銀の人魚の海

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ブラインドネス~見えない視点、視線

2008-11-30 | 2008年鑑賞新作映画
ポルトガル出身だったか?
F・メイレレスという当時知らない監督の
「シティ・オブ・ゴッド」は試写で見た。
あの衝撃は今でも忘れないほど、斬新な映像だった。

「ナイロビの蜂」もレイフということもあり、
「シティ」にはおよばないが、薬の闇社会を切なく描き良かった。

3作目のこれ。
好きな伊勢谷、木村も出る。
M・ラファロもいい。
ガエルも好き。
J・ムーアはこういう系が多い。

アジア人出演なので国別の話かな?は違った。

見えないことの意味。
見えることの意味。

先日、雑感に盲学校のことを書いたが、
しょうがい者になるという見方もあるが、
深読みすればいろいろだろう。

アジア人の彼が初めて感染ということ。
黒人の片眼が見えない?彼が全く見えなくなる。

いつもサングラスをかけていた女性は
盲人になり必要がなくなる。

初め、オレンジのカットがあったので
何か関係があるのかと思っていたが
なかったのはハズレ。

ゾンビ系という評もあるが
それはそれで、そういう見方でいいかもしれない。
映像だとなりがちだと思う。

原作「白の闇」はノーベル賞作家。

だからではないが、日常で当然だと人が感じていることが
ある日突然、全く違うことになった危機感、不安感を
あらわした小説だろう。

寓話ともいえるし、人により見方が違ってもいい。

私は今、聞こえなくなるより、見えなくなる方が
恐怖だ。
歩けなくなること、話せなくなることより
見えない恐怖は一番かもしれない。

食糧をめぐりの当然だがレイプ、強奪など、ちょっとな~と
感じる点もあるが、善悪、心理、人種すべてを絡ませた話だと思う。

ラストのムーア。確か「次は私か・・」みたいなセリフ。
あれは、どういう意味なのだろう。

見えてるムーアが見えなくなり、他が見えるようになるか?
他にも見える人がいるのか・・

その辺り原作を読んでみたい。

帰国子女でもある木村と芸大院卒の伊勢谷の英語はうまかった。

人は、今、健康なら重い病気になれば不安を持つ。
平穏な暮らしが、ある朝、回転する視点を感じる映画だ。

カフカの「変身」とまではいかないが、微シュールさも感じた。


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