柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

臭い飯

2007-05-20 12:05:21 | Weblog
刑務所が個室化してマンション化して犯罪者の増加に追いつかないそうです。加害者の人権擁護という奴です。犯罪者にも人権があるという奴です。死刑が犯罪抑止に繋がらないという理屈で(核抑止力になぞらえての謂でしょう)死刑廃止論が存在しますが、いわゆるところの「ブタ箱」「臭い飯」がなくなってしまえば、お巡りさんに捕まるよ!手が後ろに回るぞ!という抑止抑制すら効かなくなりましょう。社会生活上世間様を敵に回すのは得策ではありません、社会の中でのポジションを失うことこそが犯罪、規則破りを抑える最大の動機であるはずです、多くの人にはこの脅迫は有効です。しかし、よくいう「失うものがない」人達も多くいるわけです、そういう人達には通用しません、もっと直截な具体的な脅迫が要ります。それが臭い飯だったんでしょう。自由を奪われることは一番効く懲罰制裁と思うのですが(そうじゃない者もいるとは思いますが)映画や小説にあるように、狭い牢屋の中に何人も詰め込んで臭い飯を食わせる、ひどい待遇で思い知らさせる、これが懲罰する意味合いじゃないですかね。更正を主眼におくのなら余計にこうすべきです。もう懲りごりだと思わせないと、曰く体に覚えさせないと、理屈に通らない連中には更正なんぞは果たせないでしょう。もっともこっちに話を進めれば、人権弁護士達のごまかしと裁判官様のやさしいご配慮で更正の可能性とやらを見込まれた累犯者が山と存在する事実が雄弁に物語ります、理屈の通らない奴らは更正などはできません。犯罪性癖を有する者は更正できません。ルールを守れない者は生涯守れません。精神分裂病者(統合失調症)やら人格異常者は「更正」できません。本当の意味の、魔が差した者、でき心だった者は、当初の自由剥奪、臭い飯で懲ります。二度とやらないでしょう。世間の目が突き刺さるのもよく分かる人達ですから。ここに線を引いて、対応を変えるべきでようね。更正できる者とできない者。簡単に分けられます、専門家の目なんて要りません、何でしたら私が見分けてあげましょう。専門家にできなくて素人に簡単にできることって、世の中にはたんとあります。おまけにこの業界はバカの壁が一番高いところと来ます。犯罪者の人権が一番、二三四なくて五に被害者の憤り。被害者を守れなんて誰も言わないのです。社会の感情、社会の安全安寧は二の次三の次です。一般感情との乖離なんてよく批判されてはいますが、それでも専門家の言うことだからと、業界の慣例が優先されていきます。働いて食っていこうという考えのない者達は刑務所が適当なのです、衣食住の全てが働かなくても保障されるのですから。自由なんて刑務所の中で十分だと思ってしまえば、それこそ「社会復帰」のきっかけすらなくしてしまいます。毎日毎日食いつなぎ雨露を凌ぐことで精一杯の暮らしと衣食保障された個室暮らし。答えは簡単です。刑務所出ては放火の窃盗の暴行の無銭飲食のでわざと捕まる、累犯で罪は重くなって幸いです。連中平気で公言する、刑務所に入りたかったと。こっちは口あんぐりです。そうですね、はっきり言えば刑務所を収容所にするな。ブタ箱化して臭い飯を食わせろ。犯罪者対応にまで福祉のお化けを持ち出すな。犯罪者に人権がないと言うのではないのですが、人殺しをぬくぬくと食わせ寝かせてやる必要がどこにあるのかという素朴な気持ちです。今回の発砲殺人男も、精神鑑定でクロと出て、ぬくぬく組に入っていきますよ。それでいいんでしょうかね。ローマ春秋メソポタミアの時代から人は進歩などしていません(これは山本夏彦の言です)。ハムラビ法典が野蛮なんじゃないですよ。あれが人の考えることなんです。報復の原理である一方で、限度を定めているという解釈です。目を潰されたら、相手を殺すんじゃなくて相手の目を潰すまでは許すという規定です。そこに社会の原理原則があるんじゃないですか。そこで人は許すんじゃないですか。その後、法治という形態ができ、人権が確立し、福祉体系が国家としての価値基準になり、今の暮らしがあるのです。我が国においても仇討ちが禁じられたところから近代化が始まっていくのでしょう。ものを盗られたら盗り返せ、金を騙し取られたら取り返せ、殺されたら殺せという単純なことでは社会の安全平穏が保たれない、向こうさんの思い込みに任せていたんでは夜もおちおち眠れないという事態に陥ります。警邏警察体系の整備も相俟って、相当の代替処罰に替えられていったわけです。私刑が禁じられます。法律の教科書にも法と倫理は峻別されるとあります。国(法律)は個人の権利を保護するばかりであり、個人の怨恨感情には与しないと言うことでしょう。そこから最近よく耳にした罪刑法定主義が導かれます。慣習で裁くな、私怨でもって徒に刑罰を苛酷にするなという要求です。で、現在は法の遵守ばかり強調されて、倫理、つまり被害者の感情、ひいては社会不安が全く顧みられない状態なのです。峻別されすぎているのです、本来分けることのできないことなのにです。落語じゃありませんが、一個の饅頭二つに割ってどちらが旨いかと問うが如し、一本の木を指して根と葉とどちらが大切かと問うが如し。弁護士、裁判官ばかりではなく、前段階の警察、後処理の監獄にもその風潮が蔓延しています。マスコミが煽ります、例によって。犯罪天国化の道まっしぐらです。いいんですかね、これで。
 17歳母親殺害猟奇事件、ここで敢えて書かないでいたのは余りに猟奇だったからです。常人の想像を越えています。普通の感想やら評論を撥ねつけるものだからです。でも、父親が書いたという手記が報道されるに至って、世論はググッと少年への同情に傾いたんじゃありませんか。こんな父親だったんだ、こんな家庭にあれば仕方のないことか・・です。今朝のワイドショーでも叩かれていましたよ、被害者の夫であって加害者の父でないのか!って。この父親(夫)もあるいは確信犯であるのかもしれません、こういう反応になることは分かりそうなことですから。分からなくて書いたのなら、やはりこの少年の悲劇だったんですかね、あくまで家庭環境に因を求めること、なんて馬鹿な親なんだ、です。分かって書いたのなら、ちんけな安物の保身(私は知りません、自分も被害者なんです!なんてね)か、少年への世の中の同情を引き罪一等減ずるための高等戦術であったか。いずれにせよ、非難の矛先を被害者の息子から外した点、猟奇性を薄めた点では、勲一等、殊勲甲です。自分の息子を被害者の息子と書く心根あればこそでしょう。ついでに書きます、そのワイドショーでコメンテイターとして女フィギアスケートの村主なんとかが出ていて、意見を求められていました。喋らせればおつむのできから知識の多寡、普段何を考えているかまですっかりわかります。そのことを改めて思い知らされました。小学生でも気の走った子ならそれくらいは言うぞという程度のことを回りくどく話すのです。いえ、この人には必要のない部分です、この人はスケーティングに優れている人です。そう思って、もう二人のいつもの識者(日テレの御用識者ですが)の言を聞いても、五十歩百歩。あらら。諸姉諸兄、言動には所作動作には十分お気をつけあそばせ。
コメント (3)
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