ってないのですね、外国に流れて帰ってこない。国内で作って売ってという循環が断たれているのでしょう。こんなことが日本中で起こっているのです。そして何十何百の小さな町工場が潰れていったのです。リーマンショック以来麻生さんがあれこれ(じたばた)対応してましたがやはり落ちる所まで行くしかないという「誰がやっても同じ」結末になって、そこを何とかしようというのが、今国会で強行採決された借金モラトリアム法案であり、「無駄遣いをなくせ」仕分けなのですが、さあて、本質に届くのでしょうかね。デフレの本質。国内需要はどうなったの?見ものではあるのですが、不安な気持ちも段々に強くなってきますね。いかがですか。
コメント
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