銀の人魚の海

日々の思いを好きに書いています。映画、海外ドラマ、音楽、本。
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告白~コミック風アート

2010-06-26 | 2010年鑑賞新作映画
邦画はほとんど見ないので今年初か?

これは子供が見て(原作読んでる)
変わってるというので(映画、年7本位見る子供)
何となく見た。

映像、予想外にアート系でびっくり。
原作が文庫化されたので見る人も増えてるみたいか・・

音楽も上手い入れ方でクラシック、バッハが多かったしヘンデルなど。
あと、小さな声のヴォーカルは誰?
クレジット早く見られず。サントラはいいかなと思う。


少し何故だろう?
「アメリカンビューティ」を想う。
映像の感じか・・全く違う話なのに。
そのまま外国映画にできそうな気もする。

私もひとりの子の母なので母として告白風に書こう。

これは3人の母の物語でもあり、子供たちの物語でもある。

●松たか子の立場から

全くいつもうるさく、まるで小学生プロブレムとにたような
中ニプロブレムのような、このクラス。
レベルが低い子が多く、この騒ぎ。人の話をしっかり聞く子は少ない。
それでも生活のために私は教師をしている。
あの子のために・・

日々、この子たちにあきれつつ指導をしているが、
その子が、わが子をなんて思いもかけないことだ。

少年法。こんな法律が何故あるのか?
私はこれに負けたくない。
ひとりで育てた可愛い子を一瞬で失うなんて・・
それを事故で片付けられた。
警察もダメだ。

バカらしい計画かもしれないがリベンジを誓い、ほぼ
テキスト通りに成功したのは、やはり彼らのレベルは低かったのだろう。

あの子たちは、なぜ、ああいう生き方しか選択できずにいたか?
母であった私にも最後までわからない。

AとBの母は何を考えて生きていたのだろう・・
母とは・・
家族とは・・

エイズの正しい知識すらない中学生。

別れた彼に1回もわが子を抱かせなかった私は
もしかして、密かにエイズに対する偏見があったのだろうか・・
何故、彼と結婚しなかったのか?

同棲でもよかったかもしれない。たとえ数年でも
子どもと一緒に暮らしていれば、事件は起きずに済んだかもしれない。
あの子に彼をもっと会わせてあげたかった、と今は思う。

私自身の生き方は間違っていたのか・・

雨の中、私は上手く進んだ計画だったが泣いてしまった。
これで、あの子は更生するのか・・

私はすべてを失った女だ。

●木村の佳乃の立場から

これまでは平和な家族、可愛かった息子が人を殺すなんて!
ありえない。は違った。

今、夫は不在の母子家庭のような環境、主婦の私と思春期の息子。

事件から引きこもり、どうしたらいいのか・・

熱い担任の訪問もうんざりするし息子はかえって悪くなる。
教師なんて本当の生徒の気持ちなど、わかっていない人が多いのだと気がつく。

医師、カウンセラーに見せる事もできない状態だ。
そんな事をしても、かわらないだろう・・

夫、娘は何を考えているのだろう・・
全くうちは、今は子家庭以下でしかない。
息子は、いつまでも小さな息子でいてほしかった。

この家はモデルハウスのような綺麗な家、
そこに汚くなった息子が生きている。
どうしたのだろう、うちは・・・

私にはもうできることは、これしかないのか・・

夫など存在しなかった夫婦のようだ。
息子がかわいそうで仕方がないが
これしか方法がない。

何故、あの子はBと関わったのかなど、もうどうでもいい。
息子を安らかに・・そして私も。

すべて事件さえなければ、あの学校に行かなければ・・
もうどうでもいい。

●虐待していたAの母の立場から

私の才能を受け継いで生まれたと期待し産んだ息子。
なんで、早くに妊娠をしてしまったのか?
もっとキャリアをつけてからでも良かったのに・・
育児だけの日々。

辛い、考えが甘かった私。
息子に、そのイライラをぶつけ、つい虐待してしまう。

夫も凡人過ぎたから離婚となった。
私は、ずっと息子を忘れてはいないがもう過去の事だ。
すべて忘れ、再出発をしたかった。

息子が、こんな事をしているなんて・・
どうなってしまったのだろう。
私の人生は、息子を捨てたことで崩れた。
私は自己愛だけで生きていった女なのだろうか・・

またの妊娠・・・未来は予測できない。
どんな子が生まれるのだろう。
今度は、もっと育児もうまくいくのだろうか・・
次は新たな出発がくるのだろうか・・

でも私はそれもできなくなった。

3人の母の気持は、こんな風かもしれない。

映像は全編ブルーグレイがかった暗め。

ストップモーションを多用。それが効果を上げていて
グロテスクで嫌な話だが、どこかおかしいような、ブラックユーモア風でもあった。

私だけかもしれないが。

R15指定、子供が見ると現実に近いのだろうか?
共学の地方中学は全く知らないので想像もできないが
現実、こんなにうるさいの?

これでは授業もできない。

そういう学校が増えているというが、これがそうなのか・・

ラストの爆発あたりは、CG使用でアニメ風になりえ~~というかんじ。

小説ではどうかかれているのだろう?
「~なんてさ」とかいう言葉を、松が言うが、あれはあったのか?

すべて寓話と見てもいいだろうし現実感を持って見る中学生もいるだろう。

ただし、エイズに関しては偏見、誤解を生む映画である。
地方の中学生だとあれほど無知なのか・・
疑問。

牛乳に入れた!で、凄い騒ぎはね~
簡単に感染しないし、もししても発病しない事もあるし
発病しても20年以上生きてる方もいる。

夫がエイズで、それが理由でシングル、という松の選択時点から
もうすでに差別、という気もする。

原作では、松の相手は放浪の旅をしていたらしい。

作者の湊氏の経歴も変わっていて、南米かアフリカへのボランティアみたいな
事をしていたらしく、そこからエイズなのか、で小説へか・・

荒唐無稽な物語をうまく映画化したのは監督の腕だ。
変化球映像、色彩がいい。

木村、松ともに熱演。
あの教師が岡田まさきとは・・ヘアがくるくるなので
よくわからなかった。

ヨーロッパでリメイクしてほしい。
もっとエイズの知識をしっかり入れて。






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